小鉢充実「しんぱち食堂」これが日本の食卓
勤務を終えた早朝、外はまだ真っ暗。
開いている店は限られています。
少ない選択肢の中から、栄えある本日の朝ごはんに選ばれたのは(偉そう)
「炭火焼干物定食 しんぱち食堂」。
家庭料理のような和食を食べさせてくれるチェーン店です。
向かったのは新宿。
なぜ新宿なのか?
実は「しんぱち食堂」のほとんどの店舗が、午前7時開店のなか、
新宿東南口店は、なんと午前4時開店。
しかも閉店は午前3時。
つまり23時間営業。
夜勤生活者には大変ありがたい店舗なのです。
朝6時、店に到着。
4人掛けのボックス席3つと、カウンターが20席程度。
狭いながらも最大限に席数を稼いだ、とても考えられた客席です。
お客は、ボックス席2つが埋まっている程度で、まだガラガラ。
入店すると、入口近くに券売機のようなものがあり、
機械の前に立ってみたものの、何か違う。
これは精算機だ!
振り返ると座席にタブレット。
注文は席でするタイプの店とわかり、カウンターの隅を陣取ります。
すると、ちょうど深夜バスでも到着したのか、
そういう時間帯なのか、次から次へと客がなだれ込んできます。
店員さんは1~2名。
これは先に注文しないと待たされる!
危機察知センサーが働いて、注文を急ぎます。
朝食メニューは4種類。オール460円(税込506円)です。
私は「朝いわし定食」をチョイス。
そして「しんぱち食堂」では、
これで注文を終わらせてしまってはいけません。
絶対に。
充実した小鉢メニュー! それが破格の安さで提供されています。
値段は30円から。例えば…
「冷奴」+「大根キンピラ」+「インゲン胡麻和え」と3つ頼んでも90円。
ぜんぶ購入しても400円。
定食と合わせても1000円を超えません!
どうしてこんなに安いんですか?
何か頼まないと間違いなく損します。
私は「厳選高級ねぎとろ」(90円)と迷って、
「わかめ(わさび醤油)」(80円)をチョイスして注文を終えました。
とにかく気になる店の品質を落とす客
「すいませ~ん」
店員さんを呼ぶ大きな声が響いています。
「朝サバ定食と、普通のサバ定食、何が違うの?」
「トイレの石鹸かえてよ」
「注文そっちでしたけど、席変わったから。こっちに回して」
朝6時過ぎの新宿、他に開いている店もないので
仕方がないのかもしれませんが、とにかく酔っ払いが多い!
ガラが悪すぎる!
そもそも人件費を削るタブレット注文なのに
なにかと店員さんを呼びつけます。
しかもタメ口。
本人は当たり前だと思っているようですが、完全にカスハラ案件です。
ひどすぎる。民度が低い。お里が知れる。
口の悪い言葉が脳内にあふれて、気分が悪くなります。
それでも粛々と仕事をする店員さん。
おかげで私の定食も、10分足らずで運ばれてきました。
塩分強めのいわしが食欲を誘う
まずは味噌汁を一口。
“こ、これは他のチェーン店とは違う…”
たった一口、飲んだだけでそれがわかります。
うっすい具のないどこかのミソスープとは違い、
しっかりと出汁の味。
店のポテンシャルに期待が高まります。
勢いよくメインのいわしにかぶりつくと、
夜勤明けの舌に、強烈な塩分の攻撃。
これは白ごはんがすすむくん!
嘘をつくのは嫌なので、noteを書くときは
あの手この手で褒めるところを考えることもありますが、
これは、ほんとに堂々と胸を張って言えます。
「おいしい」
ガラの悪い客のせいでマイナススタートでしたが
一気に気分があがります。
卓上には通常の醤油だけでなく、白い「薄口醤油」もあります。
こういう心にくい気遣いが最高です。
大根おろしに注いで、二種類を食べくらべ。
いわしの旨味が倍増します。
追加で注文した、小鉢のわかめ。
サラダ感覚で、定食というチームが機能する上で大事な役割を担います。
ところが、そうして食べ進めている間も酔客たちは、
店員さんを何度も呼び寄せます。
「ビールちょうだい!」
いや、急かすなって。あと、タブレットで注文しろよ。
そうしたら店員さんのタイミングで運んでくれるから。
そんな酔狂を冷ややかに眺めながら、
淡々と“典型的な日本のおいしいごはん”を食べ進め完食。
お腹もいっぱいで、大満足です。
さて、お会計。
てっきり食事の提供と一緒に伝票を渡されると思っていたのですが
いつまで待っても来ません。
もしやと思ってテーブルを見回すと、会計カードが。
なるほど、こんな画期的なシステムになっているんですね。
先ほどの精算機で会計をして、店を出ます。
滞在時間たった20分程度なのに、空が明るくなっていました。
改めて外観の写真を撮っていると、気がつきました。
ええ! ビールが150円(税込165円)!?
これは価格破壊です。
だからあんなにビールが出ていたのか!
答え合わせのように納得します。
これではガラの悪い酔客が集まってきて当然です。
私信「しんぱち食堂」さま。
間違いなく味で勝負できるのですから、このサービスは、
せめて昼帯の時間指定にするなど、考え直してはいかがでしょうか。
お客ではなく「汚客」を呼ぶだけだと思います。
余計なお世話であることは重々承知しておりますが
ご検討いただけましたら幸いです。