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インドに行ってきました(4)

22時頃バラナシに到着。
ネパールのカトマンズから50時間同じバスに乗ってたから身体が痛い。
しかし市街地に行って宿を見つけなければならない。

私はバスの停留所からオートリキシャーを捕まえて市街地まで向かった。

ブッダガヤから俺はオートリキシャーのしつこい客引きを集めて一列に並んでもらってオークションの様に安い料金から提示して徐々に値段を上げて、その値段ならOKと言う運転手を選んで目的地に向かうと言う事をやっていた。

これならボッタクられないので結構使える。こうやって人は色々覚えていくのだ。
しかし、バラナシは少々違った。
同じ様に安く行ってくれる運転手を捕まえた。

しかしさすがバラナシ。道は人と牛だらけ。道路と言う概念が壊されるぐらい色んな物が入り乱れていてる上にデコボコしている。
市街地に行く途中で止まり、運転手が
「この先は行けない」
と言った。

何でと言ったら指を指した。その先は通行止めだった。市街地までじゃないから全額を払えないよと言ったら
「もうほぼほぼ市街地だよ。google mapで確認して」
と言っていたから確認してみたら確かにほぼほぼ市街地だった。
しかし地元の人間だったらとっくに規制がかかってて市街地に入れないと知ってただろうに。中途半端に騙されたー!しかし騙されるのも旅である。
ほぼ市街地だから別に良いやと思って約束通りのお金を払って宿がありそうな場所に向かった。

この宿街までの数百メートルで沢山の立ちションではなく座りションをしているやつを見かけたり訳わからない奴に
「そっちは行き止まりだよ!」
と嘘を言われたり沢山のオートリキシャーにクラクションを鳴らされたり牛に威嚇された。その時に思った。

「インドっぽくなってきたな」

宿街に辿り着き無事宿を確保。その後宿街を散策。よくYouTubeにあがってる動画の通りバラナシの宿街の道はめちゃくちゃ狭い。乗り物は走れない。しかし牛はやたらいる。牛が邪魔で通れない道もある。

フラフラしてたら売店に日本人の男がいた。日本語で。
「こんにちは、日本人?」
と言われたがあまりにも疲れてたのでシカトしてしまった。
後から知ったんだけど旅人の知り合いの話によると、そいつは旅人の一部では有名な奴で実は大阪のラッパーだったらしい。話しとけば良かった笑

フラフラした後宿で爆睡した。相変わらず弱々しいファンが気休めで回ってるだけで蒸し暑い宿だ。まあ寝れるだけマシだ。

翌朝街中のスピーカーから流れてる
『ア〜アア〜♪』と言う声で目が覚めた。
宿の屋上から外を眺めると広大なガンジス川が目の前にあった。しかし雨季である為水嵩がとても高い。
「何だよ、畔を歩いてみたかったのにー」
と思っていた。

一応ガンジス川に行った。
やはり水嵩が半端ない。
ガンジス川の畔で旅人風に黄昏て自分の横顔をドヤ顔で撮りたかったのに。
ボーっと湖の様なガンジス川を眺めていた。


水嵩は高かったがガンジス川で石鹸付けて身体洗う人、洗濯する女性、泳いではしゃぐ若者、ガンジス川の畔で列をなして物乞いをする者、寝ている者、瞑想するサドゥー(ヒンドゥー教の行者。 悟りを得るために世俗を捨て、瞑想や苦行を続ける僧の事)
ガンジス川は茶色く濁っていたがインド人にとってガンジス川はやはり神聖な場所だ。
水嵩が高いけど来てよかった。また後で来ようと思ってガンジス川を後にした。

その後バラナシで有名な火葬場に行った。
そこは写真撮影は禁止だが、人の遺体が焼かれるのを見る事が出来る。
バラナシの街中ではお経の様なものを唱えながら沢山の男達が遺体を運んでいる場面をよく見かける。その遺体は火葬場へと運ばれるのだ。

火葬場に到着したら一人の男が話しかけてきて、勝手に色々と説明してきた。その段階でガイド料ふっかけてくる奴だなと分かったので
「ガイド料払わないけどガイドしてくれる?」
と尋ねたら瞬時に消えて行った。

