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相続手続の現場から
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相続手続の現場から

はじめに

相続とは誰かの主に死亡(この亡くなった人を、「被相続人」と言います。)によって開始します。そして、相続人は、相続開始の時から被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継することになります。(民法第882条・第896条)

第一事務所通信vol.28━ 遺産の相続手続きの基本事項①━で岩本行政書士が【相続財産となるものは?】【相続人は誰?】という2点を、相続手続の基本事項としてご紹介しました。
これらがわからないと、誰が何を承継するのかという相続手続を始めることができません。調査をし、資料を集めて相続人や相続財産を確定する必要があります。
今回はそのうちのひとつ、「相続財産」についてご紹介したいと思います。

相続財産

相続財産とは、相続によって、被相続人から相続人に承継される財産のこと。
相続人の遺産分割協議の対象となり、あるいは遺言によって相続分の指定ができるものです。
 
なお、「一身に専属したものはこの限りではない」「系譜、祭具及び墳墓の所有権は、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する」という例外が存在することも民法に書かれています。簡単にまとめてみました。

-相続の対象となるもの・ならないものの一例-

みなし相続財産

一方で、民法上相続財産ではないものの、相続税法上で相続財産とみなされて課税対象となるものがあり、みなし相続財産といわれます。
・生命保険金(被相続人が保険料を負担し、被相続人の死亡によって支払われるもの)
・死亡退職金
・定期金に関する権利 など
 
みなし相続財産を含めた相続財産について、何が・いくらくらいあるのかを確定し、相続人が財産を承継する手続と並行して、被相続人の相続税の申告といった税金に関する手続が必要かどうかを確認します。
 
※相続税の申告についての専門家は税理士です。個別具体的なご相談は税務署か税理士に行うことになります。
 

社長!それも相続財産です!

相続財産の調査は、例えば預貯金は通帳、有価証券は証券会社から送付される年間取引報告書、不動産は固定資産税の納税通知書や権利証を手掛かりに行うことになります。
 
被相続人の方が「会社をやっていました」という場合は、会社の決算書も要確認です。
 
筆者が担当したお客様に、次のようなケースがありました。
被相続人は依頼者の母。
父が創業した会社を、その死後に母が引き継いでおり、母が亡くなる少し前に依頼者に経営をバトンタッチしたところでした。
相続人は依頼者のみ、専門技術職の現場担当で、会社の財務内容などにはあまり詳しくないようでした。
 
被相続人の所有していた不動産や金融資産の確認を終え、会社の直近の決算書を拝見しました。
貸借対照表のうち、「未払金」「長期借入金」の内訳を確認したところ、これらの大部分は、「被相続人に会社が支払えていないもの」と「被相続人から会社が借りているもの」でした。いずれも会社に現金が不足していて経営者の方が受け取ることができていない、あるいは個人財産を運転資金として持ち出すということで発生したものでした。
 
相続が発生し、依頼者は「会社に払ってもらう権利」「会社に返してもらう権利」を相続財産として承継することになりました。
問題は、この総額が相続税の課税財産の3割を占めることとなり、多額の相続税が発生するということでした。
依頼者は弊所でご紹介した税理士のご説明に大変驚き、別の税理士にも相談したものの結果は変わりませんでした。
 
会社は資金不足のため、相続人に現金を支払うことができませんでした。その他の相続財産も現預金や有価証券以外のものの割合が高かったため納税資金に足りず、結局ご自宅を売却することになってしまいました。
 
相続財産になるということを母上の生前からご存知であれば、事前対策をとることができた事例でした。

最後に

相続は被相続人の数だけ異なります。
また、相続は発生してからできる対策はほぼありません。
少しでもご不安な点がある場合には、ご自身で判断なさらず専門家へご相談ください。
弊所は司法書士・行政書士の事務所ではありますが、必要に応じて税理士、社会保険労務士あるいは弁護士といった専門家へお繋ぎすることが可能です。

最近はご生前の対策として遺言書家族信託任意後見制度身元保証などのご相談も増えています。併せてご自身のご財産について一度棚卸をしてみてはいかがでしょうか。
 


行政書士法人第一事務所
行政書士 桑野恵里佳(北海道行政書士会 登録番号 第17010750号)
 

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