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短文/詩(創作)

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2022年12月の記事一覧

一蓮托生

一蓮托生

けむくじゃらのお前は愛嬌だけを振り撒いて、今日も私に寄ってくる。
粒のような目玉の中には私しか映っていないようだ。
コーカソイドのあの金髪よりも綺麗な毛並みで、歩くたびに爪が地面に当たっている。

こつこつ、

骸骨。
風に揺らされて、雨に濡れて、それでもずっと外にいる。
木の棒に刺さったあんたの頭は、ただ横に揺れるだけ。
ここには俺しか近づかなくなってしまったな、
あれほど愛されていたあんたがこ

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Anti-clockwise

Anti-clockwise

空から落下するイカロスよりは車に轢かれる可哀想な女子高生がいい。

心を言葉で突かれるよりは槍で刺されたほうがいい。

悲しい気持ちになるなら誰かに抱かれて死ぬほうがいい。

あるようでない人生。

不幸は順々巡り、やがてまた訪れる。

今日は悲しい日。誰かが悲しむ分、私が悲しんであげる。

苦しくもがいてくたばってあげる。