子どもの心身をめぐる状況②〜スポーツ〜
秋晴れが多くて穏やかな日が多い関東。
子どもが練習するグラウンドを撮りたかったんですが無人のグラウンドになっちゃいました(^^ゞ
今日のテーマは「子どものスポーツ」。
まず大前提として人の身体が成長仕切るのは高校生以降です。
つまり中学生までは強度の負荷をかけてはいけない年代ということです。
子どもの骨は中心部から骨化されていき、両端は軟骨状態です。
だからこそ身長が伸びるわけですが、軟骨部分は強度が低く、強い負荷をかけると筋の付着部が剥がれてしまいます。
これがオスグッドの原因です。
つまり骨化しきっていない子どもの骨に負荷をかけすぎているということ。
「じゃあ満足な練習ができないじゃないか」という声が聞こえてきそうですが、一箇所に負荷をかけすぎるのが良くないわけです。
負荷を分散させればいいということですね。
つまり特定の筋肉・関節に負荷がかかりすぎないような複合的な運動をすればいいのです。
もっと簡単に言えば外遊びが一番です。
ウンテイやジャングルジムなどは最高の体幹トレーニングです。
オニゴッコやドロケイは相手を振り切るためのフェイント・スピード変化を身につけられます。
そしてなにより楽しい。
徹底的に遊びつつスポーツ特有の少しテクニカルな練習をするのが一番いいのではないかと考えます。
バランスや判断力を高めるトレーニング(遊び)もいいですね。
ダンベルやマシントレーニングなどは特に過負荷となりやすく、骨が弱い段階で筋が強くなりすぎてしまうため良くない。
フィジカルばかり高めるバリエーションの乏しい練習をするから壊してしまうわけです。
勝利至上主義も害悪でしかありません。
野球で試合に勝つためにエースの子に投げさせ続けることにどんな意味があるのか。
子どもの身体を犠牲にしてまで手に入れる勝利にどんな価値があるのでしょうか。
勝つことを目指すのは構わないですが、大事なのはあくまで過程です。
目標に向かって現状を把握すること、プランを立てること、粘りつ取り組むこと、適宜プランを修正すること。
その一つ一つが生きるチカラとなります。
仲間と助け合うことや辛さを乗り越える精神力なども子どもの成長に必要なのは言うまでもありません。
指導者の方はなんのために指導しているのか、改めて真剣に問うてほしいと思います。
学校や公園などで少年団などの練習を見かけることがよくあります。
その指導者の声かけがひどい。
「バカヤロー!」といった怒声は日常茶飯事で「そんなんで勝てると思ってんのかよ!」「スビードが足らねえんだよ!」といった、具体的にどうすれば良いのかサッパリ分からないことばかり言っていることがとても多い。
確かに子どもは言うことを聞かないですし、自分も言われてきたんでしょうからそうなってしまう気持ちも分かりますが…負のスパイラルにしかならないですよね。
そういったクラブに自分の子を入れる気がしなかったので体制の整ったスクールに入れました。
見ているとやはり指導が的確なんですよね。
声かけで何を伝えたいのかが明確で勉強になります。
地域のスポーツ団など小さなクラブでも指導者の育成にもっと力を入れるべきだと思います。
そして部活。
なんで顧問はボランティアなんでしょう。
というか無給奉仕。
好きでやっている人はOK…という問題では無いし、意欲も経験も無い顧問は本当に存在価値が無い(本人も子どもも辛い…)。
しっかり研修・資格制度を作って仕事として指導に当たるべきです。
そうすればスポーツ選手が引退後に指導者として働く道筋ができます。
スポーツが教育の一環というならしっかりお金をかけてでもやるべきです。
研修では共通して子どもの心身の発達段階や過負荷を避ける大前提を十二分に伝えてほしいですね。
もちろん身体やトレーニングの知識も大事ですが、同等以上に重要なのがケアの方法。
しっかりケアをしないとやはり身体は壊れやすくなります。
子どもはほっときゃ治ると思われがちですが、大いに間違いです。
痛みや動きづらさをごまかし続けているとかばうクセがついて、後々に支障が出ることが多々あります。
ただ、指導者にケアについての意識や知識が乏しいですし、ケアできる機関が本当に限られている。
その辺の整形外科に行っても湿布を出されて電気を当てて終わり、なんてところがザラです。
(私も学生時代に経験しました…)
これは子どもに限らないですね。
局所だけでなくトータルに心身を診てくれる場所が本当にありません。
嘆いていても仕方ないので月に一度出店しています。
スポーツ障害で悩む方、年齢に限らずご相談ください。
パフォーマンスアップの相談にも乗れます。
来月は5日(日)に路地裏ガレージマーケットへ出店するのでよろしければ。
https://www.rojiuragarage-market.com/
スポーツはとてもおもしろいのですが、そのために身体を壊しては元も子もないと思います。
なんのためにスポーツをするのか、させるのか。
それは大きな枠組みで言うと「人生を豊かにするため」ではないでしょうか。
地位や名誉やカネのためではないはずです。
(ごく一部のトップアスリートを除いて)
どうせなら生涯スポーツを楽しんで仲間を作ったり心身をたくましくできた方がいいですよね。
(スポーツをやっている人でも学生を最後にやめてしまう方がとても多いのが現実です)
本当にスポーツが人の豊かにするものにできる社会にしていきたいですね。
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