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写真の場所性と記念碑性についての考察及び歴史伝承への応用

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2022年に執筆した論文『写真の場所性と記念碑性についての考察及び歴史伝承への応用 』を章ごとに連載しています。友人の死から写真の意味を考察することに始まり、数人の写真家や社会評…
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#ヴァルター・ベンヤミン

【♯3】 写真の場所性と記念碑性についての考察及び歴史伝承への応用 ━ 【第1章 過去とのつながり】 -3

【♯3】 写真の場所性と記念碑性についての考察及び歴史伝承への応用 ━ 【第1章 過去とのつながり】 -3

1−3 遺影

1−3− 1 遺影と過去 
 数ある写真の中でも、特殊な意味をもち我々に影響してくるものがある。それは遺影だ。遺影とは言わずもがな故人を偲ぶために仏間などに飾られている故人の肖像写真のことである。遺影に対して我々が持つ特殊な意識と遺影自体が持つ特殊性から写真そのものが持つ性質について触れていきたい。我々は遺影を故人の身代わりであり、ある種神聖なものと捉えるが、それはなぜなのか。 

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【♯4】 写真の場所性と記念碑性についての考察及び歴史伝承への応用━ 【第2章 写真の場所性】 -1

【♯4】 写真の場所性と記念碑性についての考察及び歴史伝承への応用━ 【第2章 写真の場所性】 -1

第2章 写真の場所性

第一章で触れた写真が持つ過去とのつながりの過程と、過去とのつながりによって得られる写真の深みの正体を考察したところで、この論文の本題に入ることにする。
 写真とは時間の流れから瞬間を切り取るものであり、動から静を生み出すものでもある。しかし我々はしばしば完全な静止画であるはずの写真から、その写真の中に存在する大小の時間の流れを体感として感じることがある。それは「静から動を生

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【♯5】  写真の場所性と記念碑性についての考察及び歴史伝承への応用 ━ 【第2章  写真の場所性】 -2

【♯5】 写真の場所性と記念碑性についての考察及び歴史伝承への応用 ━ 【第2章  写真の場所性】 -2

2 - 2 Timescapeとしての写真

 以上のように、写真の場所性の説明には、場所が内包する(記憶する)時間について理解する必要があった。では、この理論を受け写真が表しうる時間の概念についてもう少し深く考察してみる。
 写真とは言うまでもなく、機械の眼を通して人間の視覚がとらえた場所を像として残す技術である。写真の機能は何か、と聞かれて多くの人は主にこのことを挙げるだろう。しかし、前章で説

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【♯6】  写真の場所性と記念碑性についての考察及び歴史伝承への応用 ━ 【第3章 ベンヤミンの歴史観と場所性】 -1

【♯6】 写真の場所性と記念碑性についての考察及び歴史伝承への応用 ━ 【第3章 ベンヤミンの歴史観と場所性】 -1

第3章 ベンヤミンの歴史観と場所性  ここで示した「写真の場所性」に対する私の見解は、ヴァルター・ベンヤミンが彼の著書、『歴史の概念について』*15)などで著した彼独自の唯物史観などの歴史観、時間観念に大きく影響を受けて形成された。そこで語られているベンヤミンの時間に関わる見解は、“写真の中に堆積した時間が保存される”という私の意見を補強し、大きく飛躍させた。

 実際、写真に関してはベンヤミンも

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