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入院65日目:サボテンの花

朝、出勤しようと玄関を出ると、サボテンの花が咲いているのが見えた。
写真をパチリと撮り、お母さんにLINEをした。

 
今日も気温が高く、暑い。
午前、午後と車で利用者を連れて出掛けた。
施設長がいない空間で仕事は気が楽だ。
施設内にいるとあれこれうるさい。イヤな思いをする。

 
同僚から、真咲さんは「物真似が上手い。」と褒められた。
そうなのだ。私は中学生頃から物真似名人として知られている。芸能人の物真似はできない。あくまで身近な人の物真似が得意なのだ。
私の数少ない特技で、みんなが笑ってくれたら嬉しい。

 
 
 
お母さんが事務長宛に野菜の育て方を紙に書いてくれた。
お父さんが面会時に預かってきたようだ。
事務長はもう知っているかもしれないが、明日渡そうと思う。

農業はできなくても、指導者として関われたらお母さんも嬉しいのではないだろうか。

退院後、お母さんの特技が何らかに活きたらいいと思う。

今日、お母さんの職場の上司がお見舞いに来たらしい。リハビリを見たとか。

上司の方は何を思うだろう。

 
 
私や父や親戚以外は、検査入院時の管だらけの弱り切ったお母さんを知らない。

「体は不自由そうだけど、気持ちは元気そうだな。」

上司の方もそう捉えただろうか。

 
 
お母さんはいつまで今の職場に籍を置けるだろう。

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