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1973年5月5日, ポール・サイモン, ソロ3作目リリース "There Goes Rhymin' Simon" ♫ 〜 レヴューもどき + 5曲歌詞和訳

というわけで, 今日 2021年5月5日はポール・サイモンの傑作アルバム「ほら、サイモンがまた韻踏んでるよ」のリリースから 48周年の記念日!

* 2022年6月11日, 同年4月20日に note にアップしていた "One Man's Ceiling Is Another Man's Floor" 歌詞和訳を加える編集を施し, 本 note のタイトルの該当箇所も「4曲歌詞和訳」から「5曲歌詞和訳」に更新した。

There Goes Rhymin' Simon 〜 ほら、サイモンがまた韻踏んでるよ ♫ ざくっとレヴュー

これがポール・サイモン(Paul Simon, born October 13, 1941)のソロ 3作目というのはもちろん, サイモンとガーファンクル時代 1965年の "The Paul Simon Songbook" を含めてのこと。デュオ解散後だと自身の名前を冠した 1972年リリースの "Paul Simon" に次いで 2作目ということになる。

昔々、自分の(筆者の, つまりポール・サイモンじゃなくて拙者の, 笑)ホームページに載せた極私的アルバムレヴューもどきがあるので(*1)、その, 16年ほど前に書いたものを、以下に転載することにします。

