大道観光協会

【ガイド】 国指定重要文化財中村家住宅(沖縄県北中城村)でガイドをしています。 中村家…

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【ガイド】 国指定重要文化財中村家住宅(沖縄県北中城村)でガイドをしています。 中村家住宅の魅力を少しでも多くの人に伝えていければと思っています。

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  • 中村家住宅の見どころ

    中村家住宅の見どころを書いた記事をまとめています。

最近の記事

ガイドの予約をお勧めします。

中村家住宅のガイドをはじめてようやく2年目なのですが、 今年度はガイド育成の分野にも手を出そうと思っていたりするので、 昨年度ほど中村家住宅に常駐できなくなりそうな予感がしています。 つまりは、 ガイドとして対応できる時間が減ってしまいそうだなぁという感じです。 基本的には、 できるだけたくさんの人に中村家住宅の魅力を知ってもらいたい! というのではじめていて、 観光客の方にとっては何度も沖縄にいらっしゃる方から、 一生に一度かもしれない方、 何よりも中村家住宅は一度来た

    • 新年度のご挨拶

      新年度あけましておめでとうございます。 エイプリルフールなので、 ウィットに富んだクスッと笑ってしまうような嘘をかまそうかと思いましたが、 なかなか難しいものですね。 値上げします! ガイド辞めます! みたいな嘘はせっかくリピーターの皆さんに支えてもらえはじめてきた時期なので、 あんまり良い嘘とは思えないなぁと思ってしまい、 うまい嘘がつけないことが分かったので、 こうやってありきたりな文章を書くことにしました。 中村家住宅でガイドをしはじめたのが、 去年の2月か3月

      • 7.シーサーはフリースタイル

        シーサーのルールとして、 一対、雄雌、阿吽などいろいろとあるようですが、 僕個人としては基本的にルールはないものだと考えています。 冒頭の写真は【漆喰(しっくい)シーサー】と呼ばれるもので、 屋根を拭いた時のムチゼーク(屋根大工)の棟梁が、 漆喰と瓦の余りものでつくるものと言われています。 余りものということもあってか屋根の上にのっている漆喰シーサーは1体のものを多く見ます。 中には一対のものもありますが、屋根の上の漆喰シーサーは1体が基本といっても良いでしょう。 すべて

        • 6.雨端柱(あまはじばしら)

          沖縄の古民家の特徴として、 軒先の屋根が長くなっているという特徴を持っています。 軒先の長くなった部分を【雨端(あまはじ)】と呼びます。 雨端の目的は2つ。 雨が家の中に入ってくることを防ぐためと、 もう1つは日影を増やすためと言われています。 雨端だけでも語れるわけですが、 今回は雨端を支える柱、雨端柱(あまはじばしら)にフォーカスしようと思います。 雨端柱には主にチャーギ(和名:イヌマキ)が用いられます。 チャーギは首里城にも用いらており、 沖縄県の最高級建築材とも

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        • 中村家住宅の見どころ
          7本

        記事

          5.代表的というよりも特殊

          文化庁による中村家住宅の解説文は、 と記されています。 中村家住宅のウェブサイトには、 と、記載されています。 いろいろと珍しい建築物なのですが、 僕個人としてはとても不思議な建築物だと思っています。 何よりも特筆すべきところは、 【琉球建築様式の屋敷構え一式がそっくり残されている】 という部分です。 廃藩置県が完了し、 琉球王国の約束事が撤廃されて以降に建てられた家であればそれほど不思議な事もないのですが、 伝承ベースではありますが、 琉球国王時代からの面影を残

          5.代表的というよりも特殊

          4.長過ぎるヒンプン

          沖縄の伝統的な屋敷には入り口の突き当たりに【ヒンプン】と呼ばれる衝立を設置します。 多くの文献では「目隠し」として紹介されることが多いのですが、ルーツは【屏風門(ピンフォンメン)】と呼ばれる魔除けだと言われています。 今でも玄関に屏風を置いたりするのは、目隠しの意味ではなく、魔除けの意味があったのかもしれません。 沖縄の昔の民家ではできるだけ多くの風を取り込むために、壁の少ない構造になっていて、玄関らしい玄関はありません。 その代わりに【屋敷囲い】という台風の防風対策が行わ

          4.長過ぎるヒンプン

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          比嘉さんぽに登場したよ。

          普段のガイドの一部が垣間見れます。 他にもいろいろ説明しているんですが、 限られた中で紹介できた分が動画になっています。

          比嘉さんぽに登場したよ。

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          3.琉球石灰岩

          沖縄本島中南部の石造りのものはほぼ琉球石灰岩ができていて、 沖縄本島の30%は、琉球石灰岩だと言われています。 琉球石灰岩はおよそ130万年から10万年前の堆積岩といわれています。 中村家住宅も琉球石灰岩が多く利用されていて、いくつか石の中に冒頭の写真のような化石を見つけることもあります。 写真のものは二枚貝の写しの化石です。 島国の中でもさらに小さな島国の沖縄では木材が潤沢とは言えません。 また、高温多湿ということもあるのか加工しても腐りやすい木材はあまり好まれなかった

          3.琉球石灰岩

          2.バラエティに富んだ独創的な石積み

          中村家住宅の石牆 ( せきしょう )の魅力は、 一つ前の記事に書いた通りで、 とてもユニークな石積みと言える。 冒頭の写真は相方積みや亀甲乱積みに区分けしてよいも思うが、 世界遺産の一つの相方積みよりも曲線が多いのが特徴的で、 亀の甲羅よりも花のモチーフにより近い感じがする。 一般的に一つの石垣は一つのパターンで作られることが多いが、 中村家住宅の石積みにパターンがない。 パターン化できないようなものが多いために、特定の積み方の名称では表現できないところに独創性を感じる。

          2.バラエティに富んだ独創的な石積み

          1.はじまりの石牆(せきしょう)

          なんでもはじまりはあるもので、 中村家住宅は石牆(せきしょう:石垣でできた塀)を見るところから始まる。 中村家は代々農家の家柄にもかかわらず、立派な石牆がある。 というのも、 中村家住宅は300年前の琉球国王の時代に建てられたという伝承があり、 身分によって建築制限のあった当時の百姓には許されないはずの石牆があるのは謎だ。 中村家住宅の石牆はとてもユニークである。 一般的に石積みは1つのパターンで積まれることが多い。 沖縄で有名なものに野面積み、布積み、相方積みの3種

          1.はじまりの石牆(せきしょう)

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          国指定重要文化財 中村家住宅

          北中城村観光協会が制作してくれた中村家住宅のPR動画です。 ガイドとして中村家住宅の紹介をしています。

          国指定重要文化財 中村家住宅

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          おっす!オラ、中村家住宅をガイドする人

          はじめましても方もそうでない方も、こんにちは。 山下幸二といいます。 沖縄県北中城村にある 【国指定重要文化財 中村家住宅】で有償のガイドするようになって、 およそ1年になろうとしています。 1年を待たずして、1000人以上のお客様に中村家住宅の魅力を伝えてきました。 ほぼ常駐かつ有償でガイドをしているのは現在、僕一人で、 今後のことも考えつつ、 また、中村家住宅の魅力をより伝えていくべく、 こちらに文字で残していこうと思っています。 中村家住宅に少しでも興味持った方々

          おっす!オラ、中村家住宅をガイドする人