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マンガ『健康で文化的な最低限度の生活』の名言から学ぶ一歩を踏み出す勇気

落ち込んだとき、テンションが下がったとき、気分が乗らないときに、少しでも気分を変えて、一歩を踏み出す勇気がほしいときはありませんか?

マンガを読んでいると、この言葉深いなぁ〜ってしんみりさせてくれたり、大切なことを思い出させてくれる気がします。

今回は2023年10月時点、12巻発行・連載中の作品である『健康で文化的な最低限度の生活』(©柏木ハルコ/小学館)より、僕の人生をより魅力的になるよう考えさせてくれた言葉を紹介させていただきます。

『健康で文化的な最低限度の生活』は、生活保護から派生する様々な社会問題に焦点を当て、東京都東区役所に新卒で就職した新人の主人公が福祉事務所生活課に配属され、新人ケースワーカーである彼女の視点をから生活保護の実態がリアルに描かれた「第64回小学館漫画賞」を一般向け部門で受賞、「第23回手塚治虫文化賞」の一般部門最終候補作品で2018年7月にドラマ化された作品です!

少しでもあなたが夢に向かって突き進むとき、壁が現れたとき、壁を乗り越えるときに、モチベーションを上げてくれたり、グサッと心に刺さったり、物事の見え方が変わるヒントを見つけてもらえたら嬉しいです。

健康で文化的な最低限度の生活 名言一覧

自分で働いて…、自分で稼いだお金であっても、黙って使ってしまったら、それは悪いことなんです。生活保護を受けてる以上……。

義経 えみる

ほんの少しだけでいいから、この仕事が、その人を笑顔に、その人を幸せにするものであってくれれば―――。

義経 えみる

自分はまだ何も知らない。もっと、もっと、もっともっと、知識が必要なんだ―――…。

義経 えみる

この仕事に就いて、この世の中には、病人の世界があることを知った。病気について知識を共有し、つらさ苦しさ不安―――。思いを共有し、助け合い、励まし合い、何とか生きていこうという人達がいる。それまでの自分の生き方を変える。どうにもならなかった自分を抱え、それでもなお生きようとする。その方法論がこの場所にはある。

義経 えみる

いや~~…まあ、そうなんだけどさ。相手から理詰めでワーッと言われるとフリーズしちゃうとこあんじゃん、人って。そんな時、役所の人間が横についてるってだけでさ。多少は心強いだろうし。相手の業者も何となく信用するみたいなとこあるし。ま―――結局人対人だからさ。向こうも未熟だし。こっちも未熟だし。

義経 えみる

私もね…正直どの道が正解か、進んでみないとわからない…。鹿間ちゃんの言う通り1つ1つさがせば道は見つかるかもしれないし…。ただ、欣也くんがどの道を選んだとしても、できる限りのサポートはするよ。…だから、欣也くんの進みたい方に進めばいい。

義経 えみる

てか!!相部屋がダメな人なんですよ!むしろ!!角間さんは!!今回だって悪質な貧困ビジネスに巻き込まれてしまっただけで―――…、本人はちゃんと1人で暮らしてました!!!集団生活がしんどいから逃げるんです!逃げるのはむしろ―――…、本人なりの危機回避なんですよ!

義経 えみる

居場所とは何だろう…、それはおそらく、生きる「拠点」―――…。生活…、仕事…、治療…、あらゆる営みには「足場」が、自分が自分自身でいられる場所が必要なのだ…。

義経 えみる

―――そうだ、やれることはまだある。
まだあるウチは、動くしかない―――…。

義経 えみる

我々生活保護のケースワーカーほど、区民一人一人の世界に入り込む公務員はそういません。他人の住まいを見るということは人の暮らしを見る…、ということです。その人がちゃんと生活できているか、何か困ってることはないか……、訪問でしか見えないこともあります。…まぁ心して見るように。

半田

人の死と向き合うのは誰でも時間がかかります……。「自分に何ができたのか」…考えることも大切ですが、決してそこに振り回されないように。ケースワーカーは命を守る仕事です…が、残念ながら守りきれない時はあります。