Paul Simon - There Goes Rhymin' Simon (2005年4月9日, 記)
1. Kodachrome
2. Tenderness
3. Take Me to the Mardi Gras
4. Something So Right
5. One Man's Ceiling Is Another Man's Floor
6. American Tune
7. Was a Sunny Day
8. Learn How to Fall
9. St. Judy's Comet
10. Loves Me Like a Rock
11. Let Me Live In Your City
12. Take Me To The Mardi Gras (Acoustic Demo)
13. American Tune (Unfinished Demo)  
14. Loves Me Like A Rock (Acoustic Demo)
オリジナルは 1973年。S & G 解散後のソロ2作目。上にリスト・アップした14曲のうち、最初の10曲がオリジナル・アルバムに収録されていたものね(注:当時のLPレコードでは A面, B面に 5曲ずつ)。後の 4曲は、2004年7月に新たにリリースされた際のボーナス・トラック。
僕はオリジナルが出た時に買って聴いた(兄貴が買ったのかな、たぶん)。僕が中1、兄貴は高1の時ね。
これはもう極上のポピュラー・ミュージックそのもの。やっぱポールの最高傑作じゃないかなぁ、これ。ちなみに、10曲中 6曲は、南部アラバマ州はマッスル・ショールズのスタジオで録音。これが見事に活かされてます。
1. Kodachrome
この1曲目でまずぶっ飛びます。研ぎ澄まされたギターの音で始まり、ドラムやピアノが加わって織り成す軽快なリズムのサウンドがリスナーを一気に惹き込むイントロ。コダックのフィルムにナイコンのカメラ。ナイコンって日本のニコンのことなんだよねぇ。詞もゴキゲンです。録音はマッスル・ショールズ。
2. Tenderness
君の誠実さの裏にはやさしさがないねって歌う歌。佳曲です。バック・コーラスは THE DIXIE HUMMINGBIRDS です。これがまたかっこいい。
3. Take Me to the Mardi Gras
これ、サイコー。
ウェブで改めて調べると、Mardi Gras は元はフランス語、英語では Fat Tuesday、ニューオーリンズのものが有名。ここで歌われているのもニューオーリンズのマルディ・グラです。ディキシーランド・ジャズ発祥の聖地ニューオーリンズですが、ニューオーリンズのマルディ・グラは、18世紀初頭にフランス人入植者が私的な仮面舞踏会として持ち込んだもののよう。その後、全米最大級のカーニバルに発展。イースターの前から1ヶ月間も続くらしい。
マルディ・グラの説明はさて措き、この曲、リスナーに、ニューオーリンズのマルディ・グラの楽しさを完璧に伝えてくれます。僕は行って観たことないのに断言しちゃう。そう断言させちまう曲。
曲の終盤で THE ONWARD BRASS BAND によるブラス演奏が盛り上がり、フェイド・アウトするまでの約40秒。本当にそうなんです、マルディ・グラを行って観たこともない僕みたいなリスナーの脳裏にも、見事にマルディ・グラの情景が浮かんでくるのであります。この僅か 40秒、ほんまに見事。
ポピュラー・ミュージックの最高峰を示す珠玉の一品。
録音はマッスルショールズ、アラバマ州。ニューオーリンズはルイジアナ州。まぁ近いんよ(笑)。
4. Something So Right
中学の時に聴いて、歌詞に中国の万里の長城が出てくるのが興味深かった。興味出たら確かめてみて。ストリングスのアレンジ(クインシー・ジョーンズ)も素晴らしい佳曲。これはニューヨークのジャズ・センスが溢れた曲かな。録音もマッスルショールズではありません。
5. One Man's Ceiling Is Another Man's Floor
ある人の天井は他のある人の床。それがアパートメント・ハウスのルール。けっこう痛烈な内容の歌詞。アルバム・ジャケットには収録曲に関連付けられたオブジェやイラストが飾られているんだけど、この曲のオブジェでは、椅子が置かれた部屋の天井に、その部屋の床に向かって、つまり逆向きに引っ繰り返って椅子が貼り付いている。ある人の部屋の天井の、更に上にある階上の人の部屋の床に、普通に椅子が置かれてるんじゃなくて、言わば床下の、階下の部屋の天井からその部屋の床に向かって、つまり反対方向に向かってるのって、実はこの歌詞の深さと関係あるのかね。階上に他人がいるというより、同じ空間で逆方向に向かって存在している現代人(?)。中学の頃はあまり気にしなかったけど、大人になると妙に気になるものがあります。この曲はオリジナルのLP盤ではA面の最後の曲。マッスルショールズの録音。
6. American Tune
B面の1曲目でした。ポールが今も歌い続けている曲の一つだから、本人もかなり気に入ってるのは確かでしょう。メイフラワー号でやって来て、月に行ったと歌われる、まさにアメリカの歌。S & G 時代の America と並ぶ、ポールのアメリカの歌。これが英国はロンドンでの録音ってのは偶然でしょうか(?)。
7. Was a Sunny Day
マースルショールズで録音。よく晴れた日だった、って本当にそれを音楽に表わした曲。晴れた日だったんだ。それは。
8. Learn How to Fall
飛ぶことを学ぶ前に落ち方を学びなさい。これはミシシッピ州のスタジオでの録音。
9. St. Judy's Comet
これは都会的な洗練を感じさせる佳曲。これも録音はマッスルショールズなのです。
10. Loves Me Like a Rock
オリジナルのLP盤の最後を飾った曲。マッスルショールズでの録音。THE DIXIE HUMMINGBIRDS がブラック・ゴスペル・サウンドというか、ドゥアップというか、とにかく盛り上げます。思わず身体が踊り出す、躍り出す、躍動感満杯、うーん、お見事。
この後の 4曲は、2004年7月のボーナス・トラック盤のものですが、これがけっこう面白い。
11 の Let Me Live In Your City は、4 の Something So Right の「メイキング」って感じ。繰り返しの部分が、歌詞が違うだけでなくてメロディも違うもの。で、タイトルも別だったってわけ。これ、普通に考えればこっちが原型なわけだけど、ちょっと詳細は分かりません。
12 は Take Me To The Mardi Gras のアコースティック・ギター1本のデモ録音。こうやって作っていくんだって、天才ポールの曲作りをちらりと知るデモです。
13 は American Tune のデモ。歌詞もまだ固まってなかった段階かも。ハミングで歌って録音してます。
14 は Loves Me Like A Rock の アコースティック・ギター1本によるデモ録音。十分、ノレます。
One Man's Ceiling Is Another Man's Floor のところでちょっと触れたけど、当時、アルバム・ジャケットも印象的でした。収録曲を想像させるオブジェや写真、イラストなどが使われていて、そこかしこに曲名が。CD盤も踏襲してるのでご安心。
何度同じ言葉を繰り返して称賛しても足りない、ポピュラー・ミュージックの宝ともいうべき作品。何を並べ立てても結局は及びません。そう、これは音楽なのです。さて、やっぱり、聴くしかありません(笑)。
アルバム・タイトルは、ほら、聴いてごらん、またサイモンが韻を踏んでるよ、って感じでしょうか。歌詞ももちろんベリー・グーであります。

*1 拙者のホームページ上では以下のリンク先。ただし, 2001年8月に本を買ってきてHTML独学してそのHTML基礎知識だけで立ち上げたウェブサイトで以降一切仕様を変えておらず、現在スマホから閲覧しようとするとOS次第で文字化けする(パソコンであればどのブラウザからも問題なく閲覧できると思う、たぶん!)。

