川口義洋

岡山県津山市の地方公務員|公共施設マネジメントや公共空間の利活用を主軸として活動中|F…

川口義洋

岡山県津山市の地方公務員|公共施設マネジメントや公共空間の利活用を主軸として活動中|FM+PPPで公共施設を幸せな存在にするために日々奮闘中|一級建築士・国交省PPPサポーター|建築は趣味のようなもの|かなりの凝り性|「公共空間に彩りを添えて、まちを楽しく豊かに」が活動のテーマ

最近の記事

#44 コンセッションは単なる手段(ツール)

公共施設を整備・管理する際に、行政の発想や財源だけで整備・運営するよりも、民間サイドのノウハウや資金を活用して、より効率的で魅力的なものにしていきましょうということで出来たPFI法の中にコンセッション制度なるものがある。 今回はそのコンセッション制度について書き綴っていきたい。 PFI法が出来たのは1999年(平成11年)で、もうかれこれ25年になるが(よく考えたら僕が役所に入ったのと同じ年なのね)、そのPFI法が改正され2011年(平成23年)に生まれたのがコンセッショ

    • #43 職務員じゃなく公務員になってほしい・・・いや、なれよ!!

      1週間ほど前、津山市に今年度新たに採用された新入職員研修(職員2部研修)の講義を担当することとなり、まだ初々しい職員1年生(30数名)に向けて、FM(ファシリティ・マネジメント)の話をさせてもらった。 この講義は僕が毎年受け持っている訳ではなく、課の比較的若いメンバーに任せていたのだが、僕的には(結構なおっさんになり役職も上がってきて)若い世代の職員と向き合う場面がめっきり少なくなっているため、彼らと直接向き合ってコミュニケーションを取るということと、これから公務員として生

      • #42 民間事業者とどうやって出会うのか?

        公民連携という言葉が一般的に使われるようになって何年も経つが、読んで字のごとく、公と民が連携するためには、そもそも両者が出会わなければ何も始まらないし、何も連携できることはない。 視察目的で僕らのまちに足を運んでくれる方が結構いたり、色んなまちに行って講義をする機会もそれなりにあるのだが、その時に「その民間事業者とどうやって知り合ったのですか?」とか「どうやったら民間事業者と出会えますか?」とか、しまいには「民間事業者をどうやって探したらいいですか?」といった類の質問を受け

        • #41 公共施設にも・・・「想い」なきところに「魂」は宿らない?

          そもそも、公共施設という固体である物体に「魂」が宿るかどうかというのは、かなりスピリチュアルな表現なので、完全理系人間である僕的にはあまり得意でない考え方である。 ただ、いろんな公共施設の整備に関わったり、全国各地の公共施設を見て廻ったりしていると、造る側の人(企画立案や整備に関わる人)や管理・運営する側の人に「想い」のない公共施設というのは、実に不幸な運命を辿るというのが僕の経験値として断言できる。 ということで、今回は公共施設が幸せになるか、不幸になるかの明暗を分ける

        #44 コンセッションは単なる手段(ツール)

          #40 世界遺産+国宝の「富岡製糸場」に行ってみた(凝り性の建築訪問記Part①)

          僕は「セミナーに呼ばれて」とか、「出張に出掛けて」とかで、色んな土地に赴くことも多いのだが、そのついでと言ってはなんだが、ちょっと寄り道して気になった建築や公共施設、公民連携事例などをみて回ることも多い。 noteのプロフィールにも建築は趣味のようなものと書いているとおり、凝り性な建築オタクなだけに、建築を見に行くことは趣味や娯楽に近い感覚なのだが、一方で普段関わっている仕事に通じるようなインプット活動とも言え、実際に現地に行ってみることで、ネットや書籍では感じることのでき

          #40 世界遺産+国宝の「富岡製糸場」に行ってみた(凝り性の建築訪問記Part①)

          #39 公共施設としての文化財という存在(の導入編)