遺体が焼かれてるのを見た。
丸太に囲まれて中でバチバチと燃えている。
焼かれているのはやはり基本年配者。

どんな人生だったのだろう。インドに生まれて人生で何を悟ったのだろう。
人は必ず死ぬのだ。しかしみんな産まれてきてるのだ。いつかは終わりが来るがみんな生きているのだ。
火葬されてる人がやけに神々しかった。信仰している心の神を火葬場まで持って行く為に生きていたのかもしれない。
本来人間の生きる目的と言うのはそうなのかも知れない。
経済格差があるインドで貧しいインド人が俺よりも心に余裕があるのは何でだろうと思ったら奴らは心に強い核がある。
信仰心でその核は守られているのだ。その核が煩悩によって汚れる事は勿論ある。人間だから。でも彼らは習慣的に心の清掃をしている。その核を最後の死に場所まで持って行く為に。そしてシヴァ神になる…かはわかりません。が、実際そうなのかもしれません。

でも俺も心の仏様を愛してリンクして生きていこうと思いました。ワシは自分の事がやっぱり好きだ。

貧しいインド人にフレンドリーに話かけられて最終的に『金くれ』と言われて腹を立ててましたが、彼らにとってはそれが当たり前なのだろう。

社会的地位や経済的地位に関わらず自尊心の違いと言うものはある。
社会的地位や経済的地位があってもなくても素の自分に自信が無くて自尊心が低くくて他責自責をする人がいる。
今を生きてるんだから側から見たらとっくに救われてるのに何やってんだと言う話だ。
トラウマによって深く傷付いて生きてる人は沢山いると思う。世界には。
そのトラウマは巨大な煩悩であり、その煩悩を見付けて清掃するのは自分である。
清掃をしなければ一生呪われてる事になる。
何故か生き辛いと言う人はその煩悩を抱え込んでいる可能性が高い。
だから自分の心に対する信仰心は忘れてはいけないと私は思うのだ。その心がどんな形であれ。

俺も煩悩に心をかき乱されて欲に溺れたり怒り狂う時もあった。今後もあるかもしれない。でもそれ自体は決して恥ずかしい事ではない。それが恥ずかしいと思って無かった事にして向き合わなかったり蓋をする事が恥ずかしいのだ。
沢山失敗して色々経験する度に自分の心の清掃をして先に進めば良いのだ。それが成長だ。

と色々書きましたがこれはあくまでも私の持論です。
話が脱線しちまったな。火葬場を思い出したら何か書きたくなった。わからない人はわからないで別に良いし、わかる人はイイネを押しやがれ。

その後はひたすら散策。
バラナシにはバングラッシーと言う飲み物がある。緑入りのラッシーである。
インドはあれは違法(正式には取締り対象外)だがバングラッシーは合法と言う意味わからない状況だ。
しかも有名なバングラッシーは交番の目の前にあって警察も飲んでいる程の無法地帯である。

確かライト、ミディアム、ストロング、マハラジャと選べた。
俺はまず初めにストロングを頼んで飲んでみた。
燃焼して摂取した場合割とすぐ効果が現れるけど食べたり飲み込んだりした場合は45分後ぐらいに効果が現れる。
俺は宿に戻って効果を待った。
やはりインディカだ。それも結構質悪い。リラックスするはするんだけど。
ストロングなので量があるから陶酔感はなかなかだった。
摂取し過ぎた後特有の訳がわからない感覚では無かったので外に出た。

ただ酒で酔っ払ってるのと変わらない感じ。酔ってはいるけど感覚は素面と一緒。カレーを食べても素面の時と味覚は同じだし、音楽も変わらない。情報の感じ方も同じ。
やっぱりこんなもんか。せっかくだから明日はマハラジャを飲もうと決意した。

翌日日課のガンジス川を眺めた後俺はマハラジャのバングラッシーを飲んだ。
やはりマハラジャは凄かった。相当強力なものだった。

よく覚えてないけどひたすらフラフラしていたと思う。
側から見たら完全な変人だったと思う。

ボーっと一点を見つめて考え事してる時に通りすがりのサドゥーから竹で出来たうちわを貰った。
俺の記憶では確か何故か「謝謝(シェイシェイ)」と中国語でお礼を言った。

カレーの味も昨日と違って違う。しかしいつもより美味しいとは感じない。味が伝わりすぎて少し気持ち悪くなった。
これはカレー以外でも同じ結果になる事を俺は知っている。
何故なら俺は