半田

普段温厚な人でも、金のことになると冷静ではいられない。…ってことはままあります。金の重み……ってのはそーいうモンです。ギリギリで生活してる彼らにとってはなおさら。その人の金を把握してるってことは、その人の生活の根源をおさえてるってことですから。

半田

阿久沢さんが自分の人生をどう生きたいか…たった一回の人生ですからね。じっくり考えてみて欲しいんです。

半田

どんな温厚な人でも尊厳を侵されれば怒ります。仕事を失う、病気になる、お金がなくなる、そういったことで人の人生の選択肢はどんどん少なくなります。でもどんなに選択肢が少なくなっても、時には全く選択肢がないような状況でも、その人の生き方を最終的に決めるのは本人です。……基本的にはね。

半田

どんな人にもその人なりの「都合」があります。人は自分の「都合」でしか動きません。その「都合」を知るにはまず相手にしゃべってもらわないと…、そのためにはこっちにも「聞く準備がある」と示す必要がありますね。

半田

この先彼が人間不信でどんどん自暴自棄になっていくか…、一歩ずつでも何とか自分の道を歩いていけるようになるか…出来ることなら、彼がいい方向に向かっていけるよう見守りながらサポートしながら、これからも何とかかかわり続けていきましょうか……ね。それも我々の仕事です。

半田

今日、訪問調査一日目でしたっけ?だったら一回で全部調査するのは無理ですから、まずは本人が「今、一番しんどいと思ってること」を共有する…、が最優先ですからね。

半田

人には言いにくい事情もあります。語るのに時間が必要な場合もあります。それより彼は命をかけて父親を拒絶している。イヤだと言っている―――。今はこの声を聞くべきじゃないですか。法の上でも急迫した事由があれば必要な保護を行うとある。

半田

今回で言えば、まず彼の命を守るために一回生活保護を開始する。もしその後の調査でやはり彼には生活保護は不要だったとなれば、後で父親からそれまで払った金額を返してもらう。そんな方法もあります。彼は死んでたかもしれないんです。これは我々のミスであり、ここは慎重になるべきです。ここで命を守れないとしたら、生活保護は何のためにあるのか―――…。

半田

実際は巻き込まれないと見えないことってあるんですよね。そういう意味では……、義経さんが特別仕事ができないとは私は思いません。ただ傍観しているだけでは見えないことも、対象者と一緒に悩んで、悲しんで、腹立てて、喜んで…、一緒に伴走することによってできることがある―――というのがこの仕事で。義経さんはそういう、伴走者になる力を持っている人なんじゃないですかね…。

半田

支援は相手との共同作業ですからね。例え彼に支援の必要性があったとしても、彼と支援者の目的…ゴ、ールが一致しなければどうにもなりませんからね。誰か1人の力でどうにかできることでは…、彼の課題は彼自身が背負い続けるものです。社会の側の課題でもあるかもしれませんが…。

半田

それはそうだよ。親にだって事情はある。それは周囲が支えるべきだし。社会はそれを助ける責任があると思う。だけどそれはそれとして、そんな事情子どもには一切関係ないよね!どんな事情があったとしても、子供を虐待していい理由なんか1コもない!!

栗橋 千奈

それは「迷惑」ではありません!―――人の手を借りて、利用できるサービスもしっかり利用して!いつでも周囲の助けを求められるように、しんどい時はすぐSOSを出せるように―――…。そういう覚悟を…、我々も……、佐野さん自身も持っておく必要があります!せっ…、世間の目がこわいのもわかります…。けれども本当にこわいのは、生まれてくる命を守り切れないこと―――…。大切なのはその命を、どうやって守っていくかということだと思うんです!!

