誰にも負けない努力 仕事を伸ばすリーダーシップ
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【書籍情報】
誰にも負けない努力 仕事を伸ばすリーダーシップ
著者:稲盛和夫
発行:2019年2月
1.潜在意識に透徹するほどの強く持続した願望を持つ
あるべき姿、理想像を描く。具体的な目標を指し示す。その目標達成のために戦略・閃塾的なシュミレーションを繰り返す。そうして次から次へと考え続けると、結果がはっきり見えてくる。うまくいった姿、目標に到達して、喜びにあふれている自分の姿が想像できるようになってくる。
2.強い思いを持つ
思いというものは、たいへんな力を持っている。「どうしてもこの研究を成功させなければ」という熱意、情熱。そういう思いが蒸気みたいに出て、それが露になって落ちてきたときに、難しいものがパッと解けるのである。
3.大きな夢を描く
人間は、もうダメだと思うと、本当にダメになってしまう。そういうときに、大きな夢を描き、組織のメンタリティをガラッと変えることができてこそ、リーダーなのである。
4.「ど真剣」に考える
朝から晩まで、一日24時間、いつもどうにかして目標を達成したいと考える。そうしたリーダーの「ど真剣さ」が目標達成の鍵となる。
5.純粋な心で願う
強く願望を抱いて頑張れば成功する。悪しき心ではなく、美しい心で描いた願望であるほど、成功する確率は高くなる、そしてその美しい純粋な心で願う企業経営のあり方、それは必ず成功するのである。
6.美しい心で着手する
真我から発した、他によかれかしと願う美しい思いで着手し、誰にも負けない努力を重ねて取り組んでいることが、成功しないはずがない。
7.「神の加護」を受ける
「大義」のために、老骨にむち打ち、無報酬で全身全霊を傾けて再建に取り組んできた。社員たちも同じ思いになってくれ、再建に向けて懸命に取り組んでくれた。利他の心だけで、懸命な努力を捧げている姿を見て、神様、あるいは天が、哀れに思い、手を差し伸べてくれたのではないだろうか。
8.誰にも負けない努力をする
経営と人生において成功したいのなら、一生懸命に働くことである。あのアスファルトの割れ目からなんとかしても生きようと芽を出している雑草のように、必死に一生懸命に働く。それ以外に、成功の道はない。
9.仕事を好きになる
努力をして仕事を好きになる。本当に好きになったら、「誰にも負けない努力」ができる。そうして一生懸命に働く中で、創意工夫して仕事を進めるようになり、やがては素晴らしい成果ももたらされる。また、自分の魂を磨き、美しい心を心をつくっていくことにもなる。
10.さらに努力を重ねる
会社経営がうまくいくというのは、あたかもヘリコプターが地上から浮いて、重力に反してあがっていっているようなものだ。一生懸命、常にプロペラを回していなければ下へ落ちてゼロになる。それが自然の摂理である。だからこそ必死に漕ぎ続ける以外にないのである。
11.自らの道は自ら切りひらく
困難なとき、ともするとつい愚痴が出そうなとき、弱音が出そうなときに自分自身を励まし、勇気づけることができる人、決して愚痴をこぼさない人、困難であればあるほど未来に向かって明るく希望を燃やし、その希望に向かってどんな不利な条件の中でも努力を怠らない人、そういう人は必ず成功する。
12.まっすぐに目標をめざす
自分の登りたい「山」が険しく、きついものだからといって迂回していては、その「頂」にたどりつくことができない。だからこそ、恐れずに、より垂直に登攀(とうはん)していきたいものである。
13.困難に真正面から取り組む
卑怯な振る舞いのある人、言い訳をしたり、逃げ回ったり、責任転嫁をするとうな人を要職につけてはならない。リーダーには、困難に遭遇したときでも、うろたえてはいけないと自分に言い聞かせ、そこから一歩も退かないぞという勇気が要るのである。
14.もうダメだというときが、仕事の始まり
成功者と不成功者の差は紙一重。問題は、うまくいかなくなったとき、「そこから」が、すべての始まりなのである。みんな、そこまでは努力をする。しかし「そこから」の線を越せない。人並みの努力はやれても、「そこから」先がやれなかったと言って終わってしまうのである。そうではない。繰り返し、繰り返し考える。もうダメだと思わないで、何度もやっていく。そうすると見えてくる。
15.感性的な悩みをしない