          さて、今回のテーマは「文化財」に焦点を当て、公共施設マネジメント×文化財みたいなことについて書いてみようかと思う。 僕が日常的に関わり、仕事の中心にいるのが公共施設(ここでは建築物に限定)という存在であるが、現状のように厳しい自治体財政をいかに健全化すべきかというミッションの基、全国で一斉に考えられるようになった公共施設マネジメントや公共FMの活動。 その活動の一環として、ほぼ全ての自治体で策定されている「公共施設等総合管理計画」において、公共施設の総量を縮減するといった

          #39 公共施設としての文化財という存在(の導入編)

          #38 岩手県紫波町でのディープな3日間滞在記(の後編)

          6/27(木)〜6/29(土)の3日間、岩手県紫波町にて「地方創生実践塾 」というセミナーに参加してきた。 紫波町といえばオガールがもちろん有名なのだが、ノウルプロジェクトなど次なるプロジェクトも続々進行中であり、今回参加したのは、そのプロジェクトの内容を垣間見つつ、当事者である方たちの話を直接聴いてみたいと気持ちが抑えられなかったというのが大きな理由。 (こんなに豪華な顔ぶれが揃う機会は滅多とない!) それに加えて、紫波町というまちは、公民連携に関わる人たちがみんな大き

          ¥500

          #38 岩手県紫波町でのディープな3日間滞在記(の後編)

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          #37 岩手県紫波町でのディープな3日間滞在記(の前編)

          6/27(木)〜6/29(土)の3日間、公民連携といえばオガール、オガールといえば紫波町ということで、公民連携では知らない人のいないオガールのある岩手県紫波町に行ってきたので、今回はその滞在記(インプットしたことのアウトプット)的なものを綴っていこうかと。 3日間の中身があまりにも濃厚すぎて、どう考えても長くなりそうなので前編と後編の2回に分けてまとめてみることにしたい。(その前編) で今回、紫波町を訪れたのは(一財)地域活性化センターという団体が主催する「地方創生実践塾

          #37 岩手県紫波町でのディープな3日間滞在記(の前編)

          #36 ジェットストリームLite touch inkの実力はどれほどのもの?(凝り性のハマったら沼編Part④)

          以前に「凝り性のハマったら沼編のPart①」でお届けした「一番書きやすいボールペンインクはどれ?」が、僕のnoteの中でも非常に人気が高いらしく、ず〜っとアクセス数が伸び続けているので、今回は、その続編的なやつを書いてみることに。 凝り性ネタの記事が好評だったら、次があるかもと匂わせておいたのだが、本人が思ってた以上に好評みたいなので、調子に乗って続きを書かざるを得なくなった次第という訳だ(笑) Part①では、主にゲルインクの性能や書き味を比較してみたが、普段からゲルイ

          #36 ジェットストリームLite touch inkの実力はどれほどのもの?(凝り性のハマったら沼編Part④)

          #35 指定管理者?コンセッション?公務員でも意外と知らない法律のこと(の前編)

          さて、今回は公共施設に関連する法律の話を少々。 法律というと、何だか難しいことで、仕事ではいっさい縁のないことと思っている方も多いだろうし、日常的に法律と向き合って仕事している公務員にとっても、面白くなくて何だか難しそうと思っている人が圧倒的だ。 僕も若い頃受けてた職員研修で、特に法律と文書事務の話が嫌いでしょうがなかった(笑) そんなこんなで、とっつきにくい法律の話を、今回(前編)と次回(後編)に渡ってお届けしたい。 と言っても、僕は法律の専門家でもないので、難しい話を

          #35 指定管理者?コンセッション?公務員でも意外と知らない法律のこと(の前編)

          #34 公共建築と住宅建築とでは、なぜ断熱性能がこんなに違うのか?(・・・の解決編)!!

          さて、前編と後編の2回に渡って、公共建築と住宅建築とでは、なぜ断熱性能がこんなに違うのか?というテーマで書いてみたが、今回はその「解決編」をお届けする。 前回までは、どちらかというと「なぜ?=Why」の部分にフォーカスし、両者の間で起きている分断を中心に書いてきた。 今回はその「解決編」ということで「どうすれば?=How」について掘り下げてみたい。 僕は仕事柄、普段は公共建築と接することの方が圧倒的に多いが、昔から住宅建築も大好き人間なので、両者の間にある分断(断熱だけで

          #34 公共建築と住宅建築とでは、なぜ断熱性能がこんなに違うのか?(・・・の解決編)!!

