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朝のメロディ

今日は、燃えるゴミの日だった。
ゴミ収集車が近づく音がすると、飛び起きて見ていた息子たちも、最近は反応しない。収集車、来たよと言っても、んーと言ったまま布団の中。むかしは、忙しそうな作業員さんに一生懸命手まで振ってたのに。ちょっぴり寂しい。

曇り空の下、子どもたちを送り出し、夫も私も出勤した。
私は、普段バスと電車で通勤しているのだが、時間によっては車通勤の夫に途中まで乗せてもらう。
じゃがんばってね、と車から降りて、しばらく歩いていると、作業中のゴミ収集車を目撃、この町も、同じく月・木が回収日らしい。
ゆっくり動き出す収集車に、後ろで作業していた男の人がヒョイっとステップに立ち乗り。そのまま次の集積場へ向かっていった。

小さい頃、弟もゴミ収集車が大好きだったなぁ。
働く車関連で言うと、バキュームカーも大好きで、どちらのおもちゃも大事にしていた。バキュームカー、今ではめっきり見かけなくなったけど。

♪〜
この地域のゴミ収集車は、回収時に音楽が流れている。
初めてその場を通りかかった時、何の曲だろうと思って必死でメロディの記憶をたぐった。
〜ぼんぎり ぼんぎり‥
かろうじて思い出せたその曲は、五木の子守唄だった。

私は、民謡にはあまり詳しくないが、母は保育士をしていたからか、童謡やこういった歌はよく知っている。なので五木の子守唄も大人になってから、〝歌い継ぎたい日本の歌〟か何かで母から教えてもらった気がする。
母は、あー知ってる知ってる、という感じでサラッと歌っていたが、母の出身は北海道。
五木の子守唄は熊本の民謡。
そしてここは大阪。Why ?
私が知らないだけで、全国区レベルの知名度の曲、ということだろう。現代はともかく‥。
有名な民謡、というだけならソーラン節やら金比羅船船やら他にもありそうだけど、あえて、おどま盆ぎり盆ぎり‥と切ないメロディを選んだのには何か理由があるのだろうな。

私の住む市では、ゴミ収集車は音楽は流さない。
騒音問題とかで、流さなくなったのかも知れない。
勤務先の町では、ゴミ収集車とともに、今まで他所で聞いたことのない、軽快な音楽が流れてくる。
一瞬、ユーミン?と思うような軽やかなリズムで始まるが、途中から、素朴で明るい、しかし全く知らない曲だと分かる。どうやらその町のオリジナルソング、らしい。

再び音楽の記憶をたぐる。私の幼少期はどうだったか?
五木の子守唄ではなかった。昔からある唱歌だったように思う。
「ふるさと」?違うなぁ、「夕焼けこやけ」、違うけど、何かそんな感じ。

思い出した。「赤とんぼ」だった。
朝から流れるのに、なんで ♪ゆうやけこやけの赤とんぼ なのだろうと、子ども心に不思議に思っていた。
ちなみに私が育ったのは和歌山市である。
よく考えると、これまた子守りつながりの歌。背中に負われながらトンボ見た、という記憶の歌。
何でだろう。全世代の人に懐かしさと安心感を与えるものがあるんだろうか。

気になってネットで調べてみると、何とずばり選曲理由が載っていた。
ニュース和歌山編集部さんが市の担当の方(一般廃棄物課の課長さん)に聞いて調べたところによると、1日の終わりを思わせる音楽を鳴らすことで、回収が終わったことを知らせ、元は各家庭ごとに出していたゴミの箱を持ち帰ってもらう意味があったらしい。
一度、曲を変えて欲しいという意見が出て市民にアンケートをとったが、そのままでよいという声が多数あり、「赤とんぼ」のままにしたとのこと。
へー、知らなかった。
インターネットには何だって載ってるな。

私の住む街で、今後ゴミ回収とともに音楽が流れる形式に変更されることは、きっとないだろう。
音楽、あっても良かったのに‥と思いながら、いや、うちのボーイズが赤ちゃんの時だったら、なくて良かったわと思っていたかも知れないなと、考えが揺れる。

生協の宅配トラックも、子どもの頃は「口笛吹きと子犬」の音楽とともにやってきたけど、最近では聞かない。

皆さんの街では、どうですか?ゴミ収集車は音楽を流して作業されてますか?

よければ、五木の子守唄、よく知ってるよーという方、何その曲、という方も、併せて教えてください🙇‍♀️



ちなみにこういう旋律の曲です↓

※トップ画像は、ニュース和歌山さんの記事よりお借りしました。

※西尾さんの記事で取り上げていただきました。
川崎市民に愛されている曲、実はすごい作曲家さんの作品のお話です。音楽ってすごい。

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