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『地面師たち』を絶賛する人が見落としている、アレなとこ【後編】プロぶってる無警戒の“愉快な”アウトローたち

 現在(8/24の昼過ぎ)も、Netflixの国内TVドラマランキングでは、華々しく1位の座に鎮座する『地面師たち』

ピエール滝氏の嫌味な笑顔が、1位の誇らしさを際立たせている、最高のサムネだ!

 前回に引き続き、このドラマの変なところに、ツッコミを入れる企画だが、その第二弾はドラマ全体に対してのツッコミを入れていくものである。

 前回、批判記事を書いたことで、ハリソンの熱烈なファンが雇った殺人外人部隊が、トラックで轢き殺しにくるのではないかと、夜しか眠れない日々を過ごしていたが、お母さん、僕は元気です!

 ありがたいことに、僕のようなどこぞの馬の骨が書いた批評記事を買って下さる方もいて下さり、本当に感謝感激でございます。

 今回も『地面師たち』のちょっと「アレ?」なところを語っていきますが、ただ意地悪な文句で終わるのも味気ないので、ここをこういう展開にすれば「もっと熱いドラマになるのではないか!?」という僕が勝手に考えた『地面師たち』も、おこがましくも図々しいですが、書いていきます。

 全文公開は有料になりますので、悪しからず。
また、記事をⅩで拡散していただくと、料金がお安くなりますので、そちらもお試しください。(※注意:こちらの割引は、誠に勝手ながら終了しております。ご注意下さい)

 前回同様、今回も『地面師たち』の作劇、内容に関して少々 バカにする 批判的な部分も多々ありますが、有料部分を切り抜いたり、内容をこのnote記事外へ露呈させる行為を固く禁じます(※SNS上での引用ポストにおける感想の明記、および拡散は構いません)。その点に同意された方のみ、この記事のご購入(=共犯者となることを了承したこととします)をお願い致します。 

危機感アリ。されど対策ナシの“愉快な”仲間たち

後藤義雄ごとうよしお(ピエ瀧)の脇、激甘タルト!

 このドラマは第1話の冒頭で、主人公の辻本(綾野剛)と後藤義雄(ピエール瀧)の会話から「以前、土地所有者の替え玉に使った人物が、何者かの手で消されている」という物語上の伏線が張られている。
 そして同一話内にて、物件オーナーの替え玉として、地面師詐欺に協力したお爺ちゃんが、ハリソンの手によって轢殺されるのである。

 この時点で観客は、ハリソンは替え玉に使った身寄りのない人間を、文字通りの「捨て駒」として扱う危険人物であることが分かるのだが、地面師グループの後藤が、ハリソンのヤバさに気づき始めるのは、第4話のカフェでの会話が初である。
 その際、後藤から辻本へ「あいつは狂ってる」という注意喚起をし、「これを最後に引退する」とまで宣言している。

 しかしこの後藤、ハリソン曰く「死人がゴロゴロ出るヤマ」として挑戦しているドラマの本筋である100億越えの詐欺を成功させたあと、吞気に家族で焼き肉を楽しんでいる。その背後にハリソンの殺人外人部隊が迫り、これから殺されるであろう結末が示唆され、後日に死亡報道されるという顛末だ。

ちょっとこの人の脇、キルフェボンのタルト並みに甘すぎん?

 後藤が元は、優秀な司法書士であることは劇中で明かされるが、たしかに謀略と暴力が支配する極道の人間ではないにせよ、裏の世界で生きる者としてのサバイバル能力は低過ぎると言わざるを得ない。
 詐欺グループに替え玉だとして参加した人物が、詐欺完遂後に殺されていることに危機感を抱いているのに……。

 さらに第6話にて、土地所有者の尼さんの替え玉を予定していた女性が急に参加できなくなってしまい、稲葉麗子いなばれいこ(小池栄子)が、替え玉をするしかなくなるという展開で、坊主頭を嫌がる麗子をハリソンが強引に従わせる場面。
 その恐ろしいほどの迫力に、後藤は並々ならぬ猜疑心と恐怖を抱いたであろうことは容易の想像できるが、それでもなお彼は「自分は主要メンバーの一人だから、殺されることはない」と踏んでいたのだろうか。
 頻出して悪いが、ハリソンは「死人ゴロゴロ」モードであり、それは周知の事実である。

 後藤義雄、やはりちょっとバカ過ぎないだろうか。

稲葉麗子いなばれいこは、記憶力『メメント』疑惑な上に、やはり間抜け。

 詐欺グループの紅一点。五人組の戦隊レンジャーならピンクポジ。よって小池栄子扮する稲葉麗子は、サギピンクである。

 彼女の場合、ハリソンとの関係性の深さや、その背景はほとんど明かされないが、彼女も最後の最後で、用済み人材絶対即殺すマンことハリソンの餌食となる。ただ劇中で死亡が明かされないので、続編で生存しているかもしれない。

 彼女には描かれていない部分が多く、またその要素について想像で論うのは、野暮であると重々承知だが、どうしても解せないのは、自分がストックしていた替え玉の人物が、詐欺完遂後、謎の死を遂げている事実をどう捉えているのか、何も描かれないことである。

 先に書いたが、劇中で替え玉が死んでいる事実への危機感を訴えるのは後藤であるが、本来ならば麗子は、真っ先にその危機感を抱いて然るべきである。

 たとえ替え玉として、一時的な共犯関係で利用する人材にせよ、相手の弱みに付け込み、金で釣って協力させるに至るには、かなりの信頼関係の構築が必要であろうし、そうして苦労して集めた人材が、後日あっさりと殺されていることを、彼女は知らないのだろうか。

 彼女が手を染めている地面師詐欺という犯罪の性質上、ニュースをまったく見ないとは考えられない。記憶力の問題だとすれば、彼女の記憶能力がクリストファー・ノーランの『メメント』並みのカスでなければ、考えにくい(しかし『メメント』並みの記憶能力なら、地面師詐欺は絶対無理だ!)。

 と考えると、新たな仮説が浮かび上がる。
麗子はハリソンが、用済み人材絶対即殺すマンであることを、知りながら隠している仮説だ。

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