スライド2

喫煙と健康被害(石巻市)

外出すると受動喫煙の機会に悩まされます。例えば、飲食店、公園、歩いている時など、いかにタバコを避けているか。しかし、いくら避けようと思っていても、100%それを防ぐことは出来ません。自分に非がないにも関わらず、一方的に受動喫煙の機会に暴露されます。

世界では、2014年までに49カ国で屋内全面禁煙の法規制が施行されています。日本での受動喫煙対策は、W H O に よ る と 4 段 階 評 価 の「 最 低 レ ベ ル 」となっています。

そんな中、石巻エリアはどうか?

石巻エリアのタバコ購買量は全国平均の1.5倍もある!

石巻エリアでは、石巻赤十字病院の医師や看護師の論文で下記のような報告が出ている。石巻地域 COPD ネットワーク(ICON)におけ る教育効果の COPD 増悪に及ぼす影響(詳しくは原著をみてください)


石巻地域では,たばこ地方還付税から計算された 1 人 当たりのたばこ購入量が全国平均の1.5倍である.2006年 に石巻赤十字病院が主催した石巻 COPD Day における調 査(一般市民666人対象)で,石巻市民の慢性閉塞肺疾患 (以下 COPD)罹患率は40歳以上で13.5%(男性20.1%, 女性6.3%)と,NICE Study で示された全国平均の1.5倍 も高い事が分かった。

また、このような石巻赤十字病院の矢内先生からこのような報告もある。石巻地域における喫煙対策の推進と呼吸器疾患の医療連携。

2006年時点で〜石巻市の公共施設内禁煙化率は55 % で,宮城県平均の74% と比べて低かった。

2006年時点ではあるが、石巻市は日本において喫煙が多く、喫煙者に対して寛容な地域であり、非喫煙者にとっては大変な地域であった。喫煙は多くのリスクがある。では、石巻市の医療の課題はどうなっているか?


これは、石巻市国民健康保険 保健事業実施計画 (データヘルス計画)に詳しく書いてある。

患者1人あたり、腎不全(透析を含む)患者は年間約600万円かかっている!

医療費総額が高い疾患で見ると、上位5位は

1位 高血圧性疾患 約10.3億円 構成比7.6% 患者数15,918人

2位 腎不全 約8.7億円 構成比6.4% 患者数852人

3位 統合失調症など 約6.8億円 構成比5.0% 患者数1,113人

4位 糖尿病など 約6.6億円 構成比4.9% 患者数11,964人

5位 その他内分泌、栄養および代謝疾患 約5.9億円 構成比4.4% 患者数15,731人

そして、一人当たりの医療費総額一人当たりの医療費が高額な疾患をみると、

「腎不全(透析含む)」約600万円、「脳梗塞」約 320万円、「その他の心疾患」約319万円で、生活習慣病の重症化による疾患が上位を占めています。

ここまで調べて、喫煙はCOPDのイメージが強かったので、あまり影響なかったのかな〜と思っていたら、いやいや全くそんなことないってのが、色々調べていたらわかりました。

こちらの大阪がん循環器病予防センター資料から。

喫煙者の糖尿病発症リスクは非喫煙者の1.99倍、受動喫煙で1.81倍

なぜ、腎不全で医療費が高くなるかというと、人工透析が大きな要因です。石巻市の場合、

114人のうち111人(97.4%)がII型糖尿病を起因として透析となる、糖尿病性 腎症であることがわかりました。

ということです。つまり、こういうことなので

糖尿病(2型)→腎不全などの合併症→人工透析

糖尿病の予防が大事になります。

で大事なのはここからです。

上記の資料で、下記の報告があります。

CKD(慢性腎臓病 )に関してもイタリアで検討が行われており ,2 型糖尿病の喫煙者では非喫煙者に比べて CKD の頻度 が有意に高く、他の因子を調整するとそのリスクは2.20倍となりました
非喫煙者を基準とした場合,他の要因を調整した喫 煙者の糖尿病発症リスクは 1.99倍,受動喫煙者では1.81倍高くなることが報告されています。

