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「ソロ活」は究極の自己分析解析ツールだった!

【後編】「ソロ活」を「仕事」にまで昇華させた、朝井麻由美さん

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            ソロスイカ割の様子

前編に続き、江口のりこさん主演で話題をさらったTVドラマ『ソロ活女子のススメ』(テレビ東京系)の原案者である朝井麻由美さん。さまざまなメディアでソロ活情報を発信し、現在はソロ活の第一人者として君臨。コラムニスト、ライターとして生きる。
「ソロ活」は実は心の奥底に隠された自分との向き合い方そのものだという。
子どもの頃から人間関係の地雷を踏まないことに注力してきた朝井さんにとって、「ソロ活」は究極の自己分析解析ツールだった!?


《前編はコチラ》

「寂しい人」と思われたくない……

ひとりぼっちであることを自虐しているのはつまり、その裏には、みんなと一緒にいたいっていう欲求があるわけじゃないですか。じゃあ果たして自分はそうなのだろうかと考えたときに、別にみんなでワイワイとバーベキューをしたいかと言われれば、そうでもないかな……と気づいて、ちょっとハッとしたんですよ。私は特にそこを求めてないかもしれないっていう。

もちろん学生時代は特に、みんなと一緒にいたいって気持ちが若干あったことは否めないですし、だからこそ地雷を踏まないように人に合わせる努力をしていたんですけれども、それは「寂しい人」と周りから思われないためだったんですよ。「自分をこう見せたい」とか、「ぼっちの人と思われたくない」とか「みじめな人に見られたくない」とか、そういう気持ちが優先されていて。
もし、教室内で「寂しい人」とか「変な人」といった「ジャッジ」を誰もしてこないような環境だったならば、もっと一人で行動したり、人といたいときは人といたり、自由にできただろうな、と思います。人の生き方や行動について、「正解・不正解」みたいなのがあって、それをジャッジされるのって本来おかしなことなはずなのに、世の中には結構そういうのがあるんですよね。
みんなでいることも、ソロ活することも、どちらも自分が心地よいものを選ぶ選択肢の一つなだけで、どちらかを選ぶのが正解、という話ではありません。

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           ソロリムジンバスの様子

「趣味=ウニのお取り寄せ」でいい

ソロ活って自分のために時間を使うことじゃないですか。自分のために時間を使うって簡単に言えるし、自由で素晴らしいって一見思うけど、自由を謳歌するにもトレーニングが必要だと思います。

私にも自分に趣味がないと思ってた時代があります。でもその頃も、「名前が付かない趣味」はあったんじゃないかと思うんです。
「名前が付いている趣味」というのは、スポーツ観戦、映画鑑賞などのいわゆる「趣味・特技」の欄にいかにも書かれそうなメジャーな趣味。そういうのがたまたま好きならよかったんですが、私は映画鑑賞やスポーツ観戦をはじめとした「名前が付いている趣味」にはことごとく興味がありませんでした。
私が好きなことって、例えば、好きなゲームのグッズを集めるとか、ガチャガチャのミニチュアを集めるとか、食品サンプルを買い集めるとか、ウニのお取り寄せをめちゃくちゃするとかで、世の中的にメジャーな名前がついてない趣味なんですよね。なんかこう、それを「趣味です」と履歴書とかに書くとなると、説明が長くなるというか、それについて詳しくない人に説明するのが面倒くさいというか……。映画鑑賞みたく一発で人に伝わらないので。わかりますか、この感じ(笑)。

「好き」からはじまる自己分析の解像度がすごい

あともうひとつ、それが自分の趣味であると胸を張って認められないみたいな気持ちもありました。趣味と言えるからには、誰よりも極めていないと、趣味と言うにはおこがましいんじゃないか……とか。「その程度で?」と思われたらどうしよう!とか。

私はゲームが好きってよく言っているんですけど、私ごときの知識量で趣味と言ってはいけないんじゃないか、みたいなことがよくあります。 ゲームって自分より凄い人がめちゃめちゃいるんですよ。知識量も、それにかける時間も、情熱も凄い人っていっぱいいるから、こんな“にわか”なのに趣味と言ってはいけない、みたいに思ってしまう。

でも、それは間違ってるなって思いました。「これが好き」って言ってる人に、「にわかじゃん」とかは言っちゃいけないことですよね。どんな経験量とか知識量とか、濃度であっても、趣味は趣味として尊重されるものだなと思います。

だから、「自分には特に趣味がないからソロ活と言われても何をしたらいいかわからない」と思っている人でも、実は意外と誰にでも好きなことってあるはずなんですよ。それを自分の趣味と思っていないだけで。 本当は好きなことが絶対あるのに、自分が趣味認定してないみたいな話って結構あるかなって思います。

自分が好きなら「好きだ!」って言っていいんです。
どんな好きでも、どんなに小さな好きでも、その自分の好きなことを育てていったらいいんじゃないかなと思います。

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            ソロ中華料理の様子

※写真は全てご本人の提供。写真は三脚とセルフタイマーで撮影。

朝井麻由美(あさいまゆみ)

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フリーライター・コラムニスト。著書に『「ぼっち」の歩き方』(PHP研究所)、『ひとりっ子の頭ん中』(KADOKAWA中経出版)。ひとり行動が好き過ぎて、ひとりでバーベキューやスイカ割りをする日々。執筆テーマはソロ活、人見知り、ひとり旅、食、ゲームなど。『二軒目どうする?』(テレビ東京系)に準レギュラー出演中。ほか、テレビやラジオの出演多数。


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