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好きな映画を語りたい 第三回 キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン

こんにちは、こんばんは、初めまして。ダンカと申します。
普段はもすら屋という個人サークルでクトゥルフ神話TRPGのシナリオを書いています。
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好きな映画を語りたい 第三回は2002年公開『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』を語らせていただこうと思います。
言わずと知れた名作ですが、私はお恥ずかしながら名前は聞いたことがあるな~程度で見たことがなく、数年前に初めて鑑賞しました。初見はあまりの良さにしばらくテレビの前から動けなくなるほどで、これは皆にも見て欲しい!と思い今回の題材にさせていただきました。
ネタバレを含む部分は注意喚起を途中で入れるので、まだ映画を見ていない人もよかったら途中まで読んでいただき、そして気になったらぜひ映画を見てください!


概要(ネタバレなし)

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(原題: Catch Me If You Can)は2002年に公開されたアメリカ映画。1980年に出版されたフランク・W・アバグネイル・Jr著の自伝小説『世界をだました男』を元に製作された実話ベースの映画です。
監督は スティーヴン・スピルバーグ、音楽は ジョン・ウィリアムズ、主演はレオナルド・ディカプリオ、助演はトム・ハンクスです。
もうすでに錚々たるメンバーなのが分かるでしょうか。

監督のスティーヴン・スピルバーグと音楽のジョン・ウィリアムズは黄金コンビですね。この二人が監督・音楽でタッグを組んでいるのは『ジョーズ』『E.T.』『インディ・ジョーンズ』『ジュラシック・パーク』などなどなど……最新作の『フェイブルマンズ』時点で28作一緒に取り組んでいるそうです。私も大好きな映画たちです!
(『フェイブルマンズ』も映画館で見ましたが、あまりの才能に打ちのめされましたね……おすすめです)
主演のレオナルド・ディカプリオと言えばやっぱり『タイタニック』が有名でしょうか。個人的には『華麗なるギャッツビー』も推したいです。この『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』では思春期の青年を演じていますが、当時20代後半なんですね。いつまでも顔が若く見えるなあ……
助演のトム・ハンクスは『フォレスト・ガンプ 一期一会』『グリーンマイル』『ターミナル』などが有名で、スピルバーグ監督ともよくお仕事をされている印象があります。最近だと『エルヴィス』で珍しく悪役(とも取れる役)をされていたのが珍しくて印象に残っています。幅の広い演技が素敵ですね。

さて、メインメンバーがもうすでにパーフェクトなこの映画ですが、この先はネタバレありでその良さを語って行きましょう。

本編(ネタバレあり)

ここからネタバレを含みますので、まったく知らない状態で映画を視聴したい人は気を付けてください!
それでは行きましょう~!

前半:主人公フランク、幸せな生活から詐欺師へ……

主人公フランク・アバグネイル Jr.は裕福な家庭で幸せな生活を送っていた。しかし父親に脱税容疑がかかり、一家は財産を失ってしまう。フランクも高校を転校することになり、新しい学校へと入ってきた初日、前の高校の制服ときちんとした見た目を「代理の教師みたいだ」とクラスメイトに馬鹿にされる。カチンと来た彼はなんと本当に代理の教師だと自己紹介を始め、1週間もの間生徒たちを欺いてフランス語の授業をしてしまう。
そんな中、両親が離婚することになった。どちらに着いて行くか迫られたフランクは家を飛び出し、一人で生きていくために小切手詐欺を始める——

初めは幸せそうな生活の映像が続いているのですが、なんだか不穏な空気が流れているんですよね。楽しそうにダンスする両親と床に零れたワインとか。匂わせが凄い。それと同時に、フランクの才能が父親譲りであることも描かれています。スーツ屋を早めに開けてもらうのにネックレスをプレゼントしたり、世渡り上手と言うには上手すぎる父親の背中を見て育ったからこそフランクも天才詐欺師として才覚を現したのだと思います。

