マガジン一覧

真・咲き誇る薫りにまみれ

私、岡崎モユルが日常で思った事、気がついた事、感じた事を赤裸々に語りつくすコラムの様なコラムじゃないような感じで皆様にお届けさせていただきます。 ただ単に書きたい事を書きたいときに書き殴るという無責任極まりない無法地帯でもあります。 お気をつけて。

背中

 毎朝駅へと向かう際、いつも見る誰かの背中  何を想い、何を背負って、どこに向かっているのだろうか  眺めながら時々思考する時がある  生きる為なのだろうが、何か違う  ぼんやりと思いながら眺めてみる  自分の事ではないから何も分からない  当然だろう、所詮はひとなのだから  夜に同じ路を変える時、朝と違う感覚がある  きゃははと騒ぎ立てる若者達の背中、携帯片手に物憂げな背中の男性  おいしくもない蕎麦屋の看板を眺めている男性の背姿  あたりまえにある宵闇

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人生

 久方ぶりのこのサイトでの投稿であります。  こんばんは、岡崎モユルです。  自分の人生の是非をこれまでにネタとして小説にしてきた訳なのですが、ようやくたどり着いた吉報により、やっと報われたという実感を経て感無量な時を過ごせています。  大げさな話はさておき、これまで色々あったなあ、と振り返ってみては少しながら涙ぐんでしまうのは、自身過剰すぎる反応ではない事は何より自分が分かりすぎている。  頑張っている者はだれかが見ている、だからこそ必ず報われるというのはよく聞く話

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運命

 少し前の流行歌のような題名で失礼いたします。  こんばんは、岡崎モユルです。  運命とは自分で切り開くものと諭す方もいらっしゃれば、はたまた生まれ持って決められた路が故、あらがう事も出来ないと論じている方々もいらっしゃる。  どうなんだろうと考えてみても、そこら辺の学びに疎い私からしてみると、なるようになるのではという他力本願的な感じで考えているから未だ自分の足元さえ理解できないのではと苦笑してしまう有様であります。  まあ、転がるように生きていけている事に対し、心

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現代を生きる事とは…。

 雨が激しく降りしきっている夜。そんな雨音をサウンドにこうキーボードを叩いております。  こんばんは、岡崎モユルです。  はてさて、自分の人生上、衝撃の出来事が起こりすぎた六月を経て、今を過ごしているのですが、思い起こせば悲劇の始まりは去年の暮初めから起こりました。  今思えば、自分も何かに怯えて、どうでもいい事に捉えられて、生きていたような気がする。  だからこそいまとなればどうでもよかった話で、肩の荷が下りたような感覚が清々しい。  更に思うと、そんなどうでもい

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二人だけの路

社会人で美容室を経営している男、岡田校季がお客様である一人の女の子、雨宮椿とであってしまった。  高校を卒業したばかりで、すぐさま愛媛から京都へと場所を移してしまう雨宮に対し、様々な経験を経て今を生きる黒木。 この二人の路は如何なる物ものなのか。。。 お楽しみあそばせ。 長編の様な短編小説です。

二人だけの路 一 あの日の僕、そしてこの空の下で…。

 ラジオの音をダウンさせて窓を開けて外を見た。まだ肌寒い春先の風が、髪を軽くたなびかせては通り過ぎていった。  まるで時を刻んでいるかのように、点滅する紙工場の煙突の光を眺め、何を思う訳でもなく、はいつくばった部屋の壁にある真新しい写真に視線を移す。それは最近付き合い始めた彼女の写真であった。  彼女の名は雨宮椿。  実は付き合い始めて四日後に大学進学の為、ここ愛媛を離れ、京都へと旅立ってしまった。その事を告げていた数少ない友人からとても気の毒に思われているらしいのだが、僕

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二人だけの路 一 あの日の僕、そしてこの空の下で…。 2

 終業式が終わった夜、難波の某居酒屋にて、とんでもなく馬鹿騒ぐ打ち上げが催された事だけは今でもはっきりと記憶している。今考えると、あれはきっと、この大都会を一年、何とか生き抜く事ができた喜びによるものと、春休みという名の長期休暇がもたらした気の緩みがそうさせたのであろう。  当時は未成年であった僕が言っても信憑性に欠けるのだが、飲酒は二十歳を過ぎてから。しかしこの時は皆が皆、我を忘れて飲みまくり、てんやわんやの大騒動で、一夜の残響は都会の霧に消えていった。  次の日の朝、

