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社会と自分の方向性が重なる場所

東京の生活の不便が自分にとってストレスになりつつあるので最近積極的に地元に帰ることについて調べたり想像したりしている。

思えばこの数年間の仕事をしている中で歌舞いてきたツケが回ってきているのかもしれない。自分の価値観に対して反するものをやっているとどうしても摩擦が起きてしまって自分が辛くなってしまうことが人生の中で何回かあった。生活水準の向上、ブランドバックや外資系高級ホテルでの宿泊、リゾート地への旅行。それらを体験するためのお金が稼げればどんな仕事でもできる、となれない性の私。もっと大枠で捉えると、資本主義の持続性に疑問しかないから会社に所属していても違和感しかない。もっと売り上げを上げよう、もっと効率良くしよう、成長しよう。この思想に加担していること自体が端的に言ってしまうと気持ち悪く感じてしまう。目の前の生活や家庭を支えることのためにお金は必要だが、高級ホテルも麻布のバーも本当にどうだっていい話なのだ。それでもそれが価値のあるものとされる世界の中で自分を歌舞きながら自分だけ逆張りしていくのもそろそろ疲れてしまったのかもしれない。

週末は気の向くままたくさんの本を読んでいる。中国山地編集舎が出しているみんなでつくる中国山地という雑誌が面白い。住んでいる時は地元で就職することを考えたこともなかったどころか、国内旅行に行くお金があれば海外に行ってきた私はこの10年間外へ外へとばかり考えてきたわけだけど、仕事を始めると東京にいて仕事をする自分を納得させ正当化させている自分がいる。中国山地の記事の中に心から離れない言葉がある。「自分が社会に与えるインパクトと社会が進むべき方向性が一致する場所」が自分のバトルフィールドで、そんな場所を探すのだ、と。なるほど、これはとてもいいものさしをもらったのかもしれない。

決して地元に帰ってゆるゆるライフを、とは考えていない。冬の鬱々とした空と冬季鬱を考えると今から心がキュッとなるし、支え合って生きていくことが必要だから人見知りの私も頑張って関係性を作っていかないといけない。でも思い描く社会の中で小さく小さく守っていくことがいいのだと信じている。東京の便利は私にとっても夫にとっても不便であることが発見できたのだけでも、この数年間は価値あるものだったと思える。

時間をかけて準備をして納得いく形で再構築したい。


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