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バッタを倒しにアフリカへ/前野ウルド浩太郎

以前、「世界一受けたい授業」で前野さんが出演していて面白そうだと思って購入。

想像以上に面白かった。
ページ開いて1ページ目から笑いが止まらない。

おすすめしたい本の一冊。
 
 
少年時代、ファーブル(私はこの本で初めてフランス人と知った)に憧れ
昆虫博士になりたいという夢を抱いた前野さん。

 
この本は「バッタに襲われて食べられたい」という夢を叶えるため(個性的な夢だ…!)
そして昆虫博士として就職するため(ポスドクは就職探しが大変…院卒ほど就職が困難なのは有名)
アフリカに派生した大量のバッタを退治するために単身アフリカに渡った前野さんの人生が面白おかしく描かれている。
 
 
アフリカの生活は大変である。

気温差や砂漠が厳しいだけでなく
体調不良の時はオリーブオイルを額に濡れと言われたり
サソリに刺されても薬を渡されない(ここのやりとりが面白い)。

お酒を持ち込めば没収され
荷物を送ってもらえば受け取りの為にぼったくられ
荷物を受け取ればネズミにかじられており(ここのくだりが声を出して笑った)
バッタ研究しに行けばバッタは姿を消し
別の虫に浮気をして論文を書いたり(雄雌判別が楽しそう。やってみたい。)
バッタを見つければ緑の衣装でその身をバッタに捧げる……バッタアレルギーなのに(笑)
毎日生きて、夢を叶えるために一所懸命。
だから尊く、面白い。

ヤギで裏取引するところや村の子ども達にバッタをとってきてもらうシーンも大爆笑だ。
 
 
アフリカの文化や昆虫について知らなかったことを学ぶのも単純に楽しいし
大変なことをネタにして笑いに変える文章も非常に素晴らしいが
どんな状況でも夢に向かって頑張っている姿に憧れたり、羨ましく思うのだ。

最初は一人でアフリカに渡ったものの
研究所でのババ社長や運転手のティジャニ達との出会いや交流に心温まる。
 
 
たくさん笑うのだが
ガッツや夢や感動や涙や友情がつまっている一冊でもあるのだ。
 
 
論文の都合でサバクトビバッタについて前野さんが発見したことが全ては載っていないのだが
いつか続編だったりなんだったりで
続きが読みたいと思った一冊。

この本に出会えてよかった。
バッタ博士、これからも頑張って。



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