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二人だけの路 一 あの日の僕、そしてこの空の下で…。 3

 それからというもの、自分なりの傑作品をいち早く認めてもらうべく、様々な出版社へと精力的に出向く日々を繰り返していた。  とりあえず何事にも失礼のないように、アポを取って出向く事にしていたのだが、時折「持ち込みは硬くお断りさせて頂いております」と一方的に電話を切られてしまう出版社は幾所かあった。  いつもならそこで諦めてしまいがちの性格をしている僕であるのだが、この時だけは何故か「これは出版社側が新人の度胸をテストしているに違いない。」と、バカがつくほどのポジティブシンキ

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二人だけの路 一 あの日の僕、そしてこの空の下で…。 4

 前回この会社へと訪れたのは確か二カ月ほど前だったと思う。  数えではそんなに月日は経っていないものの、この二カ月間は、僕にとって多大なるものを培う必要不可欠な期間であり、僕が未だ文学にかじり付くきっかけとなる確実な出来事が起こった日なのであった。  仰々(ぎょうぎょう)しいほどの規模を誇るビルディング。それを見上げている僕の側を数分足らずで何人が通り過ぎ、この社へとのみ込まれていったのだろうか。  元来、書き専門であるだけの僕は、どの出版社が何のジャンルに適していると

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『快感。悔恨。邂逅。奇縁。期待。希望。屈託。苦難。空虚。経験。結果。嫌悪。警告。交錯。請い。故意。…恋。』  あの街で、無知で無力で不器用に生きている者達に捧ぐ。

k ファースト・コンタクト 1

 この仕事の電話を受けた時、私は尼崎付近で仕事をした帰りの車の中だった。  ドライバーのⅠ氏にこの仕事の発注先の場所を告げると、あからさまにめんどくさそうな表情を浮かべて低い舌打ちを鳴らした。 「八尾市っすか?しかも山手側っ!?ここどこだと思ってんすか?近くに誰かいなかったんすかねぇ…。」  確かにそれは私も思った事だった。きっと一番先にフリーになって、後に予定が入っていないのは私だけだったのだろう。とにかく今日はやけに忙しい夜だった。 「仕方ないでしょ?仕事なんだか

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古今叙事大和本紀

時は西暦330年頃。第10代天皇、崇神の頃。 吉備国(現岡山県)から始まる。 齢15の少年、岳津彦。の嫁、弥生が何者に連れ浚われてしまった。 時代の流れに翻弄されつつも人や神と出会い、愛を知り、人として成長していくという笑いあり、涙あり、その他にも色々ありのとんでもない物語である。 日本神話ベースなので興味がある方は是非。 人としての幸せとは…。

古今叙事大和本紀 第三章 服部一族の秘密 3

 広場の中心から数え五の路に差し掛かっていた。  これまでの足を進ませた路にもちろん長の宅はなく、と言うよりも同じような形で、同じような色彩の建物が立ち並ぶだけで、景色にこれという変化はない。 「なんか、ある意味すごい村ね。まるで集落全体が固い要塞みたい…。ここの土地神には出会いたくない気がするわ…。」 「あめたんよ、何故そう思うのじゃ…?」  薄気味悪いように辺りを見渡しながら天鈿女は恐々と声を震わした。 「だってさ…。この創造からして絶対に堅物な事間違いないじゃない

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古今叙事大和本紀 序章 静かな海からの旅立ち 1

 岳津彦は静かな海を眺めていた。  ここ吉備国(現、岡山県)から広がる瀬戸内の海はいつも潔白に感じるほど穏やかで、いつ創造されたか分からないほど太古昔から人々の営みを優しい瞳で見つめているのだろう。  今は何時であり、我が誰なのかさえ分かる訳も、分かる筈もないこの世界。その時々にも様々な描写は存在し、消えては生まれ、生まれては消えていく。そして時代を紡いでいく。生きとし生けるモノの想い達を馳せながら…。    時は夕暮れ。鈍色の光からもたらされる木々の影が淋しそうに遠くへと伸