Kodachrome 〜 歌詞和訳

中1の時以来もう48年聴き続けてるわけだけど、歌詞の和訳については, 先月訳したばかりのホヤホヤ。以下の note 投稿リンクの下に YouTube 上の音源リンクを3つ置くけれど、中身はもちろん同じ。録音音質は多少異なるかも, なのと、2番目はオリジナル音源にはないジュークボックスでかけるときのような音がイントロに入ってるのが目立つ(「耳立つ」)程度か。"When I think back on all the crap I learned in high school", 「高校で習ったガラクタの全てを思い起こしてたんだけど」って出だしもイカしてるけれど、"If you took all the girls I knew when I was single, and brought them all together for one night" ってのも良いなぁ。若い頃, ってか独身時代, 日本人やアジア諸国の人たちだけでなくアメリカ合州国ほか欧米諸国の人たちともお付き合いがあった人は、2番目のクリップと 3番目のクリップもそれぞれ再生して観る・聴く, してみましょう ♫

When I think back on all the crap I learned in high school
It’s a wonder I can think at all
And though my lack of edu—cation hasn’t hurt me none
I can read the writing on the wall

高校で習ったガラクタの全てを思い起こしてたんだけど
驚きだね、僕はいま何だってじっくり考えられるんだから
まぁそもそも学校の勉強なんか出来なくたって困ったことないし
ほら、壁の落書きだって読めるんだぜ

Kodachrome
They give us those nice bright colors
They give us the greens of summers
Makes you think all the world’s a sunny day, oh yeah
I got a Nikon camera
I love to take a photograph
So mama don’t take my Kodachrome away

コダクローム
イカした明るい色をくれるし
夏の緑だって分けてくれる
世界中が青空だって思わせてくれるほどさ、だろ?
それにナイコン(ニコン)のカメラだって手に入れたんだ
だったら写真撮るのは楽しくてたまらなくなるよね
だからママお願いだよ、僕のコダクロームを取り上げないで(*a)

If you took all the girls I knew when I was single
And brought them all together for one night
I know they’d never match my sweet imagination
Everything looks worse in black and white

独身時代に知り合った女の子みんなの写真を撮っていて(*b)
一晩のうちにまとめて持ってきたとするよ
でもそれって僕の甘美な想像にはかないっこないんだよ
白黒写真じゃ全てがつまらなく見えてしまうんだから

Kodachrome
They give us those nice bright colors
They give us the greens of summers
Makes you think all the world’s a sunny day, oh yeah
I got a Nikon camera
I love to take a photograph
So mama don’t take my Kodachrome away

コダクローム
イカした明るい色をくれるし
夏の緑だって分けてくれる
世界中が青空だって思わせてくれるほどさ、だろ?
それにナイコン(ニコン)のカメラだって手に入れたんだ
だったら写真撮るのは楽しくてたまらなくなるよね
だからママお願いだよ、僕のコダクロームを取り上げないで

Mama don’t take my Kodachrome away
Mama don’t take my Kodachrome away
Mama don’t take my Kodachrome away

コダクロームを取り上げないで
コダクロームを取り上げないで
コダクロームを取り上げないで

Mama don’t take my Kodachrome
Mama don’t take my Kodachrome
Mama don’t take my Kodachrome away

コダクロームを取らないで
コダクロームを取らないで
コダクロームを取り上げないで

Mama don’t take my Kodachrome
Leave your boy so far from home
Mama don’t take my Kodachrome away
Mama don’t take my Kodachrome
Mama don’t take my Kodachrome away

コダクロームを取らないで
僕を放っておいて
コダクロームを取り上げないで
コダクロームを取らないで
コダクロームを取り上げないで

................................................................

*a "mama" は普通に「母さん」の意味の「ママ」なんだろうか。それがちょっと分からない感じも。筆者は自身の母親を「ママ」と呼ぶことなどなく日本語で「母さん」とか「お袋」としか呼ばないが、それはともかく、アメリカでも夫婦の子どもが小さいうちは子どもの前では夫が妻を「ママ」と呼ぶ時もあるにはあるわけで。やっぱ、「母さん」の「ママ」なのかな。しかし歌詞の中で "If you took all the girls I knew when I was single .." なんてくだりもあるもんだから、この歌の中の "mama" って何なんだろうという気がしないでもない。

*b "If you took all the girls I knew when I was single" の "girls I knew" は「知り合った女の子」にしたけれど、「つき合った女の子」という日本語にした方が面白い、もしくは楽しい感じはする。英語の "knew" でもそこまで含みが持たされる場合があるのではと思うんだけど、実際のところどうなのかな。

