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6.雨端柱(あまはじばしら)

沖縄の古民家の特徴として、
軒先の屋根が長くなっているという特徴を持っています。

軒先の長くなった部分を【雨端(あまはじ)】と呼びます。
雨端の目的は2つ。
雨が家の中に入ってくることを防ぐためと、
もう1つは日影を増やすためと言われています。

雨端だけでも語れるわけですが、
今回は雨端を支える柱、雨端柱(あまはじばしら)にフォーカスしようと思います。

雨端柱には主にチャーギ(和名:イヌマキ)が用いられます。
チャーギは首里城にも用いらており、
沖縄県の最高級建築材とも呼ばれるほど沖縄の気候風土に適しています。

チャーギの特徴は虫にも湿度にも強く、頑丈であることが挙げられます。
高温多湿かつ虫の害に悩まされる沖縄にとって、建築材としてとても有用な材料だといえます。

このチャーギの特性を最大限活かして利用しているのが雨端柱です。

雨端柱は樹皮を削ぎ落としたチャーギの原木を利用するだけではなく、
さらに木材の特性を最大限に活用するところに先人の知恵がうかがえます。

トップの写真のように、
雨端柱の下の部分は異様な形をしています。
「象の足のような」という表現をすると分かりやすいかも知れません。
まっすぐな丸太ではなく、
土中の根っこの部分を利用しているため、歪な形になっています。

前述のように雨端柱は常に風雨にさらされるため、地面付近の水分は吸い上げてしまい、
腐りやすくなってしまいます。
そこで、もともと水分の多い土中に埋まっていた根っこの部分を利用しています。
そうすることで腐りにくくする工夫をしているのです。

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