Daichi Muramatsu

クリスの物語Ⅳ #83 湧き上がる感謝

気づいたら、コルソモルを前に、椅子に座る自分の中に意識が戻っていた。  涙が頬を伝っていた。沙奈ちゃんも桜井さんも、泣きじゃくっている。  田川先生は、ファロス...

クリスの物語Ⅳ #82 犠牲

生まれてきた子供は、バラモスが断言した通り男の子だった。  カールした髪と形の整った鼻は、バラモスにそっくりだった。グレーがかった理知的な瞳は、アルタシアのもの...

クリスの物語Ⅳ #81 決心

ハスールの申し出は、アルタシアにとってまさに使命を後押しするものだった。  やはり、自分が思っていたようにセテオス中央部にも闇の勢力のスパイがいるのだ。そのスパ...

クリスの物語Ⅳ #80 銀河連邦からの使者

それからというもの、アルタシアは他のスタッフの目を盗んでは、中央部に勤務する者のあらゆるデータを片っ端から調査した。  経歴から家族構成、好みや癖に至るまで、調...

クリスの物語Ⅳ #79 疑心暗鬼

ある日アルタシアが出勤すると、イビージャが地底世界を追放されたとソレーテから告げられた。理由は、中央部も気づかぬ間に闇に侵されていたためだという。  正直、かな...

クリスの物語Ⅳ #78 呪詛

イビージャの抱く思いなど露ほども知らずに、アルタシアは順風満帆な生活を送っていた。  バラモスと生活を共にしてこそいないものの、頻繁に会っては愛を深めた。  仕事...