Take Me to the Mardi Gras 〜 歌詞和訳

これも歌詞を和訳したのは先月だから, ホヤホヤ。以下の note 投稿リンクの下に YouTube 上の音源を 2つ載せるけれど、不思議なもので音源は同じなのに、別のイメージが付いていると音楽から受け取る印象もやや変わってくる。イメージを眺めながら聴いたらということだし、それに「やや」だけど。上のはもちろんアルバム・カヴァーの一部、音質(というか音量の問題かな)は下のクリップの方がいいかもしれない。

C'mon take me to the Mardi Gras
Where the people sing and play
Where the dancing is elite
And there's music in the street
Both night and day

さぁ僕をマルディグラに連れてって
みんなが歌って楽器を鳴らして
イカしたダンスが楽しめて
通りには音楽が溢れているんだ
夜も昼もね

Hurry take me to the Mardi Gras
In the city of my dreams
You can legalize your lows
You can wear your summer clothes
In the New Orleans

さぁ早く, マルディグラに連れてってよ
僕の夢の街なんだ
法律だって思いのままだし
それに夏の服を着てられるんだぜ
ニューオーリンズだからさ

And I will lay my burden down
Rest my head upon that shore
And when I wear that starry crown
I won't be wanting anymore

僕は悩みや煩わしさから解放されて
ミシシッピの川岸で頭を休めるんだ
星を鏤めた(ちりばめた)冠を被れば
それ以上望むものなんてないよ

Take your burdens to the Mardi Gras
Let the music wash your soul
You can mingle in the street
You can jingle to the beat of Jelly Roll

心の重荷はマルディグラに持っていきなよ
嫌なことなんか音楽が洗い流してくれるさ
道で見知らぬ人たちとパーティを楽しめるし
ジェリィロールのビートにだって乗れるんだぜ(*1)

................................................................

*1 これはダブル・ミーミングかなと思う。というか、スラングからすれば、元々の歌詞はここで要するにセックスのことを言っているのかもしれない。"jingle" は音楽好きならテレビやラジオで流れるCMソングとかラジオなどの隙間の時間に流れる短い曲を思い起こしたりすると思うけど、名詞なら他に「チリンチリンと鳴る音」とか、あるいは「電話」、さらに俗語で「お金」なんて意味があるらしい。しかしここでは動詞。動詞の "jingle" は自動詞として「チリンチリンと鳴る」(金属音)の他に、俗語で「性的に興奮させる」という意味がある。そして、"Jelly Roll", これにはあのロール・ケーキ(の一種)の他に、俗語として上述の "jingle" の俗語の意味に対応する「そのもの」ズバリの意味がある。辞書によっては出てないかなと思うけれど、例えば日本の国宝級ブルーズバンド「憂歌団」のデビューアルバムに収められていた「ジェリー・ロール・ベイカー・ブルース」、あの「ジェリー・ロール・ベイカー」は娼婦を意味していたわけで(ブルーズ好きの多くは知ってると思うけど)。この歌詞の中では「ジェリィロールのビート」は娼婦を意味しているわけではなくて、単にセックスを仄めかしつつ, 異性(あるいは性的嗜好によっては同性ですね)と「出会って」楽しむことができることを暗示してるってことかな。

Something So Right 〜 歌詞和訳

歌詞を訳してみたのは, ほんの 8日前。以下の note 投稿リンクの直ぐ下の YouTube 音源がスタジオ・ヴァージョンなのではないかと思うけれど、これは Music Premium member でないと視聴できない(筆者は member にしてないので試聴・視聴, 不可)。その下に 2つのライヴ・ヴァージョンを載せて、歌詞と筆者による歌詞和訳の内容を併載します(歌詞は接続詞など細かい点を除けばスタジオ・ヴァージョンのものとほぼ同じ)。

以下は 1977年のテレビ出演の際のライヴ・ヴァージョン。アクースティック・ギターで弾き語っていて、これがまた沁みる。

You've got the cool water when the fever runs high
You've got the look of lovelight in your eyes
And I was in crazy motion 'til you calmed me down
It took a little time but you calmed me down

熱を出すと 君は冷たい水を持って来てくれたよね
君の瞳には愛の光が輝いていたよ
君が落ち着かせてくれるまで, 僕はうなされていた
少し時間はかかったけれど君のお陰で楽になったよ

When something goes wrong
I'm the first to admit it
I'm the first to admit it
But the last one to know
When something goes right
Oh it's likely to lose me
It's apt to confuse me
It's such an unusual sight
Oh, I can't, I can't get used to something so right
Something so right

