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所有者はどこへ行った?

敷地は150坪くらい 買い物便利な好立地にある
仙台市内某所 築60年程度の空き家
放置しておくにはモッタイナイ !
売れるし 活用もできるのに・・・

物件を上から下 右から左へと
夢中になってジロジロ ジロジロ 眺めていると 
背後にいたらしい ご近所の妙齢のご婦人から
「あのう・・」と 
怪訝な表情で声をかけられ ビックリ

”あぁ、不審者と思われちゃったか・・やれやれ” と苦笑い
(傍から見るとドロボーの下見でしょうから・・)

ところが意外にも「もしやこの家のご親戚ですか?」とのこと
「疑われていなくてよかった」と安堵し 紳士的なハニカミ顔で
「いえいえ 通りすがりのただの 普通の不動産屋です 気になって
 ついつい見つめてしまって アッハッハッハ」と答えると
「草木が伸び放題で迷惑しているのでなんとかして欲しい」と困り顔
聞けばもう何年も放置されていて 所有者のゆくえもご存知ないとのこと
「どなたか良い人に買ってもらえるよう頑張ります」と応じると
「ぜひ 宜しくね 頑張って!」とのこと
事務所に帰り早速、所有者情報などの調査を開始

調べてみると所有者は宮城野区役所方面の男性であると判明
数日後 ご近所さんの意向を伝えつつ 
営業的なご挨拶だけでもさせて頂こうと住所地を訪問

しかし いざ現地へ赴くと そこも「空き家」
庭にはゴミが散乱し こちらも草木が伸び放題
家が緑に飲み込まれつつあるような 
This is 空き家
推定4~5年は放置されている様子で
ポストは雨に濡れてベロベロになったチラシや封筒で溢れていました

所有者はお名前からして かなりご高齢のようですが
①亡くなった
②引っ越した
③施設等に入居している
などの可能性が考えられます
④実は中に住んでいる
このケースも割とありますが 諸々の状況から
今回はそれはなさそうです

亡くなったのあれば「相続登記」
居所を移したのであれば「住所変更登記」
がなされていないことは確かで
こうなると不動産屋レベルではお手上げ
調査は断念となります ジ・エンド

所有者が生きているのか どこにいるのか分かりません
弁護士さん等に頼ることも可能でしょう
しかし それなりの費用がかかります(手間にもよるでしょうけど)
また 弁護士さんでさえも現在の所有者情報を追い切れず
断念するケースも結構あると聞きます

実はこうしたケースはとても多いのです
・所有者の登記上の住所地が更地になっていて家がない
・区画整理等で登記上の住所がもう存在しない
そんなこともよくあります
またそれらのことが 重複しているケースも珍しくありません
(このことは、空き家等の持ち主が複数の不動産を所有していること
も示唆していると思います)

なぜこういうことが起きるのか?
それは引っ越しと同時に物件の「住所変更登記」をする人が少ないから
恐らく 我々専門家や繰り返し不動産の取引をなさるような方でなければ
思い至ることは あまりないでしょう
脳裏にさえ浮かばないかもしれません

住所変更及び相続登記については
近い将来 義務化されることになっております
しかしながら
放置された空き家等の所有者がお年寄り中心である事からすれば
義務化を待たず できるだけご本人がお元気なうちに
手続きすることをお勧め致します

ご相談はお近くの法務局や司法書士 
または物件近くの不動産屋が良いでしょう
ご相談をお待ちしております







 



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