見出し画像

メジャーじゃなかった心の病パニック障害【17】

4.病気と付き合う【10】


ー変わった見解を示す先生登場ー


薬のストックは安心の担保として
残りおおよそ1ヶ月分となる頃を目安に、
院長の診察がある土曜日に、もらいにいきます。

看護婦さんたちは、ぼくを覚えているようで、
いくたびに話しかけられるようになった。
ぼくは、恥ずかしくて、
いつも苦笑いしてやり過ごす。
看護婦さんたちは
へっちゃらで、フランクに話しかけてくる。
強い女性はかっこよくみえる。
あやかりたい。


とある日、薬をもらいに行き、診察券を出すも
『今日院長先生いないのよ。どーする?』
いつもの口調で問われる。

「え!土曜なのにいないんですか?
薬がなくなりそうで貰いたいんです。」
(本当はあと1ヶ月分はあるのです。)

『ちょっと待ってね。』

~待つこと数分~

『内科の先生に処方してもらえるから
内科受診してもらっても良い?』

このパターンが2度つづいた。

この病院は、曜日別、診療科目別に
担当医の指名が掲示されている。
精神科の土曜日の午前は、
院長の指名がフルネームで記載されているのに。

…そして、そのつぎの受診。

『院長先生はまだ具合がよくないのよねー。
今度から木曜日に来れないかしら?』

外来窓口の看護婦が言う。

院長が具合が悪い?などは初耳で、
意味が解らなかった。

担当医の曜日別の掲示は
精神科の土曜日が空欄になっていた。

やむを得なく、有給休暇を取得して
木曜日に行くことに。
なんか損した気分。

木曜日の病院で診察券を出す。
看護婦さんは
『ごめんねー、お仕事でしょ?』
1ヶ月前に承知していたぼくに
忙しなく、簡潔に、片手間のように
とりあえず【わるいね】と言ってくれた。

悪い気はしなかった。

精神科の診察室前で、呼ばれるのを待つ。
診察室入口に掲げてある担当医の指名が
院長から知らない名前に変わっていた。

ぼくの番。

診察室にいたのは
これまたご老体の先生で、
どうやらピンチヒッターなのか?
院長のお友だちなのか?などと
いっしゅんで勘繰ってしまった。

代打の先生は、
カルテを見るなり、
調子はどうですか?ではなく、
突拍子もなく、こう話しかけてきた。

代打の先生
『ぼくはね、この病気になるのには
その人のルーツが関係していると信じているんだ。』

『あなたの今日までの生活で、
何か特別な経験されてない?』

"科学的"にそういうものだ。
と理解していると言うのです。

この時は、あちゃー 面倒な先生だな~、
代打のクセに。
薬さえもらえればいいのに。もう!
などと思いながら、淡々とうなずいてみせた。

思い当たる節として、
このシリーズ【1】で書いた
小学生4年生の(貧血)でたおれてから
その類似のシチュエーションだと不安が起こり
ビクビクする事をはなす。
同じくして、その頃、変態の見知らぬオッサンに
ワイセツな行為を受けた過去を述べた。(計2回)

変態のおじさんは、あまり詳しく書けないが、
別の機会に書ける範囲で、
お伝え出来ればと…

これらを聞いた代打先生は、
それだ!と言わんとばかりに
十中八九その出来事が要因で、
あとは、育ってきた環境だと言う。

本当に面倒臭くなり、しかもドキドキしてきちゃって、
診察しているのに不安が起こる。と言った事態に発展。

なんとか切り抜けて、診察室の外でホッとした。

しかし、
この代打の先生のロジックは
なまじ、マジなのかも知れないのでは?
と後に思うのでした。

そして、看護婦さんが言った。
院長先生はもう来ないと。

つづく。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?