何かがうまくいかないとき
僕はすぐそれを認めるんだ
僕はすぐにそれを認めるのさ
だけど確信するのは最後の最後なんだ
何かがうまくいってる場合はね
おお, まるで自分を失うみたい
混乱しそうになるんだよ
それって珍しいことだからね
おお, 何かがすごくうまくいくってことに馴染めないんだ
すごくうまくいくってことにね

They've got a wall in China, it's a thousand miles long
To keep out the foreigners they made it strong
And I've got a wall around me that you can't even see
It took a little time to get next to me

中国では壁を築いたんだってね, 千マイルもの長さの
よそ者が入ってこないように, 頑丈な壁にしたんだ
それで僕は自分の周りに壁を作ったんだ, 見えない壁をね
僕に近づくには少し時間がかかるってわけさ

When something goes wrong
(I'm the first to admit it)
(I'm) the first to admit it
But the last one to know
When something goes right
Oh, it's likely to lose me
It's apt to confuse me
It's such an unusual sight
Oh, I can't, I can't get used to something so right
Something so right

何かがうまくいかないとき
(僕はすぐそれを認めるんだ)
(僕は)すぐにそれを認めるのさ
だけど確信するのは最後の最後なんだ,
何かがうまくいってる場合はね
そうさ, まるで自分を失うみたい
混乱しそうになるんだよ
それって普通なことじゃないからさ
何かがすごくうまくいくってことに馴染めないんだ
すごくうまくいくってことにね

Some people never say the words I love you
It's not their style, oh, to be so bold
Some people never say those words I love you
But like a child they're longing to be told

愛してるって言葉を絶対言わない人っているね
気持ちをはっきり表わすのは流儀じゃないってわけさ
愛してるって言葉を絶対言わない人っているよね
でも子供みたいに, 自分には言ってほしいって思ってるのさ

When something goes wrong
I'm the first to admit it
I'm the first to admit it
But the last one to know
When something goes right
Oh it's likely to lose me
It's apt to confuse me
Because it's such an unusual sight
Oh I swear
I can't get used to something so right
Oh.. something so right

何かがうまくいかないとき
僕はすぐそれを認めるんだ
僕はすぐにそれを認めるのさ
だけど確信するのは最後の最後なんだ,
何かがうまくいってる場合はね
そうさ, まるで自分を失うみたい
混乱しそうになるんだよ
なぜって それって普通なことじゃないからさ
誓って言うよ,
何かがすごくうまくいくってことには馴染めないのさ
すごくうまくいくってことにね

................................................................

以下は、1980年の映画 "One-Trick Pony" からのものだと思う(YouTube 上のこのヴィデオの録音音質上, 後半でやや音が割れている点は残念だけど)。

You've got the cool water when the fever runs high
You've got the look of lovelight in your eyes
And I was in crazy motion 'til you calmed me down
It took a little time but you calmed me down

熱を出すと 君は冷たい水を持って来てくれたよね
君の瞳には愛の光が輝いていたよ
君が落ち着かせてくれるまで, 僕はうなされていた
少し時間はかかったけれど君のお陰で楽になったよ

When something goes wrong
I'm the first to admit it
I'm the first to admit it
But the last one to know
When something goes right
Oh it's likely to lose me
It's apt to confuse me
It's such an unusual sight
Oh, I can't, I can't get used to something so right
Something so right

何かがうまくいかないとき
僕はすぐそれを認めるんだ
僕はすぐにそれを認めるのさ
だけど確信するのは最後の最後なんだ
何かがうまくいってる場合はね
おお, まるで自分を失うみたい
混乱しそうになるんだよ
それって珍しいことだからね
おお, 何かがすごくうまくいくってことに馴染めないんだ
すごくうまくいくってことにね

They've got a wall in China, it's a thousand miles long
To keep out the foreigners they made it strong
And I've got a wall around me that you can't even see
It took a little time to get next to me

中国では壁を築いたんだってね, 千マイルもの長さの
よそ者が入ってこないように, 頑丈な壁にしたんだ
それで僕は自分の周りに壁を作ったんだ, 見えない壁をね
僕に近づくには少し時間がかかるってわけさ

When something goes wrong
I'm the first to admit it
I'm the first to admit it
But the last one to know
When something goes right
Oh, it's likely to lose me
It's apt to confuse me
It's such an unusual sight
Oh, I swear
I can't get used to something so right
Something so right

何かがうまくいかないとき
僕はすぐそれを認めるんだ
僕はすぐにそれを認めるのさ
だけど確信するのは最後の最後なんだ,
何かがうまくいってる場合はね
そうさ, まるで自分を失うみたい
混乱しそうになるんだよ
それって普通なことじゃないからさ
誓って言うけど
何かがすごくうまくいくってことに僕は馴染めないんだ
すごくうまくいくってことにね