          #33 公共建築と住宅建築とでは、なぜ断熱性能がこんなに違うのか?(・・・の後編)

          さて、今回は前回の続きで公共建築と住宅建築でこんなにも断熱性能が違うのだろう?という問いかけに対する後半部分について。 前編では、公共建築と住宅建築で使われる断熱指標値の違いや、設計する人の属性の違い、断熱に対するアプローチや設計プロセスの違いについて書いてみたが、今回はもう少しテクニカルな話で、サッシやガラス(・・・つまり窓)に関しての捉え方や性能の違いなどを論じてみようと思う。 ちなみに僕は自他ともに認める建築マニア&オタクで、建築家がデザインしたかっこいい建築も大好

          #33 公共建築と住宅建築とでは、なぜ断熱性能がこんなに違うのか?(・・・の後編)

          #32 公共建築と住宅建築とでは、なぜ断熱性能がこんなに違うのか?(・・・の前編)

          さて、今回は僕の別名「断熱二郎」として、公共建築に関する闇というか、なぜ公共建築と住宅建築でこんなにも断熱性能が違うのだろう?ということについて書いていこうと思う。 (なお、このテーマは闇が深いというか、書くべきことがたくさんありそうなので、前編と後編に分けて綴ることとする) これは、一つの理由に起因するものではなく、色々な要件が重なっていることなので、ここさえクリアすれば一気に解決ということにはならないけど、ちゃんと紐解いていけばクリアできそうなことばっかりで、その要因と

          #32 公共建築と住宅建築とでは、なぜ断熱性能がこんなに違うのか?(・・・の前編)

          #31 公共施設を幸せな建築にする方法とは?

          前回までの凝り性なネタから元に戻って、今回はいつものように公共施設ネタをお届けしたい。 公共施設については全国で同様な課題があり、その不幸な側面に焦点を当てた記事を書くことが多くなってしまいがちだが、そんな不幸な公共施設をどうすれば幸せな建築にできるだろうか?というのが今回の趣旨。 そういえばnote記事の#01は「建築マニアから見た不幸な公共施設とは?」というテーマだったことを思い出し、それの続編的な記事を書こうと思った次第だ。 途中に随分寄り道をしてしまったので、このテ

          #31 公共施設を幸せな建築にする方法とは?

          #30 松田聖子×松本隆×「〇〇色」を考察してみた・・・の後半(凝り性のハマったら沼編Part③)

          さて、凝り性のハマったら沼編Part③は前回の続きで、松田聖子×松本隆×「〇〇色」を考察してみた・・・の後半。 今回のテーマは、少年時代によく聴いていた松田聖子さん(以下、聖子さん)ネタで、以前から気になってしょうがなかった松本隆さんの歌詞の中にたびたび登場する独特な「色の表現」に着目して、その色を自分なりに可視化してみたいという衝動によるもの(笑) 繰り返すが、凝り性とは、本当に労力の無駄遣いである(笑) 前回の記事では、準備したCDの中で、松本隆さんが作詞した107曲

          #30 松田聖子×松本隆×「〇〇色」を考察してみた・・・の後半(凝り性のハマったら沼編Part③)

          #29 松田聖子×松本隆×「〇〇色」を考察してみた・・・の前半(凝り性のハマったら沼編Part②)

          今回はいつもの公共施設ネタとかから離れて、完全に趣味の世界のことについて。 以前にボールペンインクネタでハマったら沼編Part①を書いたけど、今回もそんな趣旨的ハマりネタのPart②として綴ってみることに。 ↓Part①はこちらから 僕は1971年生まれで、いわゆる団塊ジュニア世代ということになるのだが、青春時期(小3〜高3)を過ごした1980年代のことは今でも強烈に記憶に残っている。 ジャンルにとらわれず80年代のネタを上げ始めると、凝り性的にはいくらでも出てくるのだが

          #29 松田聖子×松本隆×「〇〇色」を考察してみた・・・の前半(凝り性のハマったら沼編Part②)