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妄想老人が暴走老人になっている可能性はないか

自分は前々から「老人専用窓口を設けて、そこには老人の店員を配置すべき」と思っている。そうすればブチ切れた老人の相手を働き盛りが相手をする必要がなくなるし、レジの待ち行列が長くなって後ろの人がイライラすることもなくなる。
いわゆる“分断”であるが、老人が社会のマジョリティになっている以上、この方がなにかと都合が良いのではなかろうか。

前置きはそれくらいにして、今日のサービスって、それはそれは完璧な理解を放棄したくなるほど、複雑怪奇である。
つい最近始まった増税とキャッシュレス決済が最たる例だが、こんなもの世代関係なく理解不能である。
それを差し置いても、電車の乗り方や切符の買い方も、旅行経路によっては複雑になりうるし、
最近JR東日本では「全車指定だけど座席未指定券を買えば、空いてる席には座っていいよ」なんていう、ちょっと何言っているかわからないサービスも始まった。

こういう世間の潮流についていくには、理解する努力と能力が必要になる。
これがあるかないか、世代によってそこまでの違いはないはずである。

ところが老人がそういうのに納得できずに「ブチ切れて」いるシーンに遭遇しがちなのは何故だろうか。
単に人数の多さだけでは説明できないような気がするだ。


そこで思いついたのは、老いることによって生じる、「虐げられた」という妄想である。
今回の増税とキャッシュレス決済に関しる報道で、街中にインタビューを行なっているものがあった。
内容としては、世代に関係なく「わかりにくい」「抵抗がある」という声をまとめたものなのだが、中身をよく聞くと世代間で考えが異なりことに気づく。

いわゆるスマホを持っている世代は、「セキュリティが不安」「いろいろ方法があって迷う」「どの店が対象なのか分かりにくい」といった、“選択肢の中にキャッシュレス決済もあるが、その選択肢を選ばない”とも言えるような内容であった。
一方の老人世代は、そもそもスマホを持っていないケースが多いので、「よくわからない」とは答えつつも、わかったところで対応できない。
ハナからキャッシュレス決済が選択肢に入らない、というよりも選択肢を奪われてしまっているのである。

このような状況から「老人世代は(選択肢を奪われて若い世代ばかりが得をし)虐げられている」という被害妄想が始まる。
ハッキリ言ってしまえば、老人の窓口でのクレームのほとんどが被害妄想によるものではなかろうか。
「ちゃんと読まないからわからない=ちゃんと読ませないお前が悪い」という妄想である。

妄想に侵された老人の怒りを止めるのは、難しい。
その気持ちがわからない若者、いや老人以外の世代では無理だろう。
だからこそ、「老人専用窓口と老人店員」が求められるのである。


老人の暴走を止められるのは老人しかいない。
そう考えると、政府の高齢者雇用の促進は、ある意味で理にかなっている。

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