Well-beingなCoordinatorたちに聞く VOL.5
みなさん、こんにちは。DAEのMasaeです。
DAEが運営する、脳とウェルビーイングを深め合うコミュニティ Well-being Community講座(通称WBC)。
そこで学び、Well-being Coordinator(※)として活躍していらっしゃるみなさまをご紹介するシリーズ!
「Well-beingなCoordinatorたちに聞く〜第5弾〜」のご紹介でございます!!
今回は、WBC第2期Coordinatorのricoさんにお話しを伺いました。
ricoさんは東京生まれ東京育ち。
在宅介護ヘルパーの仕事をしながら、日々コツコツとハッピーをみつけては発信し続けている、ハッピー習慣化(ハピディテ)の上級者!
控えめな印象の奥には、おちゃめで遊び心が垣間見える、素敵な素敵な方です🎶
今回、DAEメンバーのSakiさんが聞き手となり、子どもの頃まで遡って、ricoさんのもつ力の源泉を辿りました。
脳ってすごい!もっと知りたい!
── ricoさんが脳に出会ったきっかけって、何だったんですか?
ricoさん:一番最初は、植松努さんのTEDでした。こういうのあるよってたまたま見せてもらったときに、「これだ!」って。もう自分の頭の中でモヤモヤしていたいろんなことが、串刺しになったような感じでした。私、ついつい食べ物に例えちゃう人なんですけど、なんていうか、もうお団子みたいに、串に刺さって全部まとまった!みたいな(笑)。
こういう人がいるんだっていう衝撃で、植松さんの本やSNSの情報を見ていった先に、工藤校長先生と青砥さんによる麹町中学校での取り組みを知ったんです。
興味をもって調べていくうちに、「脳ってすごい!私のずっと求めていたのはこれだ!もっと知りたい!」って気持ちがどんどん溢れてきて。
── 植松さんとお団子に感謝です。そうしてWell-beingの脳レクチャーとWBCにたどりついていただいたわけですね。
ricoさん:そうなんです。最初はね、興味はあったけれど「自分なんて〜」という気持ちが強くて。だって、きっとすごい人が集まるんだろうなと思っていたし、ちょっと未知の世界すぎて、そこに入る勇気ないなって…。でもその1年後の募集のときも、やっぱり変わらず強く惹かれていたんですよね。家でもずっと言っていたから、主人が「やればいいじゃん」って背中を押してくれて、それで参加を決めました。
── 1年越しの思いをもってご参加いただいていたのですね。嬉しいなぁ。ricoさんの最初の自己紹介はとても控えめな印象があったんですよね。
ricoさん:こういう会に参加される方って、教育関係の方や、脳をはじめ何かの専門の研究をされている方だと思って、きっと萎縮していたんですね(笑)。
でも、全然心配していたようなことはありませんでした。私自身は、普段は介護の仕事をしているけれど、特段何かをやっているわけではないし。あまりこだわりがない方なんですが、脳のことを学んでからはガラッと変わりました。知らず知らずのうちに、私が求めていたものにやっと会えた感覚。生きているうちにこれを知れたことがすごい!って、大袈裟じゃなく思うほどに。
── ありがとうございます。とってもうれしいです!
「このためにやるんだ」という納得感が原動力
── WBCをとおして知ったricoさんは、自分の中に芯があるというか、強さをもっていらっしゃるなぁと。今のricoさんに至るまで、きっとこれまでの経験だったり、性格だったりがベースになっていると思うんです。なので、幼少期まで遡って深掘りできたらなと。小さい頃はどんな子でしたか?
ricoさん:小さい頃はおじいちゃん子だったんですよ。一緒の建物に住んでいたんですが、いつも、何かお手伝いするふうを装ってくっついていって、お菓子を買ってもらってた。ちびまる子ちゃんみたいな(笑)。周りが言うには私に甘かったらしく、お菓子の出る玉手箱じゃないけど、きっとそんな感じだったんじゃないかなぁ(笑)。
── お菓子効果はあるとは思いますが(笑)、でもそのおじいちゃんに心理的安全を感じられて、一緒にいてハッピーな気持ちになっていたんでしょうね。
ricoさん:そう思います。あと、小さい頃はよく泣いていたと思ったなぁ。きっと、何か思うようにいかないことで泣いたり騒いだりしていたんだと思うんです。年の離れた兄に、しつこく「何してるの?何してるの?」ってつきまとって、ちょうど兄が何かを録音しているときだったのに私がしつこいもんだから、「静かにしろ!」バシ!って怒られて、ぎゃーん!!!みたいな(笑)。
── 兄弟あるあるですね(笑)。うちの5歳と2歳の兄妹も、妹がお兄ちゃんの真似するのが大好きなんだけど、お兄ちゃんにはちょっと邪魔者扱いされたりして、しょっちゅう喧嘩になっています(笑)。
ricoさん:そうそう。敵わないんだけど、なんか負けたくないみたいな(笑)。
泣いたり騒いだり、わりと活発な子どもだったんじゃないかなぁ。なんか塀を登ったりして遊んでました。
── 塀を!?