Some people never say the words I love you
It's not their style to be so bold
Some people never say those words I love you
But like a child they're longing to be told

愛してるって言葉を絶対言わない人っているね
気持ちをはっきり表わすのは流儀じゃないってわけさ
愛してるって言葉を絶対言わない人っているよね
でも子供みたいに, 自分には言ってほしいって思ってるのさ

When something goes wrong
I'm the first to admit it
I'm the first to admit it
But the last one to know
When something goes right
Oh it's likely to lose me
It's apt to confuse me
It's such an unusual sight
Oh I swear
I can't get used to something so right
Oh.. something so right

何かがうまくいかないとき
僕はすぐそれを認めるんだ
僕はすぐにそれを認めるのさ
だけど確信するのは最後の最後なんだ,
何かがうまくいってる場合はね
そうさ, まるで自分を失うみたい
混乱しそうになるんだよ
それって普通なことじゃないからさ
誓って言うよ,
何かがすごくうまくいくってことには馴染めないのさ
すごくうまくいくってことにね

One Man's Ceiling Is Another Man's Floor 〜 歌詞和訳

本 note の前説部分に加筆した通り, 本章は 2022年6月11日に加えたもの。該当 note へのリンクと歌, 歌詞と和訳は以下の通り(歌については最初に載せたクリップは YouTube の Music Premium Member でないと聴けないもの, 2番目に載せるものがいずれ YouTube 上から消えるかもしれないので念のため)。

There's been some hard feelings here
About some words that were said
Been some hard feelings here and what is more
There's been a bloody purple nose
And some bloody purple clothes
That were messing up the lobby floor

ここには恨み辛みや悪感情が澱んでる
ここで話されている幾つかの言葉のことだよ
気分悪くてうんざりするけど, それだけじゃないんだぜ
紫色に染まった鼻血面
紫色に染まった血塗れの服
そいつがロビーの床をめちゃくちゃにしていたのさ

It's just apartment house rules
So all you 'partment house fools

アパートではこれが当たり前のこと
だからアパートに住む愚かな連中は

Remember one man's ceiling
Is another man's floor
One man's ceiling is another man's floor

覚えておくことだ, お前らの部屋の天井は他人にとって床だってことをね
お前らの天井は他人の床なんだぜ

There's been some strange goin's on
And some folks have come and gone (*1)
Like the elevator man don't work no more
I heard a racket in the hall (*2)
And I thought I heard a fall (*3)
But I never opened up my door

奇妙なことが繰り返し起きて
何人かの人間が行ったり来たり
エレベーターの係員はもう働かないとか
廊下からバカ騒ぎの声が聞こえてきて
誰かが倒れた音が聞こえたような気がした
だけど俺はドアを決して開けなかった

It's just apartment house sense (*4)
It's like apartment house rents

アパートではそれが分別ってもの
それが アパートの家賃みたいなものさ

Remember one man's ceiling is another man's floor
I'll tell you one man's ceiling is another man's floor

覚えておくことだ, お前の部屋の天井は他人にとって床だってことをね
言っておくが, お前の天井は他人の床なんだぜ

There's an alley in the back of my building
Where some people congregate in shame
I was walking with my dogs
And the night was black with smog (*5)
When I thought I heard somebody call my name

俺のアパートの建物の裏には路地があって
そこには人間たちが恥を晒して集まったりする
俺は 俺の飼い犬を連れて歩いていた
煙霧で真っ暗になった夜の路地をね
そのとき 誰かが俺の名前を呼んだような気がしたよ

Ah...
Remember one man's ceiling is another man's floor
Goddamn
One man's ceiling is another man's floor

ああ...
忘れないことだ, 俺の天井は他人の床だってことを
くそっ
天井は他人の床なんだぜ

................................................................

*1 come and gone だけど, 日本語では「行ったり来たり」の順で。

*2 racket には, テニスやバドミントンのラケット以外に, 「バカ騒ぎ」「大騒ぎ」「騒音」といった意味もある。

*3 fall は call にも聞こえるが, 一応 Paul Simon の Official Website で確認したら fall になっていた。call だったら 叫び声の意になるから, call でも文脈上通る。

*4 sense には「正気」「平常心」「分別」といった意味もあって, どれも和訳に使えそうだが, ここでは「分別」を使ってみた。

*5 smog は「スモッグ」だけど, カタカナ書きするとつい「光化学スモッグ」を思い出してしまうので, ここではあえて漢字で「煙霧」。日本語の「煙霧」の意味は文字通り「煙と霧」, もしくは「靄(もや)や霞(かすみ)」。