感性的な悩みをしないということは、大事なことだ。どんなことがあろうとも、悩む必要はないし、悩んではならない。決して心を煩わせてはいけない。反省をして新しい思いを抱き、新しい行動に移っていくことによって、心の煩い、悩みを新しい未来の方向へと向けていくのである。
16.闘争心を燃やす
仕事をする上で、ガッツ、闘争心をもっと持ってほしい。この闘争心は野放図に出してはいけない。コントロールすることが必要になる。"魂"によって、闘争心を出すべきところでは出し、そうでないところでは抑えるというようにコントロールするのである。
17.心を高める
「心を高める、経営を伸ばす」。この言葉は、経営者の人格と企業の業績がパラレルになるということを表現している。経営を伸ばしたいと思うなら、まずは自身の心を高めることが先決である。そうすれば業績は必ずついてくる。
18.人格を高め、維持する
ヘリコプターであれば、プロペラを回差なければ、重力に打ち勝てない。同様に心のレベルを維持するというのは、常に学んでいる、常に反省をしているということでなければできない。ましてや人格、人間を向上させるという場合には、もっと勉強をしなければならない。
19.反省ある毎日を送る
毎日寝る前にでも、自分の心を静かにして今日一日を振り返ってみる。そして「おまえはバカか」と自分に言う。翌朝には洗面しながら「バカ!」と言って怒る。「神様、ごめん」「お母さん、ごめん」と声に出して言う。この反省が大事なのである。
20.謙虚にして驕らず
人格や考え方は変わる。変わらないほどに鍛えぬかれた考え方、どんなに状況や環境が変わろうと、条件が変わろうと、謙虚さを失わず、変わらない人格を持っていなければ、真のリーダーにはなれない。
21.大善小善
「愛情」というのは、単なる小善の愛ではなく、大善の愛である。一般に、善だと思いことが、実は大あくであることがたいへん多い。小善ではなく、大善を見抜く眼力が必要となる。
22.部下への愛情を持つ
「立派に成長してほしい」という愛情や思いやりの心さえあれば、指導が多少下手でも、部下が納得するまで徹底的に教えるだろうし、そのような上司の気持ちを部下も必ず分かってくれ、成長していくはずである。
23.厳しく叱り、笑顔で励ます
部下への愛情があれば、どれほど激しく叱っても、最後に「頑張れ」と笑顔で励ますことができる。その率直な思いが、部下をして、「自分のためを思って叱ってくれた」と感激させ、「この人の言うことなら、無理を聞いてみよう」と意気に感じさせることにもなるはずだ。
24.部下を見抜いて、登用し、育てる
厳しく教えながら登用していく。自信をつけさせていく。「場を踏ませる」ことが、教育になるのだ。しかしそのためには、部下の長所から短所まで全部を見抜いて、その人の短所を補強していかなければならない。
25.「鉄火城」を踏ませる
鉄火城へ追い込んでいく。そうして度胸をつけさせる。もともとはおとなしくて非常に人間的で、優しいものを持っている人に、実践の場を踏ませることによって真の度胸をつけさせたときに、真に立派な仕事ができる人になる。
26.やらせてみる
真のリーダーは教育によってつくるものではなく、「探す」ものなのかもしれない。まだ未熟と思えるような人でもいいから、マネージャーやリーダーをやらせてみる。どんどん交代させていく。敗者復活も十分ある。そうすると、今まで見えなかった潜在意識な才能を開花させる人が出てくるはずだ。
27.ビジョンとミッションを確立する
企業を発展させていくにあたり、もっとも大きな原動力となるのは何か。それは、「会社をこのようにしたい」と言うビジョンである。では、そのビジョンを実現していくときに、会社という集団にちおってなくてじゃならないのは何か。それがミッション(使命)である。リーダーはビジョンを掲げるときに、その前提として企業経営の真の目的であるミッションを説かなければならないのである。
28.自分に惚れさせる
経営の第一歩は、自分と苦楽を共にできるような、心が通ずる従業員をつくっていくことなのだ。そのためには自身が心をひらき、従業員を愛さなければならない。
29.仕事の意義を説く
従業員を自分のパートナーにしていくためには、「事業の目的、意義を明確にする」ことが必要になる。「公明正大で大義名分のある高い目的を立てる」ことが大事になってくる。
30.仕事への誇りを持たせる
