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11月の「気持ち悪かった」話題作

先月公開の映画、特に話題性の高かったのはやはり
「ゴジラ-1.0」
「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」
「首」

の三本だと思います。

ゴジラの方はこちらに感想を書いていますがもう何度か観て、改めて記事にしたいと思っています。
そして、残る2本、埼玉と首も観て来たので感想を一緒に書きます。

気持ち悪い、「笑い」の世界

埼玉に残った百美サイドの方が、麗たちより笑えた気がします

2本共、Filmarksに感想を書いていますのでそちらの写し記事を上げようと思ったのですが、奇妙な共通項があるな、と感じたのでまとめて書く事にしたんですね。

まず埼玉ですが、前作の予想外のヒットを受けての続編です。原作はかなり古い作品で未完に終わっているので、(前作もそうでしたが)ほぼオリジナルの第二作という形になっています。そもそもが徹頭徹尾コメディ映画で、地名を使いご当地ネタで笑ってください、というだけの作品ですね。
…ですが、「翔んで埼玉」という看板に偽りあり、今回は埼玉より滋賀がメインであり、前作の東京にあたる「悪役」ポジションが大阪になっています。それゆえに笑いもパワーダウンしている感が否めず、残念な続編になっていましたね。お笑いもので続きを作るなら、繰り返しのギャグの方がまだウケたような気がします(お笑い用語でテンドンというのもありますし)。新しい笑いではなく、前作に続き更に埼玉を下げて欲しかった…のですが、前作のラスト的にそれは厳しいか。

実際の秀吉は61歳没とされているので、70代後半のたけしさんが演じるだけで
違和感がありましたね

続けて「首」ですが、思っていた以上にまともな戦国ものになっていました。信長の家臣たちの策略・謀略を描いた群像劇で、実力派キャストが演じる味付けの濃い武将たちが見どころです。しかし信長より秀吉、家康が老けているのがもうツッコミ所で、爺さんだらけの中、西島秀俊さん(52)の光秀が若く見えてしまう。特にわざわざコミカルにしている訳でも、北野映画特有の急な暴力もないのですが、配役だけでシュールな雰囲気があり「笑いたきゃ勝手に笑え」的な独自性を持っていました。

そしてこの2本に何が共通するかというと、「男色」です。
どちらも男同士のキスシーンが出てきます。それがそれぞれベクトルは異なるものの、どちらも気持ち悪い。それを笑えと言わんばかりではあるのですが、笑いが滑っている埼玉、笑いの無い首、なのでその男色がただの悪趣味なシーンとしか映らなかったことが、個人的にキツかった。
特に首のほうでは、遠藤憲一さんが西島さんを本気で恋慕しておりあの濃い顔でそれを訴える場面、生理的に無理でした…。

映画らしさという観点では

杏さんのキャラ、良かったのですが強引な男設定は受け付けませんでした
西島さん以外、悪人顔のオンパレードです

単純に、映画館のスクリーンに相応しいスケール感でいえば「首」の方がありました。「埼玉」は昔ならテレビのバラエティでやっていたような作品、これも今では映画でなければ予算の都合などで実現しえない時代なのかな…と一抹の寂しさを覚えます。しかし「首」は映画的な構成ではなく、ただ歴史上の出来事を淡々と追って唐突に終わってしまいます。これも北野監督の持ち味といえばそうなのかもしれませんが、シンプルに物足りなさが残ってしまいました。クライマックスがあったという意味で、物語の出来栄えは「埼玉」に軍配が上がる部分もあります。

・チープだが、起承転結はあったのが埼玉
・映画的な画面は観られるが、盛り上がらないのが首

と、評していいと思います。

総括すると、期待値の高い作品でそれ相応にヒットもしているが、問題も多く純粋にオススメは出来ない…そんな11月の2本でした。


というか、ホモ描写は苦手でして…(汗)。
2本続けてそれを見せられたのは、たまったもんじゃないって感じでしたね…。


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