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クリスの物語 第三章 悪魔の儀式

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~あらすじ~  海底都市でクリスタルエレメントのひとつ”アクア”を無事手に入れてから数ヶ月。中学に進学したクリスは、平穏な生活を送っていた。ところが、ある日紗奈が学校から帰らず行…
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#ドラゴン

クリスの物語(改)Ⅲ 第十話 少女の正体

 紗奈は意識を失ったままだった。 「紗奈ちゃん」  クリスは、紗奈の体を揺すって名前を呼ん…

Daichi.M
3年前
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クリスの物語(改)Ⅲ 第十三話 訪問

「────の5313ね。はーい。ありがとー」  電話を切ると、紗奈が笑顔で振り向いた。 …

Daichi.M
3年前
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クリスの物語(改)Ⅲ 第十四話 紗奈の提案

 母親に続いてうつむきがちにリビングに上がった優里は、ソファに座るふたりに向かって「いら…

Daichi.M
3年前
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クリスの物語(改)Ⅲ 第十九話 犯人

「もしかしたら予想外のことが起こって、そのままでは状況的にまずくなったから、召喚したアー…

Daichi.M
3年前
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クリスの物語(改)Ⅲ 第二十一話 悪魔祓い

『それじゃあ、こっちへ来て』  クレアがふわりと舞い上がって、グラウンドの隅に降り立った…

Daichi.M
3年前
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クリスの物語(改)Ⅲ 第二十二話 理由

『ところで』と、クレアがクリスと紗奈の間にずいっと割り込んだ。 『今回来た目的だけど』 …

Daichi.M
3年前
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クリスの物語(改)Ⅲ 第二十三話 事情

『ふーん。なんか色々あるのね』  話を聞き終えると、理解に苦しむというようにクレアが顔をしかめた。 『でも、そのタガワって人は、闇の勢力に関与している人なんじゃないの?本人が意識しているかどうかは別として。それで、クリスを闇の勢力の仲間に引き入れようとしたのかもね。ねえ?』  同意を求めるように、クレアはエランドラの方を振り返った。 『どうかしら。でも仮にもしそうだとしたなら、その方は偶然ではなく意図してクリスの前へ現れたことになるでしょうね』  エランドラの言葉を聞い

クリスの物語(改)Ⅲ 第二十四話 守護存在

 セテオスへ到着すると、いつものようにネイゲルが迎えに来た。  優里についても、ネイゲル…

Daichi.M
3年前
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クリスの物語(改)Ⅲ 第二十五話 いきさつ

「大丈夫?」  部屋に入るなり、紗奈が声をかけた。優里はベッドの上でうなずきながらも、ク…

Daichi.M
3年前
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クリスの物語(改)Ⅲ 第二十六話 優里のピューラ

 しばらくして、紗奈と優里がクワインダーに乗ってリビングへ上がってきた。クリスの隣に紗奈…

Daichi.M
3年前
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クリスの物語(改)Ⅲ 第二十七話 ドラゴン族と地球人類

 わたしたち一族は、元々この地球上で何万年も前に人間と共存して生活していたわ。他のユニコ…

Daichi.M
3年前
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クリスの物語(改)Ⅲ 第二十八話 優里の特性

 ペテラから手渡されたピューラは、紺色の長袖のワンピースだった。金の糸で刺繍が施されてい…

Daichi.M
3年前
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クリスの物語(改)Ⅲ 第二十九話 風のクリスタルエレメント

 クリスたち一行はエルカテオスへ移動し、アダマスカルが保管された地下倉庫へと案内された。…

Daichi.M
3年前
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クリスの物語(改)Ⅲ 第三十話 紗奈とクレア

『何かお飲みになりますか?』と、操縦室から戻ってきたトルメイが聞いた。  アダマスカルは次元間を移動する亜空間にすでに突入しており、窓の外は真っ暗だった。 『ヴィーナンはありますか?』と、紗奈が聞いた。  ヴィーナンといえば、海底都市で飲んだ飲み物だ。フルーツを発酵させたワインからアルコール分や不純物を飛ばして特殊な海藻と組み合わせて作られるものだが、紗奈はその味というよりはプチプチとした食感が気に入っていた。 『残念ながら、ヴィーナンの用意はございません。ですが、それに