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わたしだけの孤独

二十四時間、わたし以外の誰かのために
それでいいと思ってた
それが幸せだと思ってた
人を思いやり、気遣い
幸せにすることが
わたしの幸せだと

子どもの世話をして
旦那の疲れを癒して
近所の方々や
ママ友に気遣って
いい人に恵まれて
幸せと思っていた

それなのに
夜、ひとりになると
なんだかつらくなる
隣で旦那と子供が寝ている
幸せそうな寝顔
の隣で
わたし、幸せなはずなのに
なぜか涙が出てくる

ピコン
とラインの新着メッセージ
仲のいいママ友からだ
とても大好きな人なのに
今は読みたくない
返事もしたくない
わたしはつらい
でも何がつらいのかわからない
みんないい人、大好きなのに
わたしはわたしがわからない

わたしはわたしのこと、好きになれない
みんなのことが大好きで、
みんなの幸せを望んでいるのに
わたしはわたしを愛することを忘れていた
わたしはわたしの幸せを望むことを忘れていた
それって、どうやるんだっけ?

わたしはみんなのことを愛しているけれど
みんなの幸せを望んでいるけれど
みんなはわたしを愛している?
わたしの幸せを望んでいる?
そう考えて、怖くなった
悲しくて、寂しくて、涙が溢れた
みんなの幸せを願うことと同じくらい
わたしはわたしの幸せを願いたいのに
長い間忘れていたから
どうやって願うのかがわからない
旦那と子供の寝息はとても安らかで
その音がわたしの孤独をよりいっそう露わにした

そうして長い夜の間
わたしだけの孤独は
わたしだけの胸にしまって
明日の朝、いつも通り「おはよう」と言って
笑えるようにと願ってただ朝を待った

2022.10.05

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