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#28 公共施設マネジメントにおいて大事なコトvol.5(誰と×想い×明るさ×ユルさ×やかましさ)

今回は、公共施設マネジメントにおいて大事なコトシリーズのVol.5ということで、このシリーズの最終回。
最終回なので、まとめの話として、仕事への向き合い方というか、行動指針みたいな内容で、僕が日頃から意識している「誰と×想い×明るさ×ユルさ×やかましさ」という5つの掛け算の効用ついて書いていこうかと思う。

組織において、仕事を進めていく時には、大抵の場合、複数の人間でチームを組んでいくことになるが、今回はチームマネジメントみたいな話が主題となってくる。
仕事というのは当然1人で全てをこなせる訳ではないので、そのチームをどうやって組成し、チームをどうドライブさせていくか、また、チーム力をどうやって上げていくか、といったことに対し、僕が意識的にやっている職場の環境づくりについて触れていきたい。


「何を」やるかではなく「誰と」やるか?

これは僕の師である人たちも言っていることであるが、仕事の質は「何を」やるかでなく、結局「誰と」やるかによって決まってくる、と常々感じている。

仮に何かのプロジェクトを進める際に、自分に足りないものがあるのなら、それは「チーム」で補えばいいし、「チーム」で個人の凸凹を上手に噛み合わせていけばいい。
ただ、その噛み合わせこそが重要で、ここを間違えて違和感があるチームを組むと、大抵のプロジェクトが瓦解していくことになる。
逆に良い「チーム」編成さえできれば、プロジェクトは自動で走り出すものである。

ちなみに、以前のnoteでも書いたように思うが、肩書き等にこだわってチームを必要以上に大きくするとロクなことはない。
プロジェクトを真っ当に進めるのなら、チームは必要最小限(3〜5人くらい)にとどめることが鉄則である。

また、公共施設マネジメントの分野では、自分たちの職場だけでなく他の部署と連携してプロジェクトを進めていくことも多いが、他の部署とチームを組む際に、誰をチームに招き入れるかが最も重要なポイントとなる。
若くて肩書きが低くても、本当に動ける人と一緒に動くことが肝で、ここの人選を間違えると、プロジェクトは見事に失速していくから、人選をコントロールすることが、チームマネジメントにおいての第一歩となる。

仕事をやらされるのか、やりたいのかの違い

役所のような大きな組織においては、「仕事はやらされるもの」と感じている人は多い。
正直、こういったリアクション型のスタンスでは、目標となるゴールの質も落ちてくるし、プロジェクトが成功すこともほとんどない。

もちろん、全ての仕事が「やりたい」ことばかりで、常に高いモチベーションを持ってなきゃダメといった理想論を唱えるつもりはない。
ただ、常に誰かに言われて初めて動き出すような後ろ向きのスタンスでは、良い結果に導くこともできない。

公共施設マネジメントやFMというと、なんだかネガティブなイメージが強く、「想い」を込めることが難しい分野ではあるが、僕は常にやりたいという「想い」を大切にしている。
特にチームリーダーとなる人間にはこの「想い」が必須であり、リーダーに「想い」がなければ、自ずとチーム力は落ち、プロジェクトは失速していくものである。

逆に、リーダーの「想い」はチームにも伝播していくし、強くて明確な「想い」さえあれば、少々のハードルでも乗り越えられると思っている。
また、仕事に対する「想い」や「魂」こそが、お金をもらって仕事をしているプロとしての「矜持」ではないだろうか。

仕事への「想い」や「魂」がプロとしての「矜持」

明るくなければ誰も寄ってこない

他の自治体に行って、公共施設マネジメントとかFMとかやっている人に会うと、辛くて苦しい仕事だと言う人がそれなりの割合でいる。
確かに、公共施設の再編とかやっていると、市民からの猛反発を受けたり、時に新しいことをやって炎上案件になったりすることも珍しくなく、全てが楽しい仕事であるはずもない。

ただ、公共施設マネジメントやFMは、庁内全体に横串を刺す仕事でもあるし、他の部門との連携や協働が欠かすことができない性質がある。
そんな仕事を任されている担当者が、いつも辛くて苦しい顔をしていると、いったい誰が賛同してくれるだろう?

