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「10年間外側に向いたままだった矢印が、自分へ向くように」DANRO卒業生インタビュー

人と人とのつながりの中には、”目には見えない温かさ”がある。その温かさが増し、循環する時、きっと、世界は今よりもっと明るくなる。そんな創業者の想いから生まれた『深いつながりを紡ぐ、実践型対話スクールDANRO Summer』が2023年8月に最終回を迎えました。卒業生へのインタビュー記事を、数回に渡りお届けします。

今回は、イタリア在住のフォトグラファーとして活躍中のYumikaさんにお話を伺いました。

「DANROって何?対話って何?」からのスタート


ーーInstagramを拝見したのですが、イタリアで素敵な旦那様と可愛いお子さん、そしてご自身はフォトグラファーという、人から見ると憧れられる生活をしているように感じました。どうしてDANROに参加されようと思ったのかな、とまず気になりました。

Yumikaさん: DANROを知ったきっかけは、DANRO Summerにともに参加した方から「DANRO合っていると思うよ」と勧められたことからだったんです。なので、まずは「DANROってなに?」というところからのスタートでしたね。

ーーどういうところに惹かれましたか?

Yumikaさん:まずは「対話ってなんだろう?」と興味が湧きました。私も普段撮影で1:1でお話しすることがありそれがすごく好きなのですが、それは果たして「対話」なのだろうか、それとも「会話」なのかな?その違いを知りたくなったのが大きいですね。仕事に生かせたらいいな、とも思いました。

ーー「対話」のイメージが全くついていない状態での参加だったのですね!

Yumikaさん:そうなんですよ。体験型説明会にも参加したものの、そこでもまだ掴みきれなかったんです。でも説明会の中で創業者の和花さんがすごく印象的で。私は「よく分からないな」と思うことにも「それすごく面白い!」とおっしゃっていて、どうしたらそういう見方ができるのかと興味を持ちました。

ーーなるほど!参加の決め手は和花さんでもあったということですね。

Yumikaさん:はい。実は、最後の最後まで参加をしようか迷っていたんです。でも、和花さんとお話ししたときに「正直、蓋を開けてみないとどうなるか分からない。だからDANROが“こういうものだ”とは言えない」とおっしゃっていたことで余計に興味をひかれて(笑)それが最終的な決め手となりました。


「聴いてもらう」にはパワーがある

最終回のみんなの声「DANROでの1番の収穫は?」

ーー実際にDANRO Summerを終えてみて、変化はありましたか?

Yumikaさん:すごく変わりましたね!まずは、「対話」って説明会の1時間という単位で分かるようなものではないんだな、と(笑)今もまだよく分からないな、と思うことがあるくらい奥深いものでした。

ーー「対話」が分からない状態でのDANROの時間はいかがでしたでしょうか?

Yumikaさん:ひとつひとつ丁寧にステップを踏んでいくので入りやすかったです。1ヶ月目はまず「聴いてもらう」ことから。何を話しても否定されない安心・安全な空間がつくられているというのを実感した上で、2ヶ月目は「聴く」という立場になる。

すると不思議で、「聴く」という立場になったときに私はすごく混乱してしまったんですよ。「あー私、今まで全然人の話聴けていなかったな……」と。

ーーそうなんですね!どうしてそう感じたのでしょうか?

Yumikaさん:自分が言いたいことを言ってただけだったと気づいたんですよ。誰かが話しているときにも「次は何言おう、あれを話そう」という感じで自分のことばかり考えていました。

なので傾聴について深めているとき、本当に「聴く」ということが分からなくて、ひとりで「分からないよー!」って騒いでいましたね(笑)でもそこから、日常生活でも少しずつ意識するようになって「あ、聴くってこういうことなのかな?」という変化がありました。

ーー意識することが変化へつながっていったのですね。

Yumikaさん:はじめの1ヶ月で「聴いてもらう」ということをたっぷりできたのが大きかったのかもしれません。それほど「聴いてもらうって、すごいパワーがあるんだな」という実感があったんです。「聴いてもらう」ということは励ましだし、癒しでもあると感じました。

みんな話したいし、聴いてもらいたい。奥の方に潜めていた想いを参加者のみんなが少しずつ出していっているのを見て私も勇気をもらいましたね。「これってどうなんだろう」と思っても口に出せなかったことを伝えてみたいと思うようになりました。


これまでは頭の中が嵐のようだった

ーー「聴くってこういうことなのかな」とおっしゃられていましたが、具体的にはどんなふうに感じましたか?

