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入院71日目:車椅子での旅行

今日は振替休日で休みだった。
朝から雨だ。

 
体調を崩しやすい同僚が急遽休んだり
複数人の同僚が渋滞に巻き込まれて朝遅刻したりとバタバタだったようだ。
新人さんは洗練をくらっただろう。
私も入職して一ヶ月も経たないうちにそんな日はあった。
これに耐えられるか否かで今後は変わる。

 
休みだった私は歯医者に行き、新しい詰めものを歯に詰めてもらったり(今のところ使い勝手はとてもよい)
美術館に行ったり
小説を読んだりと
久々に休日らしい休日を楽しんだ。

ただ、料理をしたり、買い出しをしたりとそれなりに家事もした。

 
振替休日で自由を満喫するのは悪いことではないが
出掛けられないお母さんに、お出かけの話をしたり、振替休日なのに面会に行かないことがバレることは気が引けて
休みや出掛けた件は伝えずにおいた。

お母さんとは一日1~2回しかLINEはしないし
LINEも長文ではないからバレはしないだろう。

 
お父さんが「あーあ、もう旅行に行けないんだな…。」と言うので
「お母さんが望むなら、一緒に行きなよ。」と嗜めた。
お父さんは旅行が趣味で、一人もしくはお母さんとよく旅行に行っていた。
主にバスツアーだ。

 
お母さんが車椅子になった瞬間何もかも諦めるお父さんに苛立った。

 
父「車椅子俺が押さなきゃいけないんだろ?やだよ。」

私「押してあげなよ。お母さん両手使えるし、全部は押す必要ないし。」

父「せめて行って日帰りだよ。長距離運転したくないよ。」

私「介護タクシーとか、車椅子の人用のプランもあるんじゃない?あとは電車や新幹線使うとか。」

 
 
お母さんは退院後、どこまで回復するだろうか。
お母さんは退院後、旅行を望むだろうか。

お母さんの状態と希望にもよるだろう。

 
ネットで調べた。
車椅子の方用の旅行プランも件数はないが、あるにはあった。
一番スタンダードなのは、やはり自家用車で巡る旅のようだが
リフト付きバスプランや介護車の旅行もなくはなさそうだった。

ただ、都会が多めのようだったが。

 
長距離運転に自信がないなら
他県まで電車や新幹線で移動し、そこでレンタカーを借りるのもいいかもしれない。

 
 
お母さんはまだ、自身のきょうだいに病気の件も入院の件も打ち明けていない。
退院するまで言わない気かもしれない。
お母さんのきょうだいは全員他県にいる。
今知らせるとみんなが無理してお見舞いに来るから黙っているのかもしれない。

実際面会時間は前日夜にならないと確定しないし
遠方組に前日夜に時間指定をして面会は酷だ。
リハビリはよくスケジュールもおすようだし。

 
ただ、お母さんが入院して3週間した頃
お母さんの姪にあたる人がいきなり「何かあった?」と連絡してきたらしい。
悪い夢を見たとか。
お母さんは誤魔化したようだが、虫の知らせというやつだろうか。

私がかつて姉の妊娠を夢で見たようなものだろう。

 
お母さんの実家はなかなかに遠い。
電車や新幹線で行くには不便だ。
お母さんの両親は既に亡くなっているし
お母さんはもう、冠婚葬祭以外では故郷に帰らないかもしれない。
もしくは、帰る回数は激減するだろう。

 
 
私は高速道路の運転が怖い。
長時間運転や長距離運転はなるべくなら避けたい方だ。

だけどお母さんの状態や望みによっては
私が変わる時が来たのかもしれない。

 

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