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芸人が握った鮨を堪能できるお店

大阪府・京橋にある『小よし』というお店へ行きました。

オカンの小料理屋を盛り上げる親指ぎゅー太郎


親指ぎゅー太郎

彼は芸人時代の同期。
元整体師という経歴が、芸名の由来です。

親指ぎゅー太郎《以下「ぎゅーちゃん」と称する》は、芸人として活動しながら、小料理屋さんで働いています。

そのお店が『小よし』です。
多種多彩な地酒と丁寧に作られたおばんざいが魅力。

小よしは、ぎゃーちゃんのお母さんが切り盛りしています。以前訪れた際は、ツルムラサキの酢みそ和えが劇的に美味でした。

そして今回は、ぎゅーちゃん自身が板場に立ち、鮨を中心としたコースメニューを堪能できる〈裏小よし〉という催しが開かれるとのことで足を運びました。

決してテキトーにシャリや魚を握りつぶしたり、ひねりちぎり捨てたりしているわけではありません。

学校に通い、きちんと料理のいろはを学んだようです。そして、日々勉強を続けているとのこと。

「大した修行もしてねぇくせに 笑」と、料理学校出身者を揶揄する職人やイキリ客がいます。

僕の場合、経験年数やどこで誰に教わったかなんて興味がありません。飯炊き3年・握り8年的な価値観は苦手です。

目の前に出された料理が美味しければ満足です。
人当たりが良く、清潔であれば大満足です。

スポーツトレーナーの専門学生時代。

プロ野球やメジャーリーグで、メディカルトレーナーとして務めた経験がある先生に教わりました。

「たかが数十年の経験に頼るのは危険。教科書を見たほうが早いし正確」

「まずは科学的な知見を徹底的に吸収。その上で、知識や根拠に縛られない柔軟性が自分らしさ」

「調べても考えても分からないことは人に聞く」

「いちいち聞くな見て盗めタイプは笑顔でスルー」

「常に不機嫌で居丈高な上司は笑顔でスルー」

その先生は、生徒みんなから尊敬されていました。

僕は料理人ではありませんが、調理も科学だと個人的に思います。趣味で生物の図鑑や書籍を頻繁に読むのですが、人間と魚の構造は似ている部分があります。

「魚の質が落ちる一歩手前を狙って旨味を引き出すには長年の経験と勘が必要だバカヤロー!」と、偉ぶる職人をTVで見かけました。

いやいや、それって科学です。

①体内に元々あるグルタミン酸というアミノ酸
②筋肉を動かす材料のATPという物質が体内で変化したイノシン酸

①②は「うま味成分」と称され、質の高い刺身を提供するには、グルタミン酸&イノシン酸が魚の死後に筋肉へ行き渡るタイミングの見極めが大切だといわれています。

必要なのは曖昧な勘ではなく、正しい知識です。

「旨い米を炊くには、その日の気温・湿度に合わせて水の量や温度を微妙に調節しなくちゃならねぇ!それが見習いのオメェにできんのか!?」

いやいや、もろに科学です。

必要なのは経験年数ではなく、パワハラではなく、正しい計算方法です。

自らの意思で厳しい修行に耐えて頑張っている人を否定しているわけではありません。

人に尋ねたり、YouTubeで見たり、Google先生に聞けば一瞬で分かることすら値打ちをこいてまともに教えず、「経験が少ない奴はダメ」「熟達には理不尽に耐える根性が必要」みたいな思考は、笑顔でスルーしたいと思うだけです。

実際に、寿司職人養成学校で3ヶ月のカリキュラムを学んだ卒業生のみで構成する店が、ミシュランガイドに3年連続で掲載された事例もあります。

ぎゅーちゃんは、有名店で長年の鍛錬を積んだわけではありません。

しかし、握ってくれるお寿司はお世辞抜きで美味しかったです。箸休めとして出してくれた〈あん肝+隠し味〉のつまみも絶品でした。

元整体師なだけあって、酒好きのツボを押さえた肴を堪能できました。

そして、感染症の影響で飲食業界全体が苦しい状況におかれる中、お母さんの店を盛り上げようと奮闘する姿に心打たれました。(最近すぐ泣いてまう)

大阪在住の方、観光やお仕事で大阪に訪れた方は、ぜひ『小よし』へ足を運んでみてください!

つたない写真展

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