ricoさん:そう(笑)。小学校のとき、着せ替え遊びが好きな仲のいい友だちがいて、一緒に遊ぶんだけど、つまんなくて(笑)。まだやるの〜?とか言っていた記憶があります(笑)。それより外や公園で駆けずり回っているのが好きだったみたい。
── すごい活発!意外な一面を垣間見た気がします。では、大人になってからはどうです?介護の仕事をされてるとのことですが、やっぱりおじいちゃん子だったこともあってその道へ進んだんですか?
ricoさん:いえいえ。一番最初は事務系の仕事だったんです。当時は勉強も好きじゃなくて、得意なことも、資格も、特段やりたいこともないし、たまたまご縁をいただいた会社に入りました。英文タイピングが多い仕事で、ワープロ教室みたいなところに通いながら、もうひたすらカチカチやってましたね(笑)。
── 勉強は嫌いとはいえ、そこは苦じゃなかったんですね。
ricoさん:うん、全然苦じゃなかった。私、目的がはっきりしていれば、たぶん大丈夫なんだと思います。学校の勉強って、通っている当時は「何のために」っていう自分の中の目的が見えてなかったし、未来の自分の役に立つと言われても腑に落ちなかった。でも自分の中で「このためにやるんだ」と思えることは取り組んでいた。その思いが私の原動力なんだと思います。
── なるほど。ricoさんのハピディテ(※)継続力の源はここにあったんですね。
── 転職のきっかけは何だったんですか?
ricoさん:まだ事務の仕事をしているとき、朝通勤していたら、おじいさんが道で倒れていたんですよ。東京の、人がめちゃくちゃ通る道で。道行く人はみんなその倒れたおじいさんを通り過ぎていて、私も仕事に急いでいたし、一旦通り過ぎたんです。だけど、どう考えても人が倒れているんですよね。やっぱりおかしいよなぁと思って、おじいさんのところに戻って声をかけたら、顔にご飯粒をつけながら、言っていることもよくわからなくて。命には別状なさそうだし、通りがかりの人に声をかけてお巡りさんを呼んできてもらって。
どうやら認知症で、徘徊してきちゃったみたいなんです。身元もわかって、おじいさんはパトカーで送ってもらえることになって、ひと安心。なんとか会社に間に合うかなと思っていたら、そのおじいさんが、「僕のうちにお茶飲みにおいでよ」って、パトカーの中から言うんです。いやいや、遅刻しちゃうんで〜って断ったら、おじいさんがすごく寂しそうな顔をしたの。その顔が忘れられなくて、「自分は何も知らなくて、何もできないんだなぁ」って。でも、何か自分にもできることがあるんじゃないかと思ったのが、介護の仕事を始めた大きなきっかけですね。
── 素敵なエピソードをありがとうございます。それだけricoさんの記憶に焼きついた瞬間だったんですね。やっぱり、おじいちゃん子だった頃の記憶も影響しているんでしょうか。
ricoさん:そうかもしれないですね。20代で転職して、今まで続けてきているので。在宅介護の仕事って、他人のおうちに入っていくので、なんだか人の人生が見えると言ったらいいのか、それはもうめちゃくちゃ参考になるんです。こういう生き方って素敵だなぁとか、物事の受け止め方の示唆をいただいたりだとか。なので、人生勉強になります。
自分はこんなにいいものを持っていたんだ
── いろんなricoさんを知れて、なんだかうれしいです。昔の自分と比べて、変わったな〜と感じるところはありますか?
ricoさん:変わったのは、やっぱり、脳のことを学んでから。本当の脳の使い方がわかったというか。そこはもうめちゃくちゃ変わりましたね。「あ、こんなにいいものを自分は持っていたんだ」って、衝撃でした。
── 「こんないいもの」って、いい表現ですね。
ricoさん:心からそう思ったんです。今まで、自分のそれは「使えない」と思っていたの。頭のいい人がいて、自分はそうではない人。そういう括りで考えていた。まさか、こんなにいい機能を持っているだなんて知らなかったし、努力すらしなかった自分が変われるんだって、もう大発見です。
── 学んでもなかなか自分の身になっていきにくいこともあると思うんですが、ricoさんはそれをすごい吸収して、本当にご自身の一部にされてる感じがすごく伝わってきます。でもそれって、そう簡単にできることじゃないと思うんですよね。脳を学び始めて、WBC講座にご参加いただくなかで、ご自身にどんな変化がありましたか?
