DATE Kiyonobu

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最近の記事

姉崎正治著作目録補遺

姉崎正治の著作目録については、姉崎正治先生生誕百年記念会編『姉崎正治先生の業績』1974年が網羅的で、これが完全版だと思っていたが、調べてみると、ここから漏れていると思われるものがかなりあることがわかった。暫定版として、いくつかリストにしてみた。 Twitterとも連動させておくので、私の思い違いやコメントなどあればお寄せください(随時更新したいと思います)。https://twitter.com/KiyonobuDate/status/1739154440702333017

    • 保苅瑞穂先生のこと

      保苅瑞穂先生が亡くなられてから1年経つ。報に接したのはそれから少ししてからだが、プルースト研究者である先生が研究対象である作家のちょうど150回目の誕生日にこの世を去って行かれたのは、いかにも因縁ただならぬと感慨深く思ったものだ。 私にとって保苅先生は、私が東大駒場の学部一年生のときにフランス語の文法の受け持ちだった語学教師であり、ある意味ではそれだけの関係にすぎない。その後、現実には一度も再会することがなかった。先生が私のことを覚えておられたとも思えない。私はけっしてフ

      • 現代フランスにおける暴力の諸相——ライシテの転機に

        2021年6月26日(土)開催予定のシンポジウム「いま「暴力」を考える」の私の発表の予告編です。 http://ask.c.u-tokyo.ac.jp/sympo2021.html  現代フランスにはさまざまな「暴力」が存在する。それらをすべてカバーして提示することは不可能だが、近年の報道で取りざたされるなどして目立ち、広く知られているものとして、特に次の3つを挙げることができるだろう。  第1に、イスラームのジハード主義者によるテロリズムである。1989年のベルリンの壁

        • 9月15日(火)10時〜 GSIキャラバン第2回研究会(「「小国」の経験から普遍を問いなおす」班)

          次の発表題目で研究会を行ないます。今回も前回同様小ぢんまりと、セミクローズド/セミオープンでの開催になります。 10時開始 10:05〜11:35 小川浩之「イギリス帝国の脱植民地化と現代世界の形成―—連邦国家と小国への分岐」 昼休み 13:00〜14:00 土屋和代「ブラック・ライヴズ・マター運動が問うもの―—現代アメリカにおける刑罰国家/脱・福祉国家化」 10分休憩 14:10〜15:10 鶴見太郎「ポグロムの記憶の移植——ロシア系シオニストにとっての「西」と「東」」

        姉崎正治著作目録補遺

          高橋哲哉 「謝罪・赦し・和解の政治とグローバル化」

          昨日7月28日(火)、東大駒場のGSI(グローバル・スタディーズ・イニシアティヴ)の企画「グローバル・スタディーズの課題シリーズ」の第4回として、高橋哲哉先生をお迎えし、表題のタイトルのセミナーが行なわれた。 https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/events/z0109_00002.html 「謝罪・赦し・和解」をめぐって、1990年代以降の世界の動きを踏まえ、アーレント、ジャンケレヴィッチ、デリダのテクストに立脚してのお話だった。コメン

          高橋哲哉 「謝罪・赦し・和解の政治とグローバル化」

          宗教的/世俗的ディストピアとユマニスム

          今日は東アジア藝文書院(EAA)のオムニバス「学術フロンティア講義:30年後の世界へ――「世界」と「人間」の未来を共に考える」の担当回で、表題にあるように、「宗教的/世俗的ディストピアとユマニスム」と題する話をした。 ジョージ・オーウェルの『1984』を世俗的ディストピア、ブアレム・サンサルの『2084』を宗教的ディストピアと見立てて、そうしたなかでいかに人間らしく生きるかというのがメインテーマ。 フランスの「イスラーム化」と言われる現象をとらえるときの注意点、サンサルが

          宗教的/世俗的ディストピアとユマニスム

          6月2日(火)15時〜 GSIキャラバン第1回研究会(「「小国」の経験から普遍を問いなおす」班)

          前便では「「小国」の経験から普遍を問いなおす」というプロジェクトを紹介しました。 この第1回の研究会を来週開催します。コロナ禍でなかなか海外を周る「キャラバン」ができそうにない!のですが、まずはコア・メンバーを中心に議論を深めて、来るべき遠征に備えたいと思います。 日時は、6月2日(火)15時〜です(たぶん18時頃まで)。ZOOMを利用して行ないます。使用言語は日本語です。発表者は2名で、タイトルは以下の通りです。 伊達聖伸「「小国」論試論ーー近現代日本の「宗教」と「世

          6月2日(火)15時〜 GSIキャラバン第1回研究会(「「小国」の経験から普遍を問いなおす」班)

          「小国」の経験から普遍を問いなおす

          今年度から私がかかわって開始することになったプロジェクトに「GSIキャラバン」があります。これは、東大駒場のグローバル化推進の部局「GSI(グローバル・スタディーズ・イニシアティヴ)」のプログラムのひとつで、東大駒場の教員や若手研究者を中心に、グローバル・スタディーズ関係の研究をする「キャラバン隊」を結成し、1年目は諸外国の研究機関を周って研究発表にコメントをもらい、2年目に駒場で国際シンポジウムを開催し、3年目に英語での書籍化を実現するというイメージの研究プロジェクトです。

          「小国」の経験から普遍を問いなおす