みんなのダンボールマン 1号
各所のイベントやワークショップで買い取ったみんなのダンボールマンカード
普段看過ごされがちな「緩衝材」にスポットをあて、みんなで鑑賞する展示 2022/3/2 Wed.〜3/21 Mon. @MOTTAINAI クリエイティブ・リユース展 in 原宿 会場:ネスカフェ原宿 主催: ネスレ日本株式会社・株式会社毎日新聞社
匿名希望展 NONAME NOBORDER 2019.10.18.fri.〜27.sun. @ORANGE brainery に出展?
2019年3月に開催された TOKYO ART BOOK FAIR GINZA EDITION に届いた箱を集めた写真集 ALL TEXTS by KOJI KOSEN ALL PHOTOS by HARUMI SHIMIZU
SDGs、アップサイクル、サーキュラーエコノミーといったキーワードが一般的になり、社会全体として持続可能性へのアプローチはますますその重要さを増している。企業や日々の生活から排出される廃材(ゴミ)の有効な活用は今後、より注目されるだろう。 しかし、社会の関心が高まる以前から「もったいない」「ちょうどいい」といった感覚は、暮らしのそこかしこで保存されていたのではないか。ほぼ無意識に行われてきた生活の知恵は、普段見過ごされがちだが、生活に馴染んだ無理のない持続可能なアイデアとし
「さびしくて透明な」 美術批評 / 詩人 野口卓海 あの厄介な疫病は社会にたくさんの弊害をもたらし続けているが、玄関に積み上がる片付かない段ボールもそのひとつだろうか。物流。文字通り物の流れは日々急になり、勢いを増して私たちの身の回りを擦過する。どれほどその過程が見えづらくなろうとも、物理はノイズキャンセルできない。「物が無事に届けられる」という役目を終えた梱包材や緩衝材は、配達されるや否や私たちの手の中で簡単に息たえてしまう。生活の皮。もしかすると彼らは、もっとも正面
シンデレラフィットの話にはもう少し余談があり、オーディションで発掘されたグラスはどちらも百円ショップでスカウトされたもので、店には大量の同じ商品(クローン)が存在する。緩衝材としては一点ものよりも多くのものに活用できる方が利があるように思えるが、どこか物悲しい気持ちになった。 緩衝材についてしばらくの期間鑑賞し続けた結果、あまりにも物語に干渉してしまいつい感情移入して感傷的になってしまったという話。 今回の作品展示制作にあたり、後半は緩衝材をテーマにした短編の物語を紡ぐか
なんとかエコ&システムパックにぴったりフィットする暫定シンデレラグラスは決まったが、惜しくも背丈があわずオーディションにもれたグラスたち。しかし、オーディデョンには落選したけれど別ユニットで成功する、というシンデレラ(?)ストーリーもこの世には少なくない。 筒の径がぴったりという事はろう斗状の注ぎ口にもフィットする。この部分にグラスをあてがうと、欠けやすいグラスの飲み口をカバーできる。またろう斗の中央にはほどよい穴が空いているので湿気がこもらない。さらに2個のグラスをパック
何かに物がぴったりハマることを「シンデレラフィット」という。納まりがいいと気持ちがいい。日常にひそむ小さな幸せと言えようか。緩衝材も物が動かないようにぴったりとさせることで緩衝性が高まる。ぴったりとさせた上で衝撃をやわらげるのが緩衝の定石である。 ネスレ社のエコ&システムパックは筒状の紙パックにろう斗状の注ぎ口が付いている。これにぴったりハマるグラスはないだろうか。ガラスの靴にフィットする足を探す王子様のように(とは逆に)、このパックにぴったりフィットするグラスを求め、雑貨
すべてのネスレ製品につけられている親鳥がひなを見守る姿。このロゴマークは、ネスレを創業したアンリ・ネスレが、その家紋をアレンジして考案したもの(ネスレ日本サイトより引用)。ドイツ語で nestle は鳥の巣を意味する。やさしく卵を抱える鳥の巣もまた緩衝材と言えるのではなかろうか。 日本の卵パックはプラスチック素材が主流だが、海外ではペーパーモールドが多く使われている。子供の頃、牛乳パックから紙を作ったことがある。卵のプラパックを型にして、ネスレ社のエコ&システムパックからモ
学生の頃、実家からの仕送りの隙間によくスナックやチョコレートなどの袋菓子が詰められていた事を思い出す。これは小腹を満たす食料としてだけでなく、荷物の中身が振動で痛まないようにするためだったとしばらくして気づいた。最近では「食べられる緩衝材」という商品名のポップコーンもあるという。 2019年9月、キットカットの袋パッケージが紙製になった。折り紙のような質感の紙パッケージで、食べ終わった後に折り鶴をつくるという応援企画も行われた。空いた袋を膨らませてエアピローにできないかと思
