阿弥陀乃トンマージ🎈
漫画・サッカー・歴史・ミスチル・高橋留美子先生が好き。web小説で活動。
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『漫画家の私、平安宮中の弱小サロンの女房に転生しちゃったのでBL漫画とかを描いて無双します……多分。』第3話 【創作大賞2024・漫画原作部門応募作】
参 ある日、甘子さまサロンの私のもとを訪ねてくる人がいた。 「はい」 「よろしいでしょうか?」 「どうぞ」 「失礼……」 切れ長の鋭い目で、鼻先が下を向いている長い鷲鼻で、小さいおちょぼ口、顎先が少し尖った女性が長く綺麗な黒髪を翻しながら入ってくる。 「あっ……」 「ごきげんよう、鬼神兵庫さん」 「は、はい……えっと」 「申し遅れました、紫式部と申します」 「ああ、どうも……って、ええっ!?」 私は驚きのあまり、後方に転がりそうになる。 「……大丈夫ですか?」 「え、え
『漫画家の私、平安宮中の弱小サロンの女房に転生しちゃったのでBL漫画とかを描いて無双します……多分。』第2話 【創作大賞2024・漫画原作部門応募作】
弐 ある日、甘子さまサロンの私のもとを訪ねてくる人がいた。女房にはそれぞれ仕事用のスペースが割り当てられている。漫画を発表するようになってから、その感想を伝えてくれる人がよくやってくるようになった。感想はもちろん様々ではあるのだが、この時代の人々は漫画というものに初めて触れるので、そこにはなんというか、新鮮さみたいなものが共通していている。 令和の時代に活動していたときは、ファンレターやSNSなどで反応を知ることがほとんどであった為、こうして面と向かって反応を頂けるのは、
『漫画家の私、平安宮中の弱小サロンの女房に転生しちゃったのでBL漫画とかを描いて無双します……多分。』第1話 【創作大賞2024・漫画原作部門応募作】
あらすじ 令和の時代、そこそこ人気のある女性漫画家、甘味処やよいは過労の為、倒れてしまう。目を覚ますと、そこは平安時代の宮中であった。 やよいは自らが、七条天皇の三人目の皇后、甘子を盛り立てるサロンに属していることを理解する。ただ、この甘子サロン、明るい清少納言を擁する定子サロン、真面目な紫式部が支える彰子サロンらに押され気味のいわゆる弱小サロンであった。お局さまからなんとかなさいと言われたやよいは困惑しながら、筆と紙を手に取る……。彼女は千年以上も名を残す、稀代の随筆家