フランクは非常に賢く、度胸があり、ピンチをチャンスにする運の良さも持ち合わせています。ここでまた音楽の話をさせていただきたいのですが、第一回の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でも語った「音楽の切り替えによる場面のわかりやすさ」が『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』にも非常に使われていて、メインテーマ(OPで流れた曲のこと。しっかりOPがある映画もちょっと珍しいですよね)とピンチの時に流れる曲の2種類がうまく使い分けられているんですよね。フランクの嘘がバレそうなときはピンチの曲が流れて、窮地を脱したり軌道に乗って来るとメインテーマが流れる——これがあるだけで本当に物語が分かりやすくなるんですよね。
『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』は現在のフランクと高校生のフランクとを行き来する構造になっているのでなかなか最初は混乱するのですが、曲の切り替えがあるお陰で頭に入って来やすい。あ、今ピンチなんだ、今いい感じなんだ、が瞬時に視聴者に理解できる。この手法はやはりスティーヴン・スピルバーグとジョン・ウィリアムズのなせる業と言ったところでしょう。
私は映画を見る際に一番気にするのが音楽なので、音楽が「単純にいい」のもそうですが「使い方がいい」とより好きになる傾向があります。何かおすすめ映画あったら教えて欲しいです。

後半:天才詐欺師フランク、FBI捜査官カールと奇妙な友情

天才詐欺師としてFBIに目を付けられたフランクは、カール・ハンラティ捜査官に何度も接近され、その度に職業を変えていた。航空機のパイロット、小児科医、弁護士……その過程で出会ったナースのブレンダと結婚を誓うも、婚約披露パーティでカールに追い詰められてしまいブレンダを置いて逃げ出すことになる。「2日後、朝10時に空港で」。そう約束しブレンダを待つフランクだったが、ブレンダはカールに情報を提供しており、再びピンチが訪れる。なんとか脱するもまたひとりぼっちになってしまったフランクは再び小切手詐欺で逃亡しながら、どこまでも自分を追いかけてくるカールにいつしか奇妙な友情を覚える。

奇妙な友情!私の大好きな言葉です。
フランクは心から愛したブレンダにも裏切られ、父親にも話を聞いて貰えず本当に一人になってしまうんですが、そんな彼を追いかけるカールだけは自分を見てくれると気づくんですよね。自分の居場所や正体がバレる危険性もあるにもかかわらずクリスマスイブにカールに電話を掛けたり(実際その会話からフランクの正体に気付いたカールもまた超人的な頭脳である)、フランスまで追いかけて来たカールの言葉を信じて捕まることになったり……
そしてカールもフランクを案じているというのが現在のシーンから伺えていいですよね。最後、逃亡したフランクが母親の家を訪ねて新しい家庭を見、崩れ落ちるところにカールが後ろからやって来るシーンは何度見ても心が締め付けられます。フランクは天才詐欺師ではあるけれど、あのとき幸せな生活を失ってしまった子供のまま居続けているんだなというのが如実に伝わってきます。そんなフランクに差し伸べられた手はやはりカールのもので、カールは心からフランクを信頼していて、フランクも一度はその手を拒みますが、友人であり、第二の父親のような存在でもある彼と再び手を取るところで終わるのはあまりにも美しすぎます。
(全体的に感想がジョジョ一部になってしまいました。ジョジョも大好きです。ミュージカル良かったです)

最後に

フランクの生い立ちと驚くほどの頭脳・手腕とカールとの関係、その後の人生……これらは映画化にあたり多少脚色はされているものの、フランク・W・アバグネイル・Jrという人物が実在していて、今日の銀行詐欺の防止に実際に努めたという事実に非常に心震えます。
そしてこんな風に映画に落とし込み、素晴らしい演技で魅せ、感動を与えてくれた映画関係者に私は拍手を送りたいです。今更?と思われるかもしれませんが、私は本当にこの映画を見て良かった。特に精神的に参っていた時期に見たので、自身も救われた気持ちでした。

少々古い映画というのもあり、名作と聞いているけれど手が伸び辛い……という人が多いかと思います。私もその一人でした。
ここに書いても映画をすでに見ている人しか読めないでしょうが、でも本当にこの映画が私は大好きで、もっとたくさんの人に見て欲しくて今回のnoteを書きました。
「おすすめの映画何?」と聞かれた時に必ず口に出す映画のひとつとして私は大事に抱えて行きたいと思います。
ここまで読んでくださりありがとうございました!

次回の映画語りは1992年公開『天使にラブ・ソングを…』の予定です!
変更の可能性もありますがお楽しみに!では!


見たことある人もよかったら見返してね~~~!


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