ricoさん:講座の中で、「やり続ければ身につく」、「成長には限界がない」というお話を聞いて、そうか。これはやればいいんだ!ハッピー探知機を自分の中につくろう!という思いでやり始めました。だから、もうずっと、ハッピーハッピーハッピーって言いまくってました。うちの子どもたちなんか、急にハッピーハッピー言い出してどうしたの?って思ったでしょうね(笑)。今まで自分にとってのハッピーをあまり考えて生きてこなかったので、まずは探すところから。すると、「自分って何が好きだったっけ?」と疑問が出てくるから、ひとつずつ見つけて増やしていくんです。
WBCで学んだことは、まずやってみました。苦手にもチャレンジして、楽しくできたっていう体験を記憶に残したり、あとはヘッブの法則ですよね。出来事と感情をセットで記憶するというお話しなんかは、「なるほど」と納得感も強くて、着せ替えみたいにいろんなパターンを試したり。そしたら意外と、好きなものも嫌いなものも、そのときに生まれる感情が大きく左右していたんだなぁって、いろいろ発見がありました。
── 「やってみなはれ」を実践されていましたね。どんな発見がありましたか?
ricoさん:私はコーヒーがすごい好きだと思っていたんです。でも、飲んだ後は結構具合が悪くなることあるんですよね。実は私って、本当はコーヒー好きじゃないのかも?と思って、コーヒーが好きだと思った記憶を辿ってみました。そしたら、家族でコーヒーを飲んでいる思い出だったり、コーヒーに絡む何かハッピーな感情が、私の「好き」を大きく形づくっているんだなぁって、気づきをもらいました。
嫌いなものもそれと同じで、「そうか、嫌いだと思っているだけなんだ。できなかったことをできるように、ただやればいいだけだ」と気づいたんです。だから苦手なことにチャレンジできた。
── 苦手だと思っていた記憶を書き換えてしまっている!
ricoさん:特に自分は変わったなぁと感じるのは、「忙しくてあれもこれもできない!」と思ってしまっていたことを、「今日は忙しかったけど、1個だけやった!」という考え方に切り替えられたこと。そうすると、いろいろできなくても、1個やった!できた!っていう自分を肯定する蓄積ができてきました。これは本当に、いい習慣だなと思います。
── ものすごい変化ですね。素敵だなぁ。先ほど、自分はこれといって好きなものがなかったとお話しされてましたが、今のricoさんを見ているとそれがすごい不思議で。学びを吸収して実践して、自分の内側と対話して、好きなものやご自身の強みを再発見して。それがricoさんに新しい変化を生んでいってる。すごいことです。
ricoさん:きっと、もともと自分の好きなものは、自分の外側にあるものじゃなくて、内側にあるものだったんだと思います。そのうちに結婚して、子育ても忙しくて、ちょっと大変だから今は置いといて、、、って内側に置きっぱなしで忘れかけていたみたいな感じだったんでしょうね。だから、それを復活させるとなったら、「何が好きだったっけな?」、「そうだ!これも好きだった、あれも好きだった」って次から次へと、芋掘りみたいに1個掘り出すとそれに繋がったいろんな好きなものが出てくるんです。楽しいですね、ハッピーを探すのって。
自分らしく、ハッピーを広めていきたい
── ricoさんが大切にされている言葉を教えてください。
ricoさん:今までこういう言葉とか、意識したことなかったんですよ。WBCの初回の自己紹介のときに問われて、なんだろうなぁって。
でも1年かかって、これはいい!と思って選んだのは、カール・ロジャーズさんの言葉です。
今、私の頭の真ん中に置いている言葉です。
ことあるごとにこの言葉を引っ張り出してきて、「今、この色にしろって言ってないかな?」って、自分が立ち戻るための指標としています。
やっぱり、ついつい言っちゃうじゃないですか。こうしてくれるなとか、こうしてくれよって、特に子どもや身近な家族だと余計に。そんなときに、この言葉とサンセットの情景と一緒に相手のことを思い浮かべて、ありのままのその人を受け入れようって、自分自身と対話しています。
── 情景が思い浮かんで、すごく穏やかな気持ちで切り替えられそうです。素敵!
では最後に、今後やってみたいことや、こうなっていきたいご自身の姿などはありますか?
ricoさん:そうですね。脳のおもしろさ、そしてWBCは、もう全人類の人に体験してほしい!私の言動には、それが全部組み込まれているんですよね。普段喋っているときも、「あ〜私はまた脳の視点で喋ってるな〜」って、自分で気づくくらい(笑)。家族にも「またハッピーハッピー言ってるわ」って言われながら、実践する姿を見せ続けていく。この自然と日常に結びついているのが自分らしいかなと思っているので、これをずっと続けて、じわじわと広まっていったらいいな。だって、人がすごい良さそうにやってたら、やってみようかなって思いますよね。
だから、これからも学び続けて、ハピディテし続けて、一生、生きていきたいなと思います。
ricoさん、お話しを聞かせていただきありがとうございます!
インタビューではさらりとお話しいただいているハピディテの習慣化。これが実はすごく難しいことなんだけれど、「そうか、やればいいんだ!」と言って毎日続けているricoさんの継続する力は、本当にすごい!
そしてここには書ききれないほどのエピソードたちは、おちゃめで、おもしろくて、魅力的なricoさんのいろんな一面を彩っていて、さらにさらに大好きになりました♡
こうして出会えたこと、心より、脳より、感謝申し上げます!
これからも、ともにハッピーを共有し合い、互いにWell-beingを育みあっていけたらうれしいです。