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ここがタメになった「繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史」5/⑥

人類は10万年かけて急速に文明を発展させて人口増加していきました。
分業による専門化で効率が上がり科学が進んで いきます。世界中で人類がお互いに依存しあうほうが発展が速いです。自給自足する方向に社会が向かうと効率が落ちて社会全体が少しずつ衰退していきます。古代国家などは都市ごと崩壊していきました。

著者は経済が科学を発達させたと考えています。なぜそう考えたのかをこの本で説明しています。ビルゲイツおすすめ本に選ばれました。
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産業革命で農村から人のする仕事が奪われたらあぶれた人々が工場で働き工業化が結果的に進みました。仕事は奪い合うものというより移り変わるものな気がします。
現在の日本では都会の欠点に注目し、田舎に回帰しようという意見が多数みられますが、都会に引っ越すと人生がよくなった例がほとんどのようです。産業革命後の世界各国で同じであり、他の本でもみかけます。現在のインドでもその傾向がありました。都会の方が生活コストがかからなく年収をあげやすいのが原因とされています。古代都市だとみんなが都市に集まるとマキ不足で生活が破綻します。


初代のインフルエンザが世界中でたくさんの死人を出しましたが、原因は薬やワクチン不足ではなく、戦争が引き起こした不衛生というのが意外でした。
この本では驚異的な伝染病として初代インフルエンザだけが挙げられていますが、これは衛生管理が原因で被害拡大されたことでこの本で取り上げました。ペストと天然痘が人類を滅ぼしかけた伝染病として挙げられますが、これらは新しい医療技術で解決したので本から外しています。少し誤解を与える書き方に見えるため残念な印象が残りました。

~~以降は内容説明~~

昔から奴隷にさせる労働というのは単純な力仕事とほぼ決まっていて畑を耕す仕事がメインでした。畑を耕すのが牛や馬になり、生産が効率的になり、脱穀や製粉が発達して奴隷の仕事が減りました。
農村で仕事がなくなった人々は奴隷含め産業革命後は多数いて、工場にある地域に引っ越します。工場の労働が楽とは言い難いですが農業よりも楽でした。労働者がふえていくうちに専門職が増えて工業社会が発達していきました。大量生産により製品が庶民の手にも届くようになり、貧しい人々の生活水準が上がっていきました。
さらに生活水準を上げるためには化石燃料による生産効率のアップが必要でした。ヨーロッパの石炭がその役割を担います。産業革命がはじまり、イギリスの機械化された布産業の方がインドの低賃金の労働者で作られる布産業よりも安く作られるという逆転現象が誕生しました。電気が発明されてどんどん機械化のコストが安くなりました。

石油石炭などの化石燃料で使うことで、木を切って環境破壊せずに済んだ結果として環境が良くなってきています。
科学の発達で病気への対策も進みました。大流行して家畜を殺す病気は最近でも何度か誕生しています。しかし人間をたくさん殺した伝染病は少なく、最初のスペイン風邪と呼ばれるインフルエンザだけがダントツで人を殺しました。当時第1次世界大戦があり、塹壕の中に負傷した人間がものすごく密集した状況があったからです。より毒性が高くなり多数の人が命を落とすことになりました。病気は弱った生き物が密集した時にこそ毒性が高まります。
現代社会では衛生的な環境が用意しやすいです。衛生面の強化で病気を減らすことは効果が大きいです。


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