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【社内報の作り方】家族社内報

 社内報の隠れた読者。それはご家族です。今回は、社内報における家族の存在について紹介します。

お父さん、お母さんが載っている!
 社内報が発行されると、ご家族のある方はもって帰ることが多いです。そのまま配偶者や子供に手渡すでしょう。こういった経験のある方は分かると思うのですが、案外家族って社内報を楽しみにしてくれますよね。お父さん、お母さんが掲載されているのでは、そんな期待感がそうさせるのでしょう。もし見つけたら、ここに載っているよって教えてくれます。家族のだんらんが生まれる、そんな瞬間かもしれません。

当然、別の情報も
 お父さん、お母さんの姿を見て満足なのですが、やはりついでにパラパラめくって、思いもよらぬニュースページに引っかかったりします。商品発表会にタレントが来たなどはその典型。「すごい会社だね」と褒められるとまんざらでもないでしょう。自身が読んでいてつまらない内容だと思っていても、家族の反応で改めて会社の魅力を再発見することだってあります。

家族とのエンゲージメントを高める
 ここまで読むと、社内報が「家族」を意識しないといけないかが分かると思います。今回の本題は、まさにここ。家族を意識した編集ができていますか?という点です。家族に会社のことを理解してもらえれば、家族は社員を応援することになり、これが離職率の低下やモチベーションアップにつながるのではと、家族を意識した社内広報に取り組まれた会社があります。この会社の場合、働く姿、やりがい、仕事の社会的意義などを強調した編集にシフトし、家族を含めた全体のエンゲージメントを高めていくことに重きを置いていました。お絵描きコンクールを誌面上で開催し、家族団らんのひと時を特集したこともありました。お子さんではなく、親御さんに登場いただいた企画もありました。こうして誌面に家族が出ると、今度は逆に社員の方が支えてくれている家族のありがたさに気づくきっかけづくりができます。

最終的には、業績アップへ
 営業戦略や、利益目標、営業手法などを伝えなくて大丈夫ですかという声が聞こえてきそうですが、これがまさにコンセプトであり、編集方針です。つまり業績アップツールとして機能させるためには、経営課題を解決する。それが離職率、帰属意識であれば、社員と家族の一体感を醸成する。一見社内報の姿として見慣れないかもしれませんが、これはこれで社内報のあるべき姿なのです。家族を中心に据えた社内報づくり。ぜひ参考にしてみてください。

今回の一冊

川内倫子著
Cui Cui

なんだろうこの郷愁。自分の家族を、家族写真を見ているかのような体験。私小説のような、生々しく、自然で、薄く透明な世界。幼少期の記憶をたどる旅のように、次から次へと心象風景が、ページをめくるたびにあふれ出てきます。家族とは何か、そしてそこに潜む生死とは何か。天才の傑作。川内倫子さんの才能が凝縮された写真集です。家族と過ごす時間の多い連休にぜひ。

Connecting the Booksは、これまで培ってきたクリエイティブディレクター、コピーライター、編集者としてのノウハウを公開するとともに、そのバックグラウンドである「本」のレビューを同時に行うという新たな試みです。