American Tune 〜 歌詞和訳

サイモンとガーファンクル時代の「アメリカ」と並び、ポール・サイモンが作った American Anthem 2曲のうちの一つ、「アメリカの歌」(Anthem と言っても「賛歌」と呼ぶべきかどうか, そこはそんなシンプルでもないけれど)。この「アメリカの歌」絡みでは随分と note 投稿したけれど、以下はそのうちの二つ。

1点目(投稿したのは後者, 2点目の方が先)では "American Tune", 歌詞和訳の他、歌詞やメロディの背景などをしつこいまでに縦横無尽、勝手気儘に探究し, さらに S&G 時代の "America" の音源、歌詞、筆者による和訳歌詞つき ♫ 

2点目はアメリカ合州国の政治などに関連づけつつ.. の投稿だったような。もう一度読まないとはっきりとは(笑)。 それと「拙訳」とはその頃はまだ使っていた自虐表現。まるで「つまらないものですが」と言って贈り物とか渡すかの如き表現だし、今は使わない。筆者は「拙者」なるも、拙者による歌詞和訳は良薬、違う, 苦くない良訳だと思うぞ。ただし元の歌詞が言っていることの意味は苦かったりする時もある(笑)。

アルバム収録ヴァージョン(スタジオ・ヴァージョン)の音源が YouTube 上にないようで、以下の note 投稿リンク 2点の下は、ポール・サイモンが 1974年3月にリリースしたライヴ・アルバム "Paul Simon in Concert: Live Rhymin'" に収録されたヴァージョン、併せてその歌詞と筆者による歌詞の和訳。

この歌の歌詞には、「メイフラワー」ほか様々な言葉が、「アメリカ的なもの」を表現するためのメタファーとして用いられていて(詳しくは過去の note 投稿の中に!)、まさに「アメリカの歌」。

Many’s the time I’ve been mistaken
And many times confused
Yes, and I’ve often felt forsaken
And certainly misused
Oh, but I’m all right, I’m all right
(I’m) just weary to my bones
Still, you don’t expect to be
Bright and bon vivant
So far away from home,
So far away from home

何度も何度も間違いを犯し
そして繰り返し混乱の中をやり過ごしてきた
そうなんだ、見捨てられたと感じることもよくあった
虐げられていると感じたことさえもね
でも大丈夫だよ、平気なのさ
ただ疲れが骨の隋まで染み込んでるだけなんだ
期待なんかしてないよね
華やかなに生きて美食家になるだなんて
家からこんなにも遠く離れた場所で
そう、こんなにも遠く離れてしまったんだ

I don’t know a soul who’s not been battered
I don’t have a friend who feels at ease
I don’t know a dream that’s not been shattered
Or driven to its knees
Oh, but it’s all right, it’s all right
For we lived so well so long
Still, when I think of the road
We’re traveling on
I wonder what’s gone wrong
I can’t help it, I wonder what’s gone wrong

打ちのめされたことがない人なんているだろうか
穏やかな心持ちの友達なんかいないんだ
打ち砕かれたことのない夢なんて知らない
崩れ落ちたことのない夢なんて
でも平気さ、大丈夫だよ
うまくやって長いこと生きて来れたんだ
それでもこの道のりを考えるとき、
つまり僕らが旅しているこの道のりをね
いったい何が間違っていたんだろうって思うのさ
思う他ないのさ、どこで道を誤ったんだろうって

And I dreamed I was dying
And I dreamed that my soul rose unexpectedly
And looking back down at me
Smiled reassuringly
And I dreamed I was flying
And high above my eyes could clearly see
The Statue of Liberty
Sailing away to sea
And I dreamed I was flying

そうして僕は自分が死にゆく夢を見たのさ
そうして僕の魂が不意に空高く舞い上がる夢を見たのさ
魂は僕を見下ろしていたよ
僕を安心させようと微笑みもしたんだ
そうして僕は僕が空を飛んでいる夢を見たのさ
そうして上空で僕の目ははっきりと捉えたんだ
自由の女神をね
遠くの海へと去って行く自由の女神を
そうして僕は僕が空を飛んでいる夢を見ていたんだよ

Oh, we come on the ship they call the Mayflower
We come on the ship that sailed the moon
We come in the age’s most uncertain hour
And sing an American tune
Oh, it’s all right,
It’s all right, it’s all right
You can’t be forever blessed
Still, tomorrow’s going to be another working day
And I’m trying to get some rest
That’s all I’m trying to get some rest

