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同じ話を伝えた時の反応の違い

ポスティング作業をする前日
配るチラシを重ねて折って
ポストに入れやすくする。

量はたくさんあり
それは一日かかる。

 
その日の作業中
それまで真面目にやっていたある利用者が
片っ端からグシャグシャにしたり、破りだした。

以前も一度だけあったが
今回は破る量が多い。

 
私はリーダーに言おうとしたが
リーダーは外出中だったので
新施設長に事情を説明した。

「それで、その利用者は仕事の意欲はまだあるんですか?」

予想外な返答だった。

私は作業中断が妥当だと思っていたからだ。

一枚や二枚ならまだしも
故意的に破ったり、グシャグシャになったチラシの量は十枚以上だった。

 
新施設長は怒りさえしなかった。

ただ、仕事をまだやるか、休憩するか尋ねただけで
私はひどくガッカリした。

 
確かに怒るのが逆効果な人だが
それにしても
作業のものを故意的に壊したなら
それなりに言うことなりやることなりはあるのではないか。

 
新施設長はその利用者をその場で休ませるように言った。

その為
更にチラシは破られたり、狙われる羽目になった。

その利用者が抜けた分
作業量は増えたのに
その妨害のせいではかどらなかった。

新人さんがそれに気づいたてくれて
少しだけ手伝ってくれた。
ありがたかった。

 
なんとかしてチラシを折り終わった後
しばらくしてから
リーダーが戻ってきた。

新施設長に様子を訴えても苦笑して立ち去るだけで
私は腹が立ったし
役に立たないと思った。

 
 
だからリーダーに事情を話した。 

 
「それなら、また破られるかもしれないからチラシを置く場所を今から変えましょう。」

折り終わったチラシは段ボール数個分でかなり重いが
リーダーは3/4の量の段ボールを抱えた後
私に「真咲さんはこちらを運んでくれますか?」と言った。
私は軽い段ボールの方を抱えた。

そして二人で
破いた利用者が別室にいる隙に
サッサと運んだ。

 
リーダーは新施設長とは違う。

私が別室で作業をしていても
定期的に様子を見に来たり
物音が聞こえる等異変があったらすぐに駆けつけてくれる。

ちゃんとダメなことはダメだと利用者に伝えてくれる。

だからリーダーが好きなんだ。
人として尊敬している。

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