楽しく明るい人だからこそ人は寄ってくるし、楽しそうな職場だからこそ協力者も増えてくるというものである。
だから、僕たちの職場は底抜けに明るい雰囲気を意識的に作り出そうとしている。

明るすぎて、全く真剣味に欠けているように庁内では思われているかもしれないが、僕たちは真剣にやっているつもりだ(笑)
Vol.3で書いた「つやまFMだより」もフザけているが、内容はいたって真剣そのものである(笑)

ユルくなければ楽しくない

行政の仕事だからあんまりユルユルでも困るのだが、規則や規定に縛られて
前例踏襲でも全く面白くない。
もちろん法に触れるようなことは許されないが、あえて道のないところにレールを敷き、新しい領域に踏み出すことは公共施設マネジメントの世界においては必須事項である。

その時に、物事を真正面から捉えるのではなく、行間をできるだけ広めに解釈し、いかにユルく運用できるかを試行錯誤しながら、新しい発想を促していくことが重要である。
我々のモットーとして、コンプライアンスは「中の下」くらいにとどめて(笑)、グレーゾーンをあえて広めに構えるというスタンスを取りつつ、ストライクゾーンギリギリのところを攻めて見たり、とてつもない変化球を投じてみたりを繰り返している。

コンプライアンスがユルめのメンバーばかりが揃っていると言えばそうなのだが(笑)、ユルくなければ仕事は楽しくないし、ユルいところにこそクリエイティビティや新たな発見があると思っている。

やかましいのはコミュニケーションの証

僕の職場はとにかくやかましい(笑)

地声が異常にデカいメンバー(KGくん)がいるというのが大きな理由の一つではあるが、大体常に誰かが何かを喋っている。
無駄話とか雑談みたいなことを職場によっては、かなり制限している部署もあるだろうが、多分僕たちの職場は、雑談が止まらない職場で、きっと我々の役所の中で一番やかましいと思う(笑)

試しにスマホの騒音計アプリでこそっと測定してみたのだが、昼休みでほとんどのメンバーが外に出かけ、誰も話をしていない時の音圧レベルは約40dBだった。
まぁこれが普通のオフィスの騒音レベルだろう。

一方で、KGくんが声を発すると途端に音圧レベルは上がり、平均値で60dB、KGくんに釣られて周りのメンバーが喋り始めると70dBをも超えてくる状況が続くのだ。

左が昼休みの騒音レベル、右がKGくんが喋っている時の騒音レベル(笑)

ちなみに環境省が発行している生活騒音のパンフレットによると、40dBは図書館の館内くらいで、70dBを超えてくると、電車や地下鉄の車内相当の騒音で、正直仕事が普通にできるとは思えないやかましさだが、僕たちは毎日そんな中で仕事をしている(笑)

環境省が発行している「生活騒音」のパンフレットより

やかましさは、集中時には頭に来ることもあるが、それだけ職場内でコミュニケーションが取れていることの裏返しで、ここから仕事のアイデアが生まれてきたり、業務の進捗が確認できたり、雑談がチーム力の向上に大きく寄与していると感じている。

チームで奏でるアンサンブル

こんな感じで、明るくて、ユルくて、やかましい職場で、誰とやるかを考えたチーム編成を意識し、想いを持って仕事に取り組むと、自ずと結果はついてくる。

様々なプロジェクトをこなしながら、高ストレスな状態が続いている職場ではあるが、チーム力でなんとかクリアできているのではないかと感じている。

それは例えるとバンドのような感じで、声のデカいKGくんがバカバカ叩くドラムに合わせつつ、それぞれのメンバーがグルーブに合わせてアンサンブルを奏でているような感覚である。

メカリカのようなというとどうかと思うところであるが、ドラムの音のデカさだけでは負けてない(笑)

ということで、公共施設マネジメントにおいて大事なコトシリーズもこれにて完結。
これまでのVol.1〜Vol.4も下のリンクから併せてどうぞ。

Vol.1 現場を知っているという強み

Vol.2 内製化によるチーム力アップ

Vol.3 庁内でのポジションと情報発信

Vol.4 ステップ バイ ステップで


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