見出し画像

明日につづくリズム/八束澄子

因島に住む中学3年生の千波が主人公の話である。

おそらく主人公のエピソードなどはフィクションだが、ポルノグラフィティの歌詞が出てきたり、因島と尾道合併や因島凱旋コンサートについて触れたりとノンフィクションな部分もたくさん出てくる。
作者は因島出身らしい。

 
もう、目次だけでテンション上がりますね。ほぼポルノやん。
「Heart Beat」なんてマニアックな曲まで……おやおやまぁまぁ。

 
ポルノや湊かなえさんも言っていたが、島内か島外のどちらの高校を受験するか…は、島の中学3年生の試練であり、大きな選択になるだろう。
家族のことや経済状況、夢について考えざるを得ない時期に、親友と比べてつい苛立ったりする千波と、恵(親友)の心情がリアリティあった。

 
里子制度については条件がいくつかあると昔学んだので

ん……?この条件でできるんかい?

と首をかしげたが
まぁフィクションだからいいか。
 
 
 
私は昔からやりたいことが明確で、高校・大学・専門受験と志望校合格を目指して頑張れた。
(だからこそ、本命高校に落ちたことは私の人生において大きな衝撃で、立ち直るまで時間かかったが)

 
ただ、それを支えるのは親の力がとても大きく、「お金は心配しなくていいから好きな勉強を好きなだけやりなさい。」と言ってくれたことやそれを有言実行するだけの経済力が我が家にあったことに感謝しかない。

だからこそ、大学卒業してからも専門で学べたし。
公立進学した賢い姉と異なり、私立に進学し、また飲み込みも悪い妥協できない性格から姉の倍、進学費用はかかった。
そこには感謝と共に劣等感や申し訳なさも感じていて
だからこそ、仕事は辞めてたまるか!という意思に繋がり、仕事を10年やってこられたと思う。

ただ、姉はバイト→就職まで同じ場所で、結婚して子どもを授かってもまだそこで働き続けているのに
妹としては10年働けども、結局到底追いつけないが。

 
 
話がそれた。

主人公、千波は因島凱旋コンサートでポルノから大きな力をもらい
作者もまたそうだったらしいが
テレビでそれを見ていた私もまた、因島凱旋コンサートは感動して涙なしには見られない。

因島、行きたい……
因島凱旋コンサート、またテレビでやってくれないかな…(当時ビデオ録画したが、今我が家にビデオ再生機ないのでビデオは処分してしまった)

因島が愛しくなる、そんな一冊。



この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?