常時マンチだからだ。

味が薄い素朴な料理やキュウリとかトマトを単体で食べた場合は凄く美味しいと感じるが。

宿に着いてちょっと休憩したらまた出ようと思ったのだが、宿に着いたらストーーンと石になって身体が動かなくなりました。
「やはりこうなったか。今晩はとことん石になってやろう」
翌日まで石になってました。俺は石になる事が一番好きかもしれない。

翌日目が覚めたらお昼でした。まだ素面では無い。マハラジャ恐るべし。でもちょっとフワフワする程度だったのでシャワーを浴びて手洗いで洗濯をして外に出た。

相変わらずガンジス川の畔で数時間ボーっとしていた。
ガンジス川を離れて街中をうろちょろしたらちょっと仲良くなったインド人に声をかけられた。その隣に若い日本人の男の子がいた。

「こんにちはー!」

笑顔が素敵な元気いっぱいの好青年だ。
仲良くなったインド人が
「彼も一人でインドに来た旅人さ!仲良くしてあげて!」
と言っていた。良い奴だ。
彼と一緒に話していたら彼の様子がおかしくなった。
あれ?っと思ってどうしたの?と聞いてみたら

「何かわからないけど、、何かわからなくなり、あれ?何かわからないって二回言ってる、あ、あれ?」

俺とインド人が顔を見合わせた時に思った。

『絶対バングラッシー飲んだな』


インド人の彼はとても良い奴で日本人の彼に水を飲ませて落ち着かせようとした。しかし彼はキマり過ぎてバッドに入っている。

「帰れない。どうしよう…」
「宿はどこ?」
「○○ゲストハウス…う…」

そこのゲストハウスは今いる所から割と近い。歩いて5分程度の場所。しかしキマり過ぎてる時の5分移動は大冒険である。
インド人に俺が責任持って送ると伝えて俺は彼を送る事にした。
送ってる最中気になる事を聞いた。

「あれは初めて?」
「はい…初めてです…」
「バングラッシーの何を頼んだの?」

「ス、ストロング……」

馬鹿野郎笑

だが俺はそう言う無茶する人は嫌いじゃない。
勝手に摂取して介護してもらって迷惑な奴だと思う人もいるかもしれないが。
そこはアルコールと違って騒いだり途中で寝たりしないから全然良いのだ。

「よく初めてでストロングを頼んだよ。俺だったらビビって頼まないか、ライトを頼む」
「な、何ででしょうね…えへへ」
不思議ちゃん

彼を無事に宿まで送った。彼は宿に着いたら猛烈に感動していた。恐らく彼にとってどの観光地よりも素晴らしいものを見たのであろう。
おやすみなさいと言われて別れた。
ベッドで寝るのは至福の一時だ。水が無いと喉が乾いて大変だが。

俺も前日の残りが抜けてないので良い事したなーとハッピーになった。
そんなバラナシに6日間ぐらいいました。

最終日は電車に乗ってタージマハールがあるアーグラに向かう為にまたオートリキシャーに乗らなければならない。
しかし俺が取ったチケットの出発駅はバラナシ駅ではなくてバラナシ駅から結構離れた所。
オートリキシャーの運転手はみんな面倒臭がる。
一人だけお笑い芸人みたいなテンションの奴が
「俺が連れて行くよ!」
と言っていた。いくらか聞いたら1400ルピーと言っていた笑。チケット代より高いわ笑
最終的に400ルピーになり(1000ルピーどこ行ったw)そいつのリキシャーで目的地に向かう事に。

バラナシは非常に混む。道路と言うか広場と言う感じ。牛がいたり人がいたりとゴチャゴチャした中乗り物が渋滞している。
反対車線は空いている。そう、そいつは

逆走し始めたのだ。


「おいおい!みんな逆走してないのに大丈夫なのか!?」

「インドは大丈夫!」

車線の意味w

無事目的地の駅に到着。芸人ノリの奴よ、ありがとう。
早朝列車に乗りアーグラーに向かった。
次回はアーグラー、デリー編です。

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