幽遊白書の実写版に腹が立った、というお話
突然ですが、怒ってます。
理由は先日公開された、このPVです。
来月ネットフリックスで配信開始予定の実写版幽遊白書の予告編ですが、原作とかけ離れたキャスティングと作風、さらにはこれを「良さそう、楽しみ」と期待しているコメントが不快でした。
これは私に原作愛があるからなのですが、実写化に落胆する他作品ファンの気持ちを当事者として味わっているのと、落ち込むよりは外に発散するタイプなので怒りに発展してしまっているんですね。
幽白、原作の魅力とは
幽白は90年代に少年ジャンプで連載されていた冨樫義博先生の作品で、Wikipediaソースですが発行部数5000万部を超える、ジャンプ全盛期の看板作品の一つです。
私はちょうどこの頃、主人公の幽助と同世代でかつ厨二病真っ盛りだったこともありこれ目当てにジャンプを買っていたんですね。幽白が終わってからほどなくして買わなくなったので、そういう作品だったという事です。
ジャンプ漫画としてはオーソドックスなバトル漫画ながら、敵側の台詞の濃さや日常感の魅力があり、すぐ近くに妖怪がいるような雰囲気が秀逸でした。アニメも2年ほど放送され、土曜日の夜は「幽遊白書→セーラームーン→スラムダンク」と一時間半はアニメにドップリだったのを覚えています。ニチアサならぬ、ドヨルですね(笑)。
もう6年近く前ですが、秋葉原でやっていたコラボカフェにも行きましたね。
ここまで言えば説明不要かと思いますが、当然原作も全巻持っています。全19巻と短めなので、もし未読の方がいれば薦めていたりもします。ハンターxハンターよりは敷居が低いですから(笑)。
あっちは37巻まで出ていて、まだまだ終わりは見えませんね…。
幽白の実写版といえば
もう4年前になりますが、幽白は舞台化されたんですよね。
この舞台は好評だった為第二弾もあり、原作6巻、暗黒武術会の前までが描かれました。私は一作目はライブビューイングで観劇し、二作目は行けなかったのですが円盤を買って観ています。当然一作目も円盤は買いましたが、観劇した帰りの電車の中でポチったものです、それほど、素晴らしい舞台でした。
パンフレットにも書いてあったのですが、スタッフ、出演者が皆原作大好きなメンツで、この舞台をやれることが本当に嬉しいという思いに溢れていた座組だったそうで、クオリティの高いものになるのは必然だったんですね。
私が驚いたのは、役者さんの声です。
アニメの声優陣にとにかく声が似ている。観ている最中に舞台なことをフッ、と忘れて、見慣れたアニメと錯覚するほど声質、喋り方の再現度が高かったんですね。原作愛の強い舞台であることがひしひしと伝わってきたものです。2.5次元舞台では有名な役者さんが多いということもあり、殺陣もまた迫力のあるものでした。蔵馬役の鈴木さんは、
「剣、刀は慣れているけど鞭のアクションは初めてで難しかった」
と仰っていましたが、刀は慣れている、なんて役者として格好良い発言だな~って思いますよね。
そして声やアクションだけでなく、キャラのビジュアルも再現度が非常に高かった。
ともかく、この舞台版はマンガの実写化としての成功例として挙げるに相応しいものでした。今年初めに観て来た舞台リコリコも良かったですし、舞台の持つライブ感と原作愛が噛み合う事で「夢」を見せてくれる、そうなったものは素晴らしい、の一言に尽きます。
で、これの後に…
「お名前拝借」の別物
例の、ネトフリ版実写です。
そもそもビジュアルは二年前?ほどから出ていて、舞台版の直後だった事もあり「ハァ?」な気分になったのを覚えています。
上の予告を見ても、アクション偏重で原作とはまるで違う雰囲気になっているのがわかります。不良中学生ながら仲間思いで熱い心を持つ幽助が、ただの戦闘者になっているようなイメージです。何よりコエンマの台詞が酷い。
「お前を生き返らせてやる、代わりに霊界探偵をやってもらいたい」
「生き返れるんだから、断る理由はないだろ」
脅迫ですか?コエンマはそんなキャラではありません。さらにその幽助の横にいるぼたんの、なんとも言えないルックス。
実写化あるあるですが、原作のネームバリューにあやかっただけの別物、という印象を受けました。そして、舞台版を知らない人からすると、これが「幽白の3次元版」として記憶されてしまうのが歯痒いな、と思った次第です。「実写版幽白」としてまずこれが挙がってしまうのが、舞台版に感動した身としては口惜しく感じるわけです。
「クオリティ高そう」
「意外と悪くないかも」
「これを機に原作を知って欲しい」
これらのコメントに「ムカッ」としてしまった…という、あくまで個人的な「これは無い」というネトフリ版への印象のお話でした。
そもそも、こういうので原作ファンの拡大に繋がった事例がどれほどあるんでしょうか。老害バリバリで申し訳ないですが、「原作を汚すな」という気持ちです、ハイ。
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