「自主的」と「主体的」に働くことの違い

新入社員は自主性がないとか、リーダーには主体性が必要だと聞いたことはありませんか?「自主性」と「主体性」は似たような言葉ですが、少し意味合いが異なるようです。今回は、「自主性」と「主体性」について説明します。

「自主的に働く」とは

「自主性」とは、他人に頼らず自分の力で考えたり、行動したりすることのできる性質を言います。文字通り、「自分を主とする性質」のことです。
「自主性」をもう少し詳しく説明すると、「やるべきことが決まっている場合に、他人の指導や指令によらず、自分の判断でそれをこなすということ」となります。つまり簡単に言えば、「人に言われる前に、やるべきことを自分でやる」といった意味合いの言葉です。

新入社員が仕事を覚えるときに、まずは「自主性をもって」と言われるのはこういった理由が含まれているからです。

「主体的に働く」とは

「主体性」とは、自分の意思や判断で行動しようとする態度、性質を言います。文字通り、「自分を主体として考え、動く性質」を指す言葉です。
「主体性」のポイントは、「やるべきことが決まっていないときでも、自分で目標や目的を設定し、判断・行動する」という点にあります。この点は、先に説明した「自主性」との大きな違いに挙げられます。

マネジャーに求められる資質として「主体性」が問われます。これは、「やるべきことが決まっていない場合」に指示命令をできることに期待しているためです。

「主体的に働く」ことはちょっと傷つく

やるべきことが決まっていない場合、仕事を進めていくなかで、批判を受けることもあります。ですから「自主的に働く」は、ちょっと傷つきます。リーダーには、こういったメンタルも必要になります。

スティーブン・R・コヴィー著「7つの習慣」によると「主体的な生き方」は以下のとおり説明されています。
「何事にも左右されない確固たる信念と独自の世界を持つ人。」
「思いやりに溢れ全てのものを限りなく認められる包容力に溢れた人。」
「夢と想像力を持ち続け、常に前進する人」

上記からも、主体性、主体的には、色々な期待が込められていることが分かります。要約すると主体的とは、周囲の反応を気にし過ぎず自身の信念に従って行動できるということです。自分の行動基準が、「人からの評価」とか「人からいい人に見られたい」とかいう人は、主体的には属さないと考えて良さそうです。

「自主的」から「主体的」に変容する

「守・破・離」という言葉をご存じでしょうか?

守破離(しゅはり)のステップは、まず「守(しゅ)」で、師匠に教わった「型」を徹底的に守ることから始まります。

次に師匠の教えに従って修行を重ね、さらに他の情報も学ぶことで、既存の「型」を破ることができるようになります。これが「破(は)」のステップです。

さらに修行を重ねることで、師匠から教わった最初の型ではない自分独自の型が出来上がります。これが「離(り)」のステップです。

学びの型として、有名な守破離です。「自主性」がいけないということではありません。まずは「自主的に働く」ことを身につけて、マネジャーやリーダーを目指すタイミングで「主体的に働く」ことをマネジャーの心構えを意識して欲しいと考えています。

まとめ

主体性は、「自分軸」と表現されることもあります。
自分の信念に基づき行動できる「気概」が必要です。マネジャーにもそういった気概が必要なのだと思います。是非皆さんのリーダー、マネジャー像の参考になれば幸いです。

「あなたの人生が、自分以外の誰かにコントロールされているとしたら、どう感じますか?」

最後までお読みくださりありがとうございました!







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