いなり定食 by 有紀さん(Tabi:Sara 第3回)
今年の夏、イベントで知り合った有紀さん。
七宝アクセサリー作家であり、農業を営んでおり、漬物も販売する。一見、何者?と思ってしまう有紀さん宅にお邪魔した。
こんなものしかできないけど・・・と提案していただいたのは、ご家族の定番のいなり寿司など。
自分がいなり寿司は作ったことがないので、楽しみだ。
訪れた時には、油揚げを炊くなど、下準備は終わらせていただいていた。
いなり寿司は3種。
1種目は、間引いた大根の漬物、大根葉旨塩漬である。
この辺から、漬物屋としての片鱗が見え隠れする。
2種目は、新生姜の甘酢漬け。これは友人が作ったものだということだった。この生姜を細かく刻んで混ぜ込む。
3種目は、ひじき梅だ。ダイエット中の自分には3つともおいしそうで困る。
次に取り掛かったのは、出汁巻き卵。
これまた大好きな一品だ。っていうか、好きじゃない人はいるのだろうか。
自分で作るときは、顆粒の出汁の素。
今回加えた出汁は、なんとエビ出汁。
なぜこんなものが用意してあるのだろう……?と聞いてみると、数日前にエビを食べたので、殻で出汁をとっておいたそうだ。それを使って、昨日はスープカレーを作ったと。それはそれで食べてみたい。
お味噌汁は、里芋。野良里芋ということだったが、庭に自然に生えていたものを、成長しやすい場所に植え替えたのだそうだ。
さらにいえば、味噌も自家製ということだ。恐るべし。
さて、完成かと思ったら、何か出てきた。
漬物だ。
もちろんすべて自家製。
漬物は3種。
大根皮ポン酢漬
酢蓮根
赤蕪柚塩漬
なんとポン酢も自家製というから驚きだ。
そしてさらに副菜の、さつま芋レモン煮。
すべて優しい味。
漬物を自宅で食べることがない僕にとって、漬物は新鮮で美味しい。
特にポン酢漬と赤蕪が好きだった。
いなり寿司はそれぞれ美味しく、お腹いっぱいだったが、最後にもうひとつ……とお腹に入れてしまう。
漬物を刻んで混ぜ込んであるのが、なんとも言えない美味しさだ。
いなり寿司をほおばって、お味噌汁を飲むと、幸せな日本人になれる。
写真に撮り忘れたが、手作り柚子胡椒も登場した。少しお味噌汁に加えると、また味が変り、これまた美味しい。
出し巻き卵はたっぷりはいった海老の出汁が効いている。
今回はレシピはうかがっていない。
レシピというより、混ぜてある漬物、味噌、ポン酢などが自家製であり、その美味しさがダイレクトに料理に現れているからだ。レシピを聞くなら、漬物作りから教えてもらわないといけないだろう。
お家にはかわいい猫達が2匹いる。
カメラを向けても、なかなかちゃんと撮らせてくれないが、なんとか撮ることができた。
有紀さんによると、顔が強張っているそうだ。
有紀さんは、gatto(ガット)という屋号で、七宝のアクセサリーも制作されている。
酒瓶だ。
有紀さんがお酒が好きなのは言うまでもないだろう。
あんな美味しい漬物を作って、お酒が飲めないなんていうのはありえない。
今度は焼酎と一緒に食べてみたい。
最後に、畑も見せていただいた。
想像以上に広い畑をされている。
イベントでは七宝と梅干を一緒に売ることもあれば、こないだは栗を一緒に売っていた。
そうかと思えば、友人の家のリノベーションを手伝っていたりもする。
まだまだ僕には見えていない、彼女の才能がたくさんありそうだ。