#46 アメリカ文学への愛を語る
部屋の中ではコチコチと、時計を刻む音が聞こえる。それ以外に、存在を主張する音の群れは存在しない。1枚ずつ丁寧にページを捲るたびに、その瞬間パッと物語が生き生きと動き出すんだ。かつては斬新だと言われる誰かの人生も、気が付けばクラシックとなっている。それでも今もなお、脈々と受け継がれる語りの前にわたしは息をのむ。
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六畳一間の部屋の片隅で
当時大学生だったわたしは、六畳一間の部屋の中で部屋干しされた洗濯物の匂いに包まれながら本を読んだ。部屋干しされた洗濯物たちは、みな