段ボールから緩衝材をつくるだけの機械がある。多機能を求める現代において、「それしかできない」という無骨さがとても愛しく思えた。それしかできない機械に新聞を通してみたところ、段ボールよりも柔らかな緩衝材が生成された。それは、つめる・つつむ・やわらげるを満たすマルチな緩衝材となった。 ウェーブクッションの製造をお願いできる業者をここ数年探していたがなかなか見つからず、この展示を思いついたものの機械の購入を検討するというところからのスタートだった。「これしかできない」ニッチな機械
新聞を印刷する前の原紙は、「ワンプ紙」と呼ばれるものに包まれている。撥水性や荷扱強度を高めるためワックスや増粘材などが含浸され、多くはリサイクルできず事業ゴミとなる。一方、包まれていた新聞紙は古紙回収され再生紙となるが、シュレッダーにかけられた新聞紙は実はリサイクルに向かない。 落語にもある崇徳院の「瀬をはやみ…」の歌のように、ワンプ紙にもう一度新聞紙を包ませてやりたいと思った。緩衝材として使われたあとは燃えるゴミになってしまうが、きっと激しく燃えるだろう。物質的なリサイク
新聞紙を使った緩衝材のパターンは、 1.丸めて荷物の隙間を詰める 2.食器などのワレモノを包む 3.細切りにしてクッションにする くらいが主な緩衝方法だろうか。 かつて美術家のクリスト&ジャン=クロードや赤瀬川原平が何かを梱包することによって事物の印象や意味を変えたように、普段の梱包作業も、点字新聞を用いることで新たな印象を持たせることができるだろうか。 かつて英字新聞を使うと何でもオシャレにみえたように。 材料:点字毎日 緩衝材:新聞包装 緩衝/鑑賞方法: つ
エアプランツで知られる中南米原産の観葉植物「チランジア・ウスネオイデス」は、もともと現地で荷物の隙間に詰める緩衝材として使用されていたという。緩衝材だったものが観賞用として親しまれていることにとても興味をひかれる。このことを単なるダジャレで終わらせるのは「モッタイナイ」と思った。 この話は今回の展示のキーエピソードであり、アップサイクルという言葉の意が「元の素材よりも価値を上げる事」だとすると、まさに物の価値が大きく変わった事例と言える。この企画で緩衝材の鑑賞を続けていけば
「Delキーは打たれる」或いは、 「PCを捨てよ、町へDELLバッグ」 “Always Delete key is hit” or “Throw Away Your PC, Rally in the Streets with DELL's Case” みんなのダンボールマン1号 danboard-man.com ミクストメディア mixed media ダンボール/キャンバス cardboard/canvas 2019年
空き箱を投げると思いの外楽しい ダンボール談: ECが普及するにつれドライバー不足が深刻化している。荷扱に関するクレームも多いという。大切な荷物を投げるなんてトンデモナイことだが、空き箱を投げてみると思いがけず楽しいことがわかった。
海外からの箱はなんかいいよね。 ダンボール談: TABFには海外からも多くの荷物が寄せられる。見慣れない質感のテープやスタンプ、送状のフォーマットや手書きサインまで、なにかにつけカッコよく見えてしまう。ついには箱の中の臭いまで嗅いでしまいそうになる。
誰も気づかないようなところにこそこだわりを。 ダンボール談: 今回、回収した箱をよくよく見てみると面白い仮説まで立ってしまう。出展者の方の中には、誰に気づかせるでもなく、発送する箱にもこだわっているのではないか?そう思ったきっかけは、“SOI BOOKS”さんが発送に使用した箱を見た時だった。国産大豆100%使用「水煮大豆」の箱を再利用して送ってきている。大豆はSOYなので、単なる偶然か深読みのしすぎだとも思ったが、次に手にした“ベイブひかり”さんの箱が紙おむつの箱だった
物流インフラを使ったかしこいロジスティクス。 ダンボール談: Kinko’s shopから届いた箱。 一見、その特徴に気がつきにくいのだが、これもある仮説をたてることができた。 Kinko’sにデータを入稿して印刷を依頼し出来上がったZINEを会場に直送したのでは? 刷りあがりを確認しない潔さとKinko’sへの厚い信頼、はたまたリピート製作か… だとするととても合理的な方法。 いつか真似したいと思った事例のひとつ。