つまり、喫煙は糖尿病の発症を2倍に高め、さらに透析のリスクになる慢性腎臓病のリスクを2倍に高めると。しかも、受動喫煙も糖尿病の発症リスクは1.88倍となる。

「喫煙は、明らかに糖尿病や人工透析に影響がある」

と言えそうです。


石巻市は、この糖尿病についてどのように言っているかと言うと、これもデータヘルス計画から引用します。

特に糖尿病は、治療において薬物療法だけでは改善が難しく、生活改善や食事療法と併 用して治療を行うことが必要である疾患であるため、医療機関と連携し保健指導を行っていく ことが必要です。(図5)
生活習慣病は重症化するまで自覚症状がありません。健診受診者の有所見の状況を踏まえ、まずは、自分の体の状態を知る機会として特定健診を受けてもらうことが最優先課題とな ります。そして、個々人の生活や体の状態に応じた保健指導を積極的に実施することにより、 発症予防、重症化予防につなげていくことが必要です。また、重症化予防対象者への取組みは、医療との連携が不可欠であり、保健指導を行った後、確実に医療機関を受診したかどうかを確認し、その後も治療中断していないかなどの疾病管理を行う必要があります。さらに、重症化予防のため特定健診の充実を図りながら、医師と 医療機関と連携して進めていく必要があります。
健診受診者は39.0%と低く、なかでも40歳代50歳代の受診率が低い状況です。

つまり、健診受けて、医療と連携して保健指導や疾病管理をしていこうと。あくまで、個人に対して啓発を促しています。もちろんそれも大事ですが、並行してやることありますよねって思うわけです!

それが、受動喫煙防止です。また、喫煙のリスクの啓発活動です。

だからと言って、健診を進めるのをやめるわけではなく、健診をすすめながら、社会環境も同時に変えていこうって言うことです。

でこう言うことを言うと、売上が下がると言う声があるわけです。国の受動喫煙防止法が進まないのも、これが大きな原因です。

でも、このような研究もあります。

売り上げは上がる

受動喫煙防止等のたばこ対策の推進に関する研究

某ファミリーレストランの営業収入の分析の結果、喫煙専用室を設置して全席禁煙化を行った場合、実施後の営業収入は実施前に比べて有意に増加することが明らかになった。

僕も、飲食店探すときに、禁煙を探しますが、これがとても難しい。だから、イオンやスタバなど、禁煙がすでに自明なお店を選ぶことがあります。また、誰か来客があった時など、夕食を食べるときにとても困ります。だからこそ、売上が上がると言うことやよく分かる。東京に行った時などなおさらです。禁煙のお店のガイドブックでも欲しいくらいです。

これだけ悪いタバコの害

では、改めてタバコの煙って何によくないのかですが、

国立ガン研究センターの資料がわかりやすいです。

・ガン、脳卒中、歯周病、慢性閉塞性肺疾患、虚血性心疾患、腹部大動脈瘤、2型糖尿病

・早産、低出生体重時、胎児発育遅延、乳幼児突然死症候群など

大人だけでなく、子供へのする悪影響が確実にあります。自宅や車で子供に副流煙を吸わせている人を見ますが、これって虐待じゃないのかって思います。

そして、それだけではなく、「受動喫煙防止等のたばこ対策の推進に関する研究」では、生産性について下記のように報告されています。

喫煙離席の生産性損失
喫煙者が、「他に休憩時間になしうること」をある程度削って喫煙に充てている。

勤務中にタバコ休憩行ってきますってありますよね。まさに、それのことです。これ不思議ですよね。そりゃ生産性下がりますし、非喫煙者と比べると不公平です。

と言うことで、喫煙を減らすことで様々な効果があるのが分かると思います。

石巻は、スポーツや災害復興で国際都市を目指していると思うので、世界から認められる環境を整備することは、市民にとってもとても有意義です。そこでまずは、屋内や公共施設の受動喫煙の防止条例を作って、クリーンな街を作っていきましょう。

受動喫煙を減らすことによって期待できる効果

ざっと考えてこれだけいい影響があります。

・健康面(喫煙者の喫煙機会の減少、非喫煙者、子供の健康)

・経済面(喫煙による社会保障増加の抑制、飲食店の売り上げ増)

・生産性の向上(喫煙離席の生産性損失)

・観光客の誘致(禁煙店の可視化による集客増)

これだけいいことあるなら、どこかやってるだろうと思いますが、東京、大阪など始まってきています。

受動喫煙防止条例などの実際

受動喫煙の防止に関するガイドライン(大阪府)

東京都受動喫煙防止条例(仮称)

都内飲食店の8割、規制対象 受動喫煙防止条例案(日経新聞)


石巻は5月に市議会議員選挙があります。ぜひ、立候補される方はまずは現状を知ってください。そして、ぜひ政策へ反映して下さい。有権者の方は、要注目です。子供と、働く人の健康を守り、老後も安心して暮らせる街を作りましょう

また、WHOがいうように、日本の受動喫煙対策は世界で最低レベルです。日本各地で受動喫煙が減る環境を作っていきましょう。


サポート有難うございます。難病の治療や入院費に当てさせて頂きます。勇気頂き感謝です🙇‍♂️