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#090【読書】「イケてる組織」の特徴とは(ビジョナリーカンパニー2を読んで)

読書はちょっとした時に気になる本をちょいちょいつまみ食い的に読み、なるべく業務でアウトプットできるよう実践知にしようとしています。

今回は名著と名高い『ビジョナリーカンパニー2』を読んでの気づきと実践観点を簡単にまとめておきたいと思います。

▼書籍:「ビジョナリーカンパニー2」とは

ビジョナリーカンパニーはシリーズもので、スタンフォード大学で毎回5~6年もかけてガッツリ調査(定量×定性)して見えてきた結果をまとめたものです。

2ということは1も3もあるわけですが、色々なレビュー書籍や記事などをみていても「絶対に”2”が良い!!」という意見が目立つので、とりあえずここから読めばハズレはないかなと思います。

20年以上前に出版された本ですが、名著として名高く、今の組織論においても参考にできうる分析観点が多分に入っています。なんらか組織に所属されている人であれば読んで損はない内容です。

(ただ、量が多いので、そこは覚悟した上で…)

▼目次:本書の構成

本書は以下のような構成でまとめられています。

第1章 時代を超えた成功の法則:「良好は偉大の敵」
第2章 野心は会社のために:「第5水準のリーダーシップ」
第3章 だれをバスに乗せるか:「最初に人を選び,その後に目標を選ぶ」
第4章 最後にはかならず勝つ:「厳しい現実を直視する」
第5章 単純明快な戦略:「針鼠の概念」
第6章 人ではなく,システムを管理する:「規律の文化」
第7章 新技術にふりまわされない:「促進剤としての技術」
第8章 劇的な転換はゆっくり進む:「弾み車と悪循環」
第9章 ビジョナリーカンパニーへの道

個人的には後半にいくほど、納得度が高くなって、全体の内容が繋がっていきました。(5章以降が好み)

▼感想:個人的感銘ポイント

個人的に印象的だったのは以下の点。

ポイント①:ハリネズミ化と弾み車という概念
ポイント②:“まずは人!”という考え方と価値観の基準
ポイント③:規律と技術の捉え方

この後順に触れます。

▽ポイント① ハリネズミ化と弾み車という概念

ハリネズミ化という考えは言い得て妙だなと感じた。本書の中で出てくる問は以下のようなもの。

”柔軟な思考のキツネ”VS”鈍感な針鼠”
どっちが勝つと思う?

当然、柔軟なキツネやろ!と思ったら真逆であった。…orz。。

何かというと、”色々と頭を巡らせるキツネよりも、やばいとおもった時にトゲを出してガードする針鼠の方が戦略がシンプルだ“ということ。

つまり”どんなにドンくさいやつでも、戦略をシンプルにしてひたすら同じ戦略に磨きを書ければ、どんなにすごいやつにでも勝てなくなるのである“ということを例えを元に述べています。

戦略や行動をシンプルにすること。

これが大事のようです。自分の場合、無駄に思考をめぐらすきらいがあるので、読みながら「キミのそこ、よくないよ」と指摘されているようでギクッとしたりしました。。

そして、もう一つの弾み車という考えに、それがつながります。ただ、「そもそも、はずみぐるまって…なに…?」という状態であったので、そもそもの例えの言葉の意味から調べてみるとことに…。

結果こういったものでした。

個人的な感覚としては自転車のグルグル回るペダルの部分みたいな感じでしょうか。本書の主張としては

『この弾み車の法則は最初の1回転目をまわすのが大変だが、慣れてきて2回転3回転と周りはじめると、すごい勢いでどんどん回転数が上がるのである』

ということです。イメージとしては、めちゃ重いギアの自転車を漕ぐ感じですかね。段々早くなっていく感じ。。

そしてここで、先ほどの針鼠の“シンプル戦略”と合流します。

何かというと弾み車を高速回転させることが、組織としても目指すべき戦略であり、この回転数を早めるためには回転する方向を一意に定めて(戦略をシンプルにして)回転すべきであるということです。