「どんな仕事よりも立派な仕事をしているんだ」という誇りを従業員に持たせるようにしていかなければならない。自分の仕事に対して、自分の会社に対して誇りウィお持たせなければならない。
31.エネルギーを注入する
自分の思いを強大なパワーのエネルギーに変えて、それを部下に注入する。注入して、部下の顔が紅潮してきて、「絶対やりましょう」「やれそうだ」というようなところまで持っていかなければならない。可能性を信じられなければ、難しいものはなんにもできない。
32.率先垂範する
リーダーがガミガミ言っても、人は動くものではない。その人の心が変わって、自らがやる気を起こさなくては意味がない。だから、みんなに共通する経営の指針を訴えて、内から燃えてくるような雰囲気をつくっていくのである。それと同時に、後ろ姿で持って教育するのである。
33.私心をなくす
自分のことばかり考えている人には誰もついてこない。社長であれば、会社に代わって、会社になって、ものを言う。いわば会社の代弁をしなければならない。それは社長だけのことではない。どんな小さな組織のリーダーも、同じである。集団のために損な役割を引き受ける、それがリーダーの必須条件である。
34.人間の無限の可能性を追求する
「自分は無限の能力を秘めているんだ」とまずは信じること。ただし、いくら信じても、それだけの能力はない。だから毎日地味な努力をし、自分の能力を磨き上げていくことが必要になってくるのである。それができるのは、常に好奇心を持ち、新しいことを考えて実行し、実行することを楽しんでいる人である。
35.楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する
超楽観的に目標を設定することが必要である。その上で、計画の段階では、悲観的に構想を見つめ直す。そして実行段階ではとてつもなく楽観的にいく。それが新しいことを成し遂げる要諦なのである。
36.心のままになる
新たに創造的なことをする、真理を見出していこうとするときに、信じられるのは自分しかない。しかしそのときに、自分の基準となる心が「バランス」のとれたもの、両極端を兼ね備えたものであるかどうかが問われる。
37.今日よりは明日、明日よりは明後日
毎日、今日よりは明日、明日よりは明後日と必ず変える。その改良改善が5年も経つと、恐ろしいほどの変化になる。1年365日経てばものすごい変化になる。3年も4年も経つと、それはもう素晴らしい”創造”が生まれているはずだ。
38.チャレンジ精神を持つ
チャレンジには、いかなる困難にも立ち向かう勇気、そしてどんな苦労をも厭わない忍耐と努力が必要なのだ。野蛮人にも似た貪欲さ、闘争心が必要なのだ。勇気にもとる人、忍耐力に乏しい人、努力を怠る人、そういう人は「チャレンジ」という言葉を軽々しく使ってはならない。
39.能力を未来進行形でとらえる
今できないものを、何としても成し遂げようとすることからしか、両期的な成果は生まれない。自分の「能力を未来進行形でとらえる」ことが、新しいことを成し遂げようとする人に要求されるのだ。
40.飛び石は打たない
チャレンジすることは大切だが、無謀なチャレンジはいけない。自分の得手でないものに次から次へと手を出さない。「跳び石を打つな」はチャレンジの前提条件である。
41.「見えてくる」まで考える
うまくいく仕事というのは、最終ゴールまですべて見通しがきき、見えている状態ではなければならない。始める前から自信めいたものが湧いており、「いつか来た道」というようなイメージが描けていなければ、事業というのは絶対に成功しない。
42.必ず成功させる
強烈な意志、強烈な熱意、こうありたいという強烈な願望というものが伴ったときに、初めて物事というのは成就する。心の状態がどうあるか、そこに新しいことを成功させる重大な鍵が含まれている。
43.リーダーが得るもの
経営者が自分の責任を超えて、身を挺して努力をしているために、多くの社員が将来に希望をつなげて生活をしていられる。そして経営者を信頼し、尊敬してくれている。そうした琴線では代えられない、人の喜びや感謝を受け、生きることこそが、どのような人生よりも素晴らしい人生であり、苦労に値する人生なのではないか。
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誰にも負けない努力 仕事を伸ばすリーダーシップ
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