
【ツアレポ】旧松岡旅館も特別拝見!名古屋の旧赤線・中村遊廓跡を巡る大門ツアー
こんにちは、大ナゴヤツアーズです。
今回のツアーレポートは大正から昭和初期に栄えた中村遊郭の面影が残る中村区の大門地区をまち歩きした「旧松岡旅館も特別拝見!名古屋の旧赤線・中村遊廓跡を巡る大門ツアー」です。
それではその時の様子をちょっとだけお伝えしますよ。
レトロなまちを散策




地下鉄「中村区役所」駅には大きな道路が走っていますが、一本入ると細い道やレトロな建物がたくさん残っています。ムカデの彫刻をあしらったギリシア風の屋根が特徴的なかつて名古屋で一番古い演劇場だった建物や、戸袋にまでタイルが施されている非常に珍しい建物の魚屋さんなど随所に見どころがあります。


遊郭といえば芸者さんですが、大門地区の近くには芸者さんを弔うお寺があります。中に入ることはできませんでしが、小窓から中をのぞくと十一面観世音の大仏様を見ることができます。



「大門小路」や「大門横丁」などレトロな飲み屋街もいまだに残っており、昼は営業していませんが、夜になるとまだまだ現役でネオンが灯ります。「今度夜来てみようかな」というお酒好きの参加者さんもちらほら。
いまも残る遊郭の特徴

遊郭には裏口が存在していました。並んだ建物の裏口と裏口が向かい合うようにつくられているので、建物の北側か南側につくられたそうです。そのため防火壁が裏口を邪魔しないように南北に走っているそうです。


かつて遊郭街は外側を堀で四角く囲まれており、その四隅にある斜めにつくられた道からしか入ることができなかったそうです。「その堀の上を歩いてみましょう」と、今も細い道として残っている場所を歩くこともできますが、知らなければここがかつて遊郭を囲んでいた堀の跡だとはわかりませんよね。
唯一残る当時の面影

大門地区の遊郭は南側は庶民も通っていましたが、北側に行くほどの格式が高くなっていました。その北部に位置していたのが現在唯一当時の面影を残すこちらの「旧松岡旅館」です。



100人はゆうに入れる大広間では、豪華な金箔が貼られた障子や、見事な彫刻欄間など、今ではおそらく手に入らない立派な建材と技がふんだんに使われており、当時の繁栄を物語っています。




中庭を囲むように回廊が走っており、そこに個室がいくつかあります。それぞれの部屋は決して派手ではありませんが、丁寧で細かな装飾が施されており、桐の間には桐にちなんだ装いがされているなど、見つけると小粋な気持ちになる演出がなされています。
失われゆく遺構


「旧松岡旅館」の向かいには、ベンガラの赤い門が特徴の立派な旧遊郭が2018年の6月頃までありました。持ち主が手放せば、どんなに素晴らしいものでも簡単になくなってしまいます。残念なことにかつての遊郭の跡はどんどん姿を消してるそうです。

最後に、上からまちを見下ろすことで見えてくる面影をご紹介。道路を歩いていると気づけないかつての面影も、上から屋根をみることで遊郭だったころの建物のつくりがところどころに残っており、かつてのまち並みを想像させてくれます。
「さら地になるのはあっと言う間です」と松村さんはいいます。ツアーで歩いた数回のうちにも、まちなみがどんどん変わっています。改めて、今あるかつての面影をしっかり目に焼き付けておきたいと感じさせられました。
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開催地:愛知県名古屋市
ガイド:松村冬樹さん / 元 名古屋市蓬左文庫 調査研究員お
※ツアーの内容や体験内容はレポートと異なる場合があります。

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