Yumikaさん:「相手の言葉を、相手の言葉のまま受け取る」
ということですね。今までは自分の頭の中で解釈してしまっていたなと思います。「自分だったらこうだな」と自分ごとに置き換えたり、経験に照らし合わせたりしていたんですよね。

でもそれを一旦置いておいて、その人が語ってくれた言葉をそのまま、まずは受け取るように。今までって、会話しながら頭の中が嵐のようだったんです。そこに気づけたのが大きかったです。

それから、ただ受け止めるだけでそこに“良い・悪いのジャッジをしない”。まずは本当に、相手の話に集中する!それをDANROで身を持って学びました。


ーー「聴く」ことを意識されるようになり心や実生活に変化はありましたか?

Yumikaさん:私は元々「疲れやすいな」と感じることが多かったんです。人と会って話すとぐったりして帰ってくる……といったように。でもそれは頭の中の嵐を鎮めるだけで、疲れの感じ方が違うようになりました。ここが一番実感しているポイントです!

ーー人と話すと疲れる、という方は実は多いのではないかなと思います。確かにそれは「考え過ぎているから」というのもあるのかなとYumikaさんのお話を聞いていて思いました。

Yumikaさん:“シンプル”に聴くだけでいい、と思えるようになったのが大きな変化です。聞きながら次は何言おう、どうやって回そう、と考えなくてよくて。そのとき、自分が感じたことをそのまま伝えるだけでいいんだなと思っています。もちろん、全員とまだそういうふうに話せるわけではありませんが、肩の力が抜けた気がします。

長い海外生活を経て「対話を諦めていた」自分に気づいた


ーーその他にも変化はありましたか?

Yumikaさん:私、会話は好きですが「対話」を諦めていたのかもしれない、ということに気づきました。今海外に移り住んで10年ほどなのですが、別の言語を使って、別の文化で、新しい環境で会話をするということを経験していて。

外国語の会話の中で「意図していることが分からない」のか、そもそも「単語が分からない」のか、自分が理解できなかったときの選択肢が日本語で話しているときに比べると断然多いんです。

でも、その場の空気や流れを壊さないために分からなかったことや聞きたいことをスルーする。何を言っているのか分からなかったけど「どれどういう意味?」と聞き直すのも申し訳ないと感じてしまって。聞き流すのが癖になってしまっているのかな、と。

ーーすごく納得です。そこに対しては、DANROでどうアプローチできたのでしょうか?

Yumikaさん:メンターさんが全体での対話以外でもマンツーマンで話す機会があり、そこで今の課題を聴いてもらえました。それを通じて「仲良くなりたいけどどうしたらいいのか分からない」「伝えたいけど伝えられなかった」など、やはり人との関わりを少し諦めている自分がいるということに改めて感じて。

メンターさんに話すことで「思ったことを伝えていいんだ」と後押ししてもらったような気持ちになりましたね。この10年、ずっと矢印が外を向いていたのが、DANROで自分に向くようになりました!

ーーそれは大きな変化ですね!

Yumikaさん:そうですね。DANROに参加していなければ考えることもなかったと思います。今は「これってこうだったのかな」など、自分の中でもっと深掘りしたいと感じることがたくさんあります!

根底にある“好き”の共通点

ーー深掘りした先に、感じたことはありますか?

Yumikaさん:DANROの時間が進むにつれて「元々どうやって友達つくっていたのかな」とか「私って何が好きだったんだっけな」など、自分について深く考えるようになりました。そこから“忘れていたこと”を思い出していくように……。

ーー“忘れていた自分自身”を思い出していく感覚でしょうか?

Yumikaさん:私はフォトグラファーの前は音楽の勉強をずっとしていたんです。イタリアの前はドイツに音楽留学にも行っていて。でも当時自分の力ではどうしようもできなかったことがあり、立ち止まってしまっていたんです。そんなときに、夫に誘われイタリアに行くことになりました(結果救われたのですが)。

「ここから再スタートというのもいいかな」と思って色々なことをガラリと変えたんです。そのときの傷は直視できなくてそのまま時が止まっていたところから、DANROの時間を経てそのことについて想いを書き出したり、メンターに話を聞いてもらったりして少しずつまた動き始めたという感じです。

ーー例えばどんなことでしょうか?