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古今叙事大和本紀 序章 静かな海からの旅立ち 2

 先に語った物語の少し前の話である。  大和国(現、奈良県)では、国家挙げての大変な事態が全てを覆い尽くすまで蝕ばんでいた。  日照りによる飢饉、水不足での飢え、所代われど起こりうる時代に対しての詐欺や侵害等。役人による不誠実の暴露。そして他国からの内渉ともいえる侵略等。日々このような事が度重なり、都は混沌を極めていた。  金も何もない女は自ら春を売り、というよりも、食糧さえどうにかできなくなった家は必ずといっていいほど娘を手放し、これが今生の別れと涙する有り様であるらしい。

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古今叙事大和本紀 序章 静かな海からの旅立ち 3

 確かあれは丑三つ時に近づいた刻に見た宵夢と感覚する。  私はただただ白い空間の中にいた。地面に足をつけて立っている訳でも、浮いている訳でもない。正しくそこに存在しているだけの、まるで自分がただの物体になっているような不思議な感覚…。  ふと、どこからともなく甘い香りが漂い始め、そちらの方へ自然と体は吸い寄せられていった。向かう途中、霧のような煙のような気体が私の体に纏わりついては渦を巻きながら通り過ぎていく。香りの正体はこの気体ではないかと嗅いでみてもどうやらそうではない

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BAND☆やろう是

皆様も何時しかあった学生時代。男子。 本当に色々多感な時期に、かっこいいと思い、一度は手を染める執着があると思います。 ファッションであると黒い召し物、シルバーのアクセ。スケボーやダンス。音楽でも色々とあると思います。 そんな岡崎モユルがハマった出来事というと、バンド。そうバンドなのです。全ては現実ではないのですが、何かこんなことあったなという出来事をネタとして書いた小説で、これが私の書いた処女作でございますので、これは無料で公開いたします。 よし、いってみようっ!!

BANDやろう是 第一二章 祭りの後

 ライブ会場を後にした僕達は、無言のまま帰宅していた。迎えに来てくれた眞由美さんでさえ何も発する事なく…、という事はライブをどこかで眺めていたという事なのか?兎にも角にも沈黙というより静寂に近い状態だと僕は思った。車の音さえも感じさせないほど、僕達の心は深く沈んでいた。  流れる窓の景色は闇だらけで、多分ここは桜三里の辺りなのだろうか。高速道路沿いに規律よく並ぶライトと、遠くに見えるトンネル内の光が見えるだけで、他は闇。闇。已み。ライトの光が余計に漆黒さを際立たせ、薄霧が漂

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小説BAND☆やろう是 序章 告白

 あれは、僕が高校生最後の冬だった。  北風が厳しく、身も心もちぎれてしまいそうになる危うい季節だ。  慌しい正月も去る事ながら、晴れ晴れしい出所…否、来たる卒業への物悲しさと新入生を迎える華やかな雰囲気が静かに入り乱れるなんとも例えようがない時期である。  式の準備に勤しむ後輩達が校舎中を走り回り、ああだこうだと怒鳴りながら何度も僕の横を通り過ぎた。  僕は高校三年間という波乱に満ちた日々を思い出しながら、中庭にある池に生息する鯉どもに餌を与えていた。  本当は用務員さ

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小説BAND☆やろう是 第二章 兆候

 あの日に語り尽くした仲間達とも変わらず仲良く過ごしながら季節は初夏を迎えていた。  だんだんと暑くなる日々が人々を不快に思わせているのだが、学生達は暑いだけが不快感の根源ではない。とにかく中間テストを近くに控えており、苛立ちを隠しきれずピリピリとした緊張感がクラス中を漂わせていた。  テスト前になると、自己申告で受講させてもらえる講義が放課後に行われていて、テストに出る問題が当たり障りなく教えてもらえる事もあり、皆がそれを頼りに残っていた。  人となにかと争う事を嫌った性

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BAND☆やろう是 第三章 困惑

 次の日の朝、僕はいつもより早く登校する事にした。仲間達に昨日起きた出来事を早く伝えたかったからである。  雨の日も、風の日も、何故か皆は他のクラスメートが登校する遥か前から登校しており、いつか「お前もたまには早く登校してみたらどうだ?」と皆に言われていたのだ。  昨日早く寝ていた訳で、とてつもなく早い時間帯に爽快な目覚めを遂げてしまった。  ふと窓際に立ち、朝焼けに照らされる中『遂にその日がやって来た。』と思えて、早朝の登校へと至ったのである。  登校の足取りは軽く、いつも

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