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日本語はなぜ未来時制に過去形を使うのか

日本語は難しいということは誰でも知っているが、どのように難しいのかを説明できる人はそう多くないと思う。

最近英語を学ぶ中で、日本語を英語でどのように翻訳するのかをよく考える。日本語は難しいと改めて思う。

日本語学習者にとって、日本語の未来時制は特に難しい部分であると思う。

例えば、「あの店へ行ったときに、野菜を買います」という文章。

「行く」という動詞は、その動作が話し手にとって未来に位置しているのにもかかわらず、「行った」と過去に置かれている。不思議である。しかし客観的には、野菜の購入より「店に行く」の方が前だ。

つまり、「野菜を買う」という動作の時には、「あの店へ行く」という動作は過去のことになっている。なので、「行く」という動詞は過去形で表されるのだ。

このように日本語は主観的視点、客観的視点を後退させながら、次々と拠点を移して行われる。一方、英語ならば「行く」動作も未来形で表す。英語は行動全体を一望下に収める拠点に立って物事を表す。

日本語を再考することで、日本人が人の気持ちをはかる能力が高い理由を垣間見ることができそうだ。

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