おお、僕らはメイフラワーと彼らが呼ぶ船に乗って
僕らは月にまで航行した船に乗って
この最も不確かな時代にやって来た
そしてアメリカの歌のメロディーを口ずさむんだ
でも大丈夫だよ
平気さ、大丈夫なんだ
誰だって幸運であり続けるなんてことは出来ないのさ
それでも明日はまたやるべき仕事があるんだね
それで僕は今ただ少し休もうとしてるってわけさ
僕はただ少し休もうとしているだけなんだ

LP, B面の最後を飾ったのは 〜 Loves Me Like a Rock ♫

この歌の歌詞はまだ和訳してないけれど、今日の note 投稿, これで終えようと思う。極上のポップ, "Kodachrome" で始まるアルバム "There Goes Rhymin' Simon", 最後を飾るのはやはりゴキゲンなナンバー "Loves Me Like a Rock" ♫

The Dixie Hummingbirds がブラック・ゴスペル・サウンドというか、ドゥアップというか、とにかく盛り上げる。思わず身体が踊り出す、躍り出す、躍動感満杯、うーん、お見事(って冒頭の章で書いてるけど, 笑)。

因みに The Dixie Hummingbirds は今も健在。なんとなんと, "Years active 1928–present" (!!!)

The Dixie Hummingbirds are an influential American gospel music group, spanning more than 80 years from the jubilee quartet style of the 1920s, through the "hard gospel" quartet style of gospel's golden age in the 1940s and 1950s, to the eclectic pop-tinged songs of today. The Hummingbirds inspired a number of imitators, such as Jackie Wilson and James Brown, who adapted the shouting style and enthusiastic showmanship of hard gospel to secular themes to help create soul music in the 1960s.

ではでは 、いってみよう。そして今日のところはこれで, 「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ!」(なぜか, 今は亡き淀川長治, でもとにかく, The Dixie Hummingbirds というグループは今も健在!)。

* 以下にリンクを貼った YouTube 上のヴィデオ・クリップ 2点, 音源は同じ(アルバム収録のスタジオ・ヴァージョン), いまイントロの喋り "Mhm, that's that, that's that groove" が入ってるものを見つけたので上に付けたけれど、1回聴いた限りでは, 音質・音量は下(以下の 2点目)のクリップの方がいいのではないかと思う。

Paul Simon - vocals, 6 & 12-string acoustic guitars
David Hood - bass
Roger Hawkins - brushed drums, tambourine
The Dixie Hummingbirds - backing vocals

(Mhm, that's that, that's that groove)

When I was a little boy
(When I was just a boy)
And the Devil called my name
(When I was just a boy)
I'd say, "Now who do (who)
Who do you think you're fooling?"
(When I was just a boy)

I'm a consecrated boy
(When I was just a boy)
Singer in a Sunday choir
Oh, my mama loves me, she loves me
She get down on her knees and hug me
Oh, she loves me like a rock
She rock me like the rock of ages
And loves me
She love me, love me, love me, love me

When I was grown to be a man
(Grown to be a man)
And the Devil would call my name
(Grown to be a man)
I'd say "now who do (who)
Who do you think you're fooling?"
(Grown to be a man)

I'm a consummated man
(Grown to be a man)
I can snatch a little purity
My mama loves me, she loves me
She get down on her knees and hug me
Oh, she loves me like a rock
She rock me like the rock of ages
And loves me
She love me, love me, love me, love me

And if I was President
(Was the president)
The minute the Congress called my name
(Was the president)
I'd say "now who do (who)
Who do you think you're fooling?"
(Who do you think you're fooling?)

I've got the presidential seal
(Was the president)
I'm up on the presidential podium
My mama loves me, she loves me
She get down on her knees and hug me
Oh, and she loves me like a rock
She rock me like the rock of ages
And love me
She love me, love me, love me, love me
(Loves me like a rock)
She love me, love me, love me, love me
(Loves me like a rock)
She love me, love me, love me, love me
(Loves me like a rock)

(Loves me like a rock)
(Loves me like a rock, oh baby)
(Loves me like a rock)
(Loves me like a rock)
(Loves me like a rock, oh baby)
(Loves me like a rock)
(Loves me like a rock)
(Loves me like a rock, oh baby)
(Loves me like a rock)
(Loves me like a rock)
(Loves me like a rock, oh baby)
(Loves me like a rock)
(Loves me like a rock)
(Loves me like a rock, oh baby)
(Loves me like a rock)
(Loves me like a rock)
(Loves me like a rock, oh baby)
(Loves me like a rock)
(Loves me like a rock)
(Loves me like a rock, oh baby)

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