そして市場で圧勝している企業はそのような考えと実践ができていると分析しています。確かにAmazonなんてその典型だなと感じたりもします。もうどこもおいつかんやろ。。あの回転速度。。

▽ポイント②“まずは人!”という考え方と価値観の基準

そしてこれまた意表を突かれたもの。「組織において何が重要か?」という問いに対して、目標やビジョンではなく、とにもかくにもイケている人が全てという考え方。

”むむむ…ビジョンファーストでその次に集まる人でないの…?“

と思っていましたが、やる事やそれへの共感度合いはさほど重要な差にならないようで、大事になるのはやりたいことやスキルなどではなく「集まる人の価値観や考え方」であるということ。

“わからなくないけど、なんだかんだでやっぱりビジョンが第一じゃないの?”

という違和感に対して反例もでています。

例えば、ビジョンに盲信しているトップがいた場合、変に固執をして現場感覚がなくなり、時代に合わせた受難な変化ができず、思い込みで判断をして企業を失墜させるのである。

これらの内容をみて私の場合は

”おっしゃる通りです。すいませんでした。“

となりました。特に、”超”イケている社長は、絶対に出しゃばらないし、めちゃくちゃ謙虚であるという姿勢や価値観を指摘しています。

ちなみに、この超イケている社長かどうかの判断は、在籍時+在籍”後”の業績が一貫して向上しているかどうかで説明がつくようです。

日本の企業だと例えば、ソニー、ホンダ、パナソニックなどですかね?確かにビジョナリーな経営者な気がします。

また、この姿勢や価値観の話を聞きながらこの書籍もおもいだしました。

超天才のワンマンプレーヤーはその時は華々しい成果をあげるが、その後の人生はズタボロ、最強な人は信じられない程に献身的な人が今の世は勝つ!みたいな内容に何か通じるものがあるような気もします…。

▽ポイント③規律と技術の捉え方

これもまた、読んでいて納得の内容でした。

超イケている社長はポイント②で述べた通りですが、そしてもう一つの特徴として、超イケている社長は「規律の文化を作れている」点をさしています。確かにこれはなんとなく感覚的にわかります。

ただ、これはどう実現すれば?という問いにも答えています。それは

とにかく問いを投げまくり現場のリアルを理解し続け、それにのっとった判断ができるかどうかが大事なのである。

つまり、現場との対話を声を拾い上げまくることができるかどうかということです。この結果、伸びる企業は規律の文化が出来ているという点です。

そしてさらに、これを常に「システムとしてどうアップデートしていくか」という点も指摘しており、つまり仕組みとしてどう 浸透させるかという点が言及されています。

また、技術に関しても個人的に面白いげがありました。

『技術に頼っても企業は絶対に成果が上がらない。技術は成長の促進剤でありはずみ車を早く回す効用がある。そのため、針鼠としての戦略をどこに置くべきかを見定められていない企業は技術に頼っても衰退する』

なるほどなるほど。確かに、新技術や技術革新という言葉には、企業(自分の在籍する会社含む)はとびつきがちですが、”促進剤としての技術でそもそも何を加速させようとしているのか“に答えられないといけないのだなーと感じました。

▼まとめ

上記の通り、この本を読んで印象的であったのは以下の3点。

・ハリネズミ化と弾み車という概念
・まずは人という考え方と価値観の基準
・規律と技術の捉え方

偉大な組織になるための法則としての記載であったが、これはNPOや官僚組織であっても同じであるし、個人的には家族という組織においても考え方としては適応できうるのではないかと感じました。

まずは家でも会社でも対話を増やし、行動や戦略をシンプルにし、それらを仕組みルール化していく、ということをまず身近なところから実践します。

組織のリーダーになった人は勿論のこと、家族の大黒柱になった人にも30前後で読んでおきたいお勧めの一冊です。


ここまで読んでいただき誠にありがとうございました!
m(_ _)m

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