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データの誤謬#3『生存者バイアス』

” 誤謬(ごびゅう)とは、つまり、間違っていることである。”
データにまつわる誤謬を紐解き、やさしく知るシリーズ(全15回)


持っていないデータを探すってどういうこと?


#3 生存者バイアス


不完全なデータから結論を導き出すこと。
何らかの選択基準を「クリア」したデータだけを見てしまうこと。
例)失敗が無視されるケース。

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次の問いについて、考えてみましょう。

Q: 戦闘から戻ってきた飛行機があり、弾痕が確認できます。無事に帰還する飛行機を増やすために、装甲を施したいです。どこに装着したら良いでしょうか?

A:弾痕が多いところに装甲を施す。

… は、悪くないようだが、ここに「生存者バイアス」が潜んでいる。

なぜなら、生還できている飛行機は、急所(弾痕のないところ)への攻撃を回避できたからこそ生還できており、急所を撃たれた飛行機は帰ってこれなかったのです。

よって、

A:装甲は、弾痕のないところに施す。が正解です。

つまり、ここでは、「撃たれて帰還できなかった飛行機のデータ」=持っていないデータが見過ごされているため、結論が歪められてしまったわけです。

データを分析する際には、
「持っていないデータは何か」を考えてみましょう。
そのデータは、ある種の選択を経て得られたデータではないか?と疑ってみるのです。

他社の成功話はあるけれど、自社に同じ条件は揃っているのか?
(他社にあって自社にないもの)

次の製品開発に、カスタマーの声は大事だけれど、将来のカスタマー候補(失注案件)の声はどうだろう?

などなど、立ち止まって考えてみたら、
より良い意思決定ができるかもしれませんね。

おまけ:飛行機の例は、実際にあったお話
第二次世界大戦当時の連合軍は、飛行機の生還率を上げたかったが、材料に限りがあるため追加装甲をどこにすべきか?の議論が行われ、専門家が帰還した飛行機を調査し、エンジンとコックピット以外のところを強化しようとしました。しかし、サポートしていたコロンビア大学の統計研究グループの一員であった統計学者「エイブラハム・ウォールド」さんが、「生存者バイアス」に気づき、反対案を軍に助言しました。彼は、ナチスドイツによるユダヤ人差別が激化したため、アメリカに移住していました。

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忙しい毎日、しかし、生産的であるとは限りません。
多くのチームでは、データのカオスに時間を奪われています。

「データの確認」に毎日、何回クリックしてますか?
「数字の読み合わせ」に時間を割くミーティングは効率的ですか?
「深刻なエラー」を見逃さない工夫がありますか?

Geckoboard(ゲッコーボード)で解決できるかもしれません。

あなたがこれから目にするものは、他に類を見ない、見る者の目を奪う「揺るぎないシンプルさ」を追求した、美しいダッシュボードです。

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※当記事は、英国ロンドンDatachoice Solutions Limited社とのライセンスに基づいて、転載・加筆しています。

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