Yumikaさん:今はファミリーフォトグラファーをしているんですが、自分がなんで「家族」にフォーカスしているかまで考えていたわけでなかったんです。シャッターを切る瞬間、人の心に触れられた気がして心が揺れるのはなぜだろう、と思っていたくらいで。

でも音楽も同じだったな、と思い出しました。そしてDANROの雰囲気も。それぞれ全く違うもののように感じるけど、私の根底にある「大事にしたいこと」を思い出したような感じがしました。

ーー「大事にしたいこと」とは?

Yumikaさん:人とのつながりや、あたたたかさを感じられる瞬間ですね。人の心が動く瞬間に立ち会うことが好きだと改めて感じました。

今はイタリアでジブリを演奏するグループをやっているのですが、演奏しながら「この空気、感じたことがある」と思ったんです。それはDANROで感じた空気感と似ていました。

歌は話すこととは違いますが、今ではそれでもどこか“対話をしている”ように感じるんです。心と心がつながっていて、あたたかい空気を共有できている。

あ、こういうところに戻ってくるんだ……と驚きました。

ーー思ってもみなかった、自分の「根底」と繋がっていたのですね。

Yumikaさん:そうなんです。DANROに参加しようと思ったときには表面の部分でしか考えていなかったので、自分でもとても驚いているのですが……!

DANROは期が違っても根底にあるものは一緒!


DANRO Summerの様子

DANROーーYumikaさんにとってDANROはどんな存在でしょうか?

Yumikaさん:「DANRO」というだけで同じものを共有していると感じられる、安心できる場所ですね。

和花さんもおっしゃっていたことですが、毎回DANROは期が変わるともちろんメンバーが変わり、空気感も違うので蓋を開けてみないと分からないのは確かにそうなんだと思います。でも、他の期の方の発信を見たり、雰囲気を感じ取っていく中で“根底にあるものは変わらないな”と感じました。

ーー蓋を開けてみないと分からない、というのはワクワクする要素である反面、「今でいいのかな」と迷いにつながる方もいるのかなと。でも、Yumikaさんが「根底にあるものは変わらないから大丈夫」とおっしゃってくださったことで安心感に変わりますね

Yumikaさん:私もギリギリまで迷っていたんですよ。そのとき体調が良くなく、「今向き合えるエネルギーがあるのかな」「今じゃないほうがいいのかな」と思っていて。そういうときは今まで元気になるまで殻に閉じこもることが多かったのですが、今回思い切って突っ込んでみました。その結果、“動けばあたたまる”を実感。元気になっていくのを感じました。

ーーYumikaさんのその経験は、これから参加しようか迷っている方への勇気にもなりますね。

Yumikaさん:あとは「再び火を灯せる場所」でもあるかなって。私が「対話を大切にしたい」と思っていても、一歩外に出ると同じ考えを持っていない人がほとんど。広げたいと思っても灯っていた火が消えてしまうこともあると思う。

でも一旦DANROに立ち戻ることで、メンバーのみんなに灯してもらえるだろうな、と感じますね。DANRO Summerは終わったけれど、これからも対話、聴くというのは続いていくんだろうなと思います。

ーーYumikaさん、素敵なエピソードをたくさんありがとうございました!



Yumikaさんについて

イタリア人の夫、愛娘と北イタリア ヴェローナ近郊に住むファミリーフォトグラファー。その傍ら、ジブリ音楽の演奏家としても活動中。Instagramは<こちら


DANROについて

「日常に対話を。対話を文化に。」をコンセプトに、対話を軸とした事業を展開。深いつながりを紡ぐ実践型対話スクールの運営や自己を探究するオンラインサロン「DANRO HOME」の運営、"子どもがそのままに進んでいける世界を"Visonに掲げ、自分らしく生きられるきっかけを対話を通して実現する「DANRO CHILDLEN」や"会社から社員にGIFTを贈ろう"をコンセプトに対話を通して自分を愛でるきっかけを創出するBtoB事業等を行う。


\DANRO Autumnは10月開講/
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インタビュアー・記事/山中麻衣
「想いをつなぐ」取材・インタビューライター。その他企業と読者をつなぐwebライティングも。公式noteは<こちら>


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