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3.琉球石灰岩

沖縄本島中南部の石造りのものはほぼ琉球石灰岩ができていて、
沖縄本島の30%は、琉球石灰岩だと言われています。

琉球石灰岩はおよそ130万年から10万年前の堆積岩といわれています。
中村家住宅も琉球石灰岩が多く利用されていて、いくつか石の中に冒頭の写真のような化石を見つけることもあります。
写真のものは二枚貝の写しの化石です。

島国の中でもさらに小さな島国の沖縄では木材が潤沢とは言えません。
また、高温多湿ということもあるのか加工しても腐りやすい木材はあまり好まれなかったものと思われます。

民具を見てみても、
草や竹の編み物が多く、
木材を使ったものはあまりありません。

琉球国王時代、百姓(平民)は木材の使用が制限されており、
黒糖をつくるためにサトウキビを煮詰める時に、サトウキビの搾りカスを干したバガスを薪の代わりに利用していました。

そんな中で、石の中では加工がしやすい琉球石灰岩が好まれることになります。

まず、石の良さは腐らない。
そして、丈夫です。
台風銀座の沖縄にとって丈夫であることはとても重要なことです。
そして、琉球石灰岩は海でも山でも採掘ができました。

日本の石積みの歴史は安土桃山城(16世紀半ばごろ)の石垣を始まりとすると、
沖縄県の石積みの歴史は14世紀半ばごろからと言われているので、
200年ほど先に石積みの技術が確立されたと言われています。

沖縄の曲線的な城壁は世界でも類を見ないものであり、そんな城壁を生み出せたのも【琉球石灰岩】という石材に恵まれたおかげだと言えます。

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