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私はなんにもわかってないんだ

この本を読んでいる人を見かけて、このタイトルだけ見たら、ちょっと心配になりますよね。

私は元気です。

「村上さんのところ」で河合隼雄さんの話がよく出たので、ここはひとつ河合隼雄さんの著書を読んでみようと思い立ったわけです。

最近エッセイ続きだなあ。

かなり重いノンフィクションとかひたすらワクワクドキドキハラハラ楽しむ系のミステリーとかもわんさか読んでいるんだけれど、なかなかこうしてnoteに書き留めようとならずネタがなくなりそうだ。

ストーリーが面白くても、私個人に何か迫り来るものがないとなかなかね。ミステリーとかは伏線の考察ができないので、「面白かった」しか書けない(文才のなさ)。

色々感じたことがある本でも、自分の中だけに留めておきたかったり、今の知識レベルで私が何かを言うことで、誰かが傷つくかもしれないとか考えてしまう。

それはさておき、この本はグサグサ来た。

とあるイベントで、チームで紙に書かれたルールを読み、ルールに従って無言でゲームをし、チーム内で競い合うという企画に参加したことがある。

1ゲーム終わったら別のチームの勝者が自分のチームに移動してきて、また無言でゲームをする。

ところがどっこい。実は別のチームは別のルールに従っていて、移動してきた別のチームの勝者は最初新しいチームのルールを理解できない。こちらも「え、この人ルールわかってない?」と困惑する。

例えば無言で大富豪をしていて、チームAは2が一番強いが、チームBは3が、チームCは4が一番強い、といった感じ。

その時私、最後まで新しく来た人がそれまで違うルールに従っていたということに気が付かず、「え、ルールぐらいちゃんと読んで理解してよ、、、」「いやいやあなたが(無言で)主張してるルール、間違ってますけど?」などと思って少しイライラしていた。

種明かしで、「実はそれぞれのチームに異なるルールが配られていました!」と聞いた時、自分の視野の狭さと想像力の欠如と性格の悪さに愕然とした。トリプルコンボ。

そんな諸悪の根源トリプルコンボ人間の私に、河合隼雄さんの「人の心などわかるはずがない」という言葉がガツンと来たわけです。

先に話したゲームのことは「心」とはちょっと違うかもしれないけれど、人の価値観とか思想とか、「常識」と呼ばれるものですら、みんな違うものをもってるのかもしれない。そして気をつけないと、自分は知らぬ間に自分の価値観や思想や常識を相手にもあてはめているかもしれないと。

反省しました。

忘れないように最寄り駅に「人の心などわかるはずがない」って書いた横断幕垂らしておいてほしい。

他にもグサッときた言葉たち。

それに、いつも100点を狙っている人は、不用な努力を払っている分だけ不機嫌になったり、他に対して攻撃的になったりし勝ちになるものだ。100点はときどきでいいのである。 pp.55
マジメな人は自分の限定した世界のなかでは、絶対にマジメなので、確かにそれ以上のことを考える必要もないし、反省する必要もない。マジメな人の無反省さは、鈍感や傲慢にさえ通じるところがある。 pp.58

はい、精進します。

きっと、誰が読んでもグサッとくる章があるはず。



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