栗橋 千奈

憲法13条幸福追求権に基づいて仕事しました。
我々公務員は法に則って仕事するしかありませんので。

栗橋 千奈

子どもの頃、親に敷かれたレールの上を歩くのがイヤだった。けれども、気づけば自分も佐野さんの人生にレールを敷こうとしていた。彼女が「正しい道」を歩めるよう手取り足取り…、行政の手続きは時に煩雑で、手取り足取りが必要な時もある。けれども、それでも、彼女は、彼女の道を行く。それこそ必死で、彼女自身の意志で。結局は多分そう生きるしかないのだ。佐野さんも、…私も。

栗橋 千奈

誰にも頼らないことや、生活保護からの脱却だけが、「自立」なのではない…。今彼女に必要なのは、周囲に頼りながら、様々な制度を利用しながらでも、日々の暮らしを安定させること。生活に必要な家事育児。それに必要な佐野さんの気力や体力。子供たちが安心して学べる環境。頼れる先を増やし、それらをできる限り安定させる。私たちがまず目指すのは、そういう「自立」だ。佐野さんは戦っている―――。「誰にも頼らない生き方」から、半歩ずつではあるが…なんとかこちらへ踏み出そうとしてくれているのだ―――…。

栗橋 千奈

相手のそういう状況を、心のどこかで「自分とは関係ない」って思ってたら、やっぱり「関係ない」ってことになるんじゃん…?そういう時本気で相手を心配したり、相手に申し訳なかったなって思ったり、多少なりとも相手のことを思いやる気持ちがあればそこに「関係」はあるって言っていいんじゃないかな…?

桃浜 都

でもね!!人間ですから!!向こうも!!こっちも!!困り事いっぱいありすぎて、自分でもワケわかんなくなっちゃってる人とか!でもここでしか…オレらしか聞けない「困り事」があるわけじゃないスか!!オレはこの仕事誇り持ってやってますよ!!

七条 竜一

ケースワーカーが人を変えようなんてどだい無理な話なんだから!新なこと考えてたら燃え尽きちゃうわよ。変わる時は本人が本人の力で勝手に変わるんだから!ケースワーカーにできるのは寄り添うくらいのことよ。

沢尻

光さんは今回…、光さん自身で人生を作り上げようとしているところなんです。ですから、あとは我々が―――、生活保護を使って将来光さんが自立できるよう支援しますので、あとは役所のほうにおまかせ下さい。

京極

あなた自身は、アルコール依存症のことどの程度理解していますか?例えば膵炎なら腹痛が起こって、入院して手術したり食事制限したり薬を飲んだり。そんなイメージがあると思いますが、では「アルコール依存症」という病気は?どのような治療があって…、どのように人は回復していくのか…、ケースワーカーの側にもある程度の知識は必要です。

山内 智之

アルコール依存症は「否認の病」ですからね…。「自分にはアルコールの問題はない」が第一の否認。そして第二の否認。「自分にはアルコール以外の問題がない」

山内 智之

一瞬…、「ああ仕方なかったな」「これで滞っていた事務仕事片付けられるな」と正直思いました。…けど、時間が経って思い返すと…、あの時……、どうすれば良かったのか…、私も……、その彼も…、よくわかってなかったのだと気づきました…。その人のことは今でも夢に見ます。

山内 智之

アルコール依存症の人の平均死亡年齢は52~54歳くらいだそうですね。飲んで死ぬか、飲まずに生きるか――…、結局はシンプルな二択なんです。そして飲まずに生きるには、1人の努力では到底立ちうちできない…。人とつながる…、つながり続ける必要があるんです。

山内 智之

そういう人にも、「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するのが、我々の仕事です。

山内 智之

人の暮らしを守る、命を守る―――。その第一線で仕事をしているということにどうか誇りを持って下さい。

山内 智之

もしかしたら、私たち支援のペースが早すぎたのかも…。でも…、まあ…、住居のことでは急ぐ必要があったし。役所としては辛いとこよね。こういう無力感は何度もあるよ。ますは「命」、そして「安全」、その2つを確保したら、次に必要なのは本人の「思い」を聞くこと。

金子 いくよ

「生活保護なんか受けたら子どもがいじめられる―――」…とか?子ども家庭支援課にいるとね…、どんなに困窮してても、生活保護を受けようとしないシングルマザーにはちょくちょく会うわ。「そこまで落ちたくない」みたいな…、スティグマってやつ?人によっては「車手放せない」とか、「扶養照会されたくない」とか…、あとは…、そうね。佐野さんみたいな人見てると、自由とか……、誇り……、みたいなものを、奪われるように感じるのかもね。

金子 いくよ

そんな人の生死にかかわるようなこと、ケースワーカー個人の価値観で決めていいことじゃない。それを決められるのは本人だけ…私達に出来るのは、その選択を全力でサポートする―――…。それだけよ。

金子 いくよ

お母さんが、「1人で全部やらなきゃいけない」、「愚痴をこぼせる人いない」となったら、産後うつまっしぐらですから。お母さんが笑顔になれなければ、お子さんも笑顔になれませんからね。

桜井 美枝

けれども回復はする。一杯の酒さえ飲まなければ普通の人と何ら変わりない生活が出来る。飲まないで生きたいと思った人には断酒の方法があると伝えて欲しいね。

菅谷

つまり『酒』ではなく、本来の、『人』に頼って生きる方法を何とか見つけない限り、いつでも簡単に元の生活に戻ってしまう。そのために有効なのが、同じ病気の人どうしで語り合うこと。自助グループでありミーティングである…と。

アルコール依存症施設:施設長

オレも1回転職しててさ、前の会社が精神的にキツくて、振り返るとあの頃は自分も相当おかしくなってたな…って。普段だったら絶対取らないような行動とっちゃったり…で、つくづく思ったもん。人って追い詰められたら……、どんなふうにおかしくなっても不思議じゃないな……って。

椎名 雄也

いかがだったでしょうか?

お気に入りの名言は見つかりましたか?

僕自身、キャリアコンサルタント資格の勉強で「カウンセリングでは相談者の話をしっかり聞く『傾聴』と安心安全の場と信頼関係を深めるための『受容』するとこと」が大切だと学んだとき、すぐに自分の価値観で答えを出そうとしてしまう癖が抜けず苦戦した思い出と、今も相談があったときに相談者が求めていないのにも関わらず、すぐ解決策を提示したりアドバイスをしてしまうことがあります。

作中で主人公の先輩ワーカーである半田が語った『どんな人にも、その人なりの「都合」があります。人は自分の「都合」でしか動きません。その「都合」を知るには、まず相手にしゃべってもらわないと…。そのためには、こっちにも「聞く準備がある」と示す必要がありますね。』という言葉がグサッと刺さりました。

人の話を本当の意味で「聞く」ことはとても難しいことで、自分の都合を喋っているだけなのに、相手の話を聞いているつもりになってしまったり、その話を聞く余裕(準備)がなく相手の話を受け入れていないのに、聞いているつもりになってしまったり。そして極めつけは、自分が準備不足なのを見抜かれているのに、話してくれないと相手を責めてしまうことがあったりして、そうすると相談者もそれをわかっているので、「準備不足」の相手には本音は喋らないというループになる…。読んでいて耳が痛くなった瞬間でしたでもあり、傾聴の姿勢を改めて再認識させてくれました。

学校や会社、その他の組織に所属していて落ち込んでいるとき、疲れているとき、悩んでいるときなどに、この『健康で文化的な最低限度の生活』の名言で元気づけられる方も多いのではないでしょうか?

生活保護から派生する様々な問題にケースワーカーとして奔走する義経や半田、自立支援グループや施設など、実際に社会の制度や仕組みを支えている人たちや受給者たちそれぞれが抱えている問題や想いが交錯しながら、「どんな人間でも、人は健康で文化的な最低限度の生活をする権利がある」ということを改めて考えさせてくれる登場人物たちのもたらす言葉にふれあいながら、また明日からの原動力になると幸